★異常干支⑩
 
24・丁亥-2
・霊感的な現象を経験しているかどうか
・家族を大切にする亥が出ているか。亥の甲(母)との関係の強さ。
・結婚への意識が自然に向う(亥の現実性と本元に配偶者)。
・集中しても持続しきれない天報星の影響
・夏の精神(丁)と冬の現実(亥)の矛盾(天然な言動)がみられるか
 
このあたりが丁亥のポイントになる。
夏樹静子さんと杉浦太陽さんをメインに、何人か観て行く。
 
 
『日本の女性推理作家の草分けであり、繊細な心理描写と巧みなトリックによる『蒸発』『Wの悲劇』などの秀作により「ミステリーの女王」と称された。夫は新出光会長の出光芳秀。』
 
冬生まれの弱い丁(日干)が、月支真冬の水(癸・車騎星)に激剋され、ほぼ消えそうな状態。そこに甲(玉堂星)が入り込み、これが最大の燃料となる。
空になった丁は、余計な私心がないので、甲を無条件最大燃焼することができる。
 
車騎星は単純に闘争心とは言えない。日干を激剋するという作用が大事。これによって、日干は空化することが原理。自我が強いと闘争心という力にもなるが、夏樹さんのように弱い自我とエネルギーだと空になった丁が引力を生じ、天啓が降りてくる(インスピレーションがわく、使命感が宿る)ようになる。
 
自我が削がれた日干が激剋する気(禄存星)が人や財を引き寄せる理屈と同じ。
車騎星と低エネルギー(天極、天馳、天報)が小説のアイデアを生む。それを甲(玉堂星)と戊(調舒星)が表現する。
 
全体の50%弱を占める甲は隣の戊を激剋。戊(調舒星)は陰占でも陽占でも剋線過多になって才能星として力を出す。
調舒才能星は、個人感情の表出や個人的な表現力としては使えない。甲から入った知識と空になった調舒星が創造力を発揮する。
 
夏樹さんは、大学在学中に結婚が決まっていて、卒業後すぐに結婚、二人の子供を産んでいる。学生時代に乱歩賞の候補に上がるような推理小説を発表して期待されていたが、書くことをやめて、すんなり専業主婦になる。
甲は母であり、戊は偏父。父とは支合の関係で、両親に従う宿命を持っている。
 
本元配偶者、家族を大事にする午未、「亥」と、家庭に向かう姿は本性と一致する。
その一方で、天報星は一つの事だけに向かうことは本性に反する。それを続けると身体を病んだり、問題が生じるようになっている。熱中と休息でバランスを取る必要がある。
 
専業主婦を一つの方向だとすると、書くことがもう一つのバランス。
最初の出産と必死の子育てが極まったところで、「書きたい」という願望が生まれたという。
 
『もう、一つ間違ったら育児ノイローゼになりそうなくらい必死で、今日何グラムミルクを飲んだとか何時間寝たかとか、顔色はどうかとか、本当に神経質に必死に育てたという気持ちがありました。』
とインタビューで答えている。
 
『母性というものは子供を持って初めて突然自分の中に出現するものでしょう。私は28歳で子供をもったわけですが、それまでは全く巡り合ったことのない感情なわけですね。親は子供のためなら本当にどんなことでもやるだろうと思った。極端なことを言えば命も投げ出すのじゃないかと自分で思ったわけです。それがやっぱり自分でもすごい驚きでもあったし一種の感動でもあったし、そのことを書きたいと本当に噴き上げるように思ったのです。』
 
算命学では剋線過多を才能と同時に、そこに入る人物を「犠牲運」という形でとらえて、「その人物を犠牲にすることで自分の運が上がる」という説がある。これもまた、単純に信じてはいけない理論だと思える。
剋線過多に人物が入ると、自然な関係が難しいとは言える。
剋線過多の調舒星の場合、自然に親子関係を作ることができない。子供に対して、強い意識を向けるようになる。それがこうした発言になっている。
 
夏樹さんのように、そこにとらわれてしまい、必死の子育てになる。犠牲という言葉を使えば、相手を犠牲にしないで自分を犠牲にすればいいという理屈も成り立つ。
 
剋線過多が才能になるのは、そこに私心が入らないからだろう。嫌でも客観的に子供と自分を見る眼ができる。
 
『結局生命を支えるものは愛情だと思うんですね。いかにその試験管や薬剤が関与したとしても、そのもっと大本にあるのは人間の愛情なわけですから、産む愛情であり育てる愛情であり、それがやっぱり新しく生み出された生命の生命観を形作って行くんじゃないか。ですから、いわゆるガチガチの医学小説というよりも、いろんな母と子や男と女やそういう人と人との愛の物語になったと私は思っているのです。』
 
自然な母性は、当たり前のように子供がいて、愛情をもって面倒見る自分がいるという姿になる。
夏樹さんの場合、それが自然な自分の感情ではないゆえに「愛情」「生命」という言葉がクローズアップされ、それをテーマに書きたいという意欲が沸き上がる。
調舒星(子供)が才能になって、表現することへと駆り立てられる。
そこからしばらく、子供をテーマの推理小説を書き続け、作家としての地位を確立する。
 
『子どもが小さいときは子どもを題材にした話ばかり書いていました。福岡在住の2児の母が育児の話をミステリーで書くと珍しがられたんですね。雑誌などからどんどん注文がきて、書くことが何より好きでしたから、子育ての合間を縫って寸暇を惜しんで書いていました。』
 
書くことによって、バランスが取れて、子育ても家庭も可能になる。これが天報星の能力。
 
夏樹さんは仕事という社会経験なしに結婚して、子育てをして、推理小説を書く仕事をしていた。
 
『子どもの話を3年くらい書いたら、もう種が尽きちゃって。私は大学を出るときには結婚が決まっていたので、就職の経験が全くない。だから社会勉強のためにも、意図的に「社会派」になろうと思って、企業のことを聞きに行ったんです。』
 
ここから、企業訪問を続け、社会を知るようになる。ついでに法律の話にも興味が行き法律も勉強する。こうした方向転換は天報星の特技であり必要な変化。
 
半分近くを占める甲・玉堂星が大活躍して、その知識が戊・調舒星を激剋して、社会派の推理小説や、弁護士・朝吹里矢子や検事・霞夕子というキャラクターを生み出すことになった。
 
作家としてのインスピレーションを持って、結婚家庭という現実をベースに生きることは、丁亥の大きな特徴になる。また、妻、母、作家の3つをこなすエネルギーは天報星によるものだろう。
夏樹さんが生きてきた姿は、丁亥をフルに発揮した好例になると思う。
 
『2001年、「ウルトラマンコスモス」に主演し知名度が上昇、人気を博す。以後、ドラマ、バラエティー、映画、CMなどで活躍。歌手としても活動。 2007年には、元・モーニング娘のメンバー、辻希美と結婚。その後まもなく第一子にも恵まれ、 2009年、「20代の理想のパパ芸能人」第1位にも輝く。』
 
日干が他には陰陽ともになく、自我薄。鳳閣星調舒星もなく、個人感情が表に出ない仕組み。
陰占では自分が最多剋なので、そこに役柄を入れれば、俳優でもタレントでも理想のパパでも演じることはできる。
 
禄存星3つに玉龍が打たれる形。自分の考えで動くよりも、その時その時の状況によって思考する。
禄存星がつながっての月年納音は、自分で感情を作ることができない。現場対応力は抜群で、いざとなると度胸のある所をみせる。相手対応なので、飛んできた石に反応する。争いになる事もあるが、俳優でもタレントでも臨機応変な対応力はある。
また、お金に関しては案外しっかりしている。
 
内輪では、玉堂星と龍高星が重なり、自我薄だと、思考をまとめるのに時間がかかり、まぁいいか的な妥協が生まれる。内と外では異なった反応になる。
 
自我薄で主体性をもてない剋過多自我は、座下の母(目上)と妻の影響を受ける。
結婚すれば、家庭が対応すべき現実になるので、自分の意志ではない環境の意志で丁亥の家庭を大事にする役割を全うすることはできる。
そこには特別に喜びはないが、個人的な喜びを必要とする宿命でもない。
 
杉浦さんの妻はタレントの辻希美さん(元モーニング娘)。
天干に陰陽の火性が並ぶ。配偶者干がなく、日支本元の辛が定位置の夫。
その夫を自分が激剋する。禄存星夫は、尽くしがいがある夫であることが続く条件。
 
尽くす妻といっても天干準1気の自我だと、自分本位の尽くし方をする。相手の気持ちよりは自分の愛情が先に出る。愛情豊かには違いないが、時に押し付けるような形で相手には重くのしかかることもある。
 
干合と2つの天剋地冲(いずれも辻さんが打つ側)、大半会縁があって、隙間は多いが4領域共通のべったり夫婦型。クロスする領域図は、剣を交えながらも(争いながらも)寄り添っていける形。酉と卯という二つの12支が同じで、現実相性も悪くない。
 
宿命からも相性からも、辻さんのうるさい干渉を太陽さんが耐えられるかどうかが夫婦関係を保てるかどうかのカギになる。
 
また、配偶者干のない人と、正配偶者を持つ人との相性もいいとはいえない。
太陽さんの自我薄と空の自我がどれだけ辻さんを受け入れられるか。すべてはここにかかってくる。
子供ができることによって、丁亥の家族思い本性が高まり、家族のためという意識が芽生えて、太陽さんは、家庭でも理想のパパ芸能人を演じているように思える。
自我薄出力なしはそれができる。
 
ブログで家族のことを公開することによって、そこが劇場になる。演じることの意味は出てくる。演じるという言葉が悪ければ、一家団らんを努力する夫。
 
言われているような丁亥という神秘性はないが、案外こうしたタイプの人が多い。
霊感的なことに関しては特に見いだせなかったが、こんな記事があった。
 
『幼稚園時代、ウルトラマンタロウが大好きだった。
 人形を集めていた。母親手作りのウルトラマンタロウのリュックサックを愛用。
 七夕の短冊に「ウルトラマンタロウになりたい」と書いた。
 ※「ウルトラマンコスモス」の第1回放送日は01年7月7日だった
   (幼稚園時代の夢が15年後の七夕に実現した) 』
 
 
簡単に丁亥らしい部分をコメントして行く。
 
・橋本聖子・・・カルガリー五輪でスピードスケートの全5種目に出場して全種目で日本記録を出して入賞。既婚で子供が3人(夫の連れ子が3人、計6人)。一時期、国会議員と妻と母とスケート選手と1人4役をこなしていた。このあたりが天報星の能力。一つに集中するよりはこのほうが良い。抜群のバランス感覚とスピード感は亥の身体霊感とも思いたくなる。
 
・木下優樹菜・・・バラエティータレント。23歳で結婚。夫はお笑いの藤本敏史さん。子供2人。丁亥は比較的早婚が多い。
 
『17歳の時、夜中に宇宙人にさらわれた。 「帰りたいんですけど」と言ったら帰してくれた。 朝起きると背中に人間の手ではない手形が残っていた。』
『幽霊や宇宙人が怖いので深夜にトイレに行く時は夫を起こしてついて来て貰う。』という記事があった。
 
・所ジョージ・・・タレント。「シンガーソングコメディアン」を自称し、ミュージシャン・コメディアンとして芸能界デビュー。その後、日本を代表するタレントとして複数の冠番組を持つに至っている。
 
多芸多才の天報星通り、俳優・声優・司会者・ラジオパーソナリティ・ディスクジョッキー・作家・コピーライター・ゲームクリエイター・発明家、また、少年ビッグコミックにおける漫画家としての連載など、様々な活動を行っている。

過激な表現や意表を突いた本音、様々なパロディーなど、多彩な表現力を駆使しているが、放送コードにひっかかる表現も多く、レコード・CDが販売されても早々に廃盤になったり、ライブで演奏はできても発売されない楽曲もある。このあたりが、湿った樹木の飛躍的な開花という丁亥らしさに思える。「天然」芸と命名したい。
ところさんの一見いい加減にみえるスタンスこそ、天報星の理想的な在り方に思える。
 
・林真理子・・・作家。『林さんは、エッセイなどで自分のことを「本屋の娘」と綴ってきた。その本屋さんを始めたのが、みよ治さん(母)だ。これまで、エッセイのみならず、インタビューなどでも、母と娘のさまざまなエピソードは幾度となく披露されてきた。みよ治さんをモデルにした小説「本を読む女」もある。林さんにとって、かけがえのない、敬愛する母―
丁亥は、母縁の強い人は多く、大なり小なり、母の影響を受けて育っている。
 
・長谷川町子・・・漫画家。日本初の女性プロ漫画家として知られる。代表作に『サザエさん』『いじわるばあさん』『エプロンおばさん』など。
 
『長谷川は、胃痛や風邪による休載はしばしばあったが、1960年には漫画家廃業を宣言し、一年近く断筆したことがあった。約半年後に長谷川の心境が変わった後に朝日新聞社から打診があり、連載を再開している。
 
『「ヒューマニズムに飽きていた」長谷川は、1966年からブラックユーモア路線の「いじわるばあさん」の連載を開始する。善良なキャラクターの作品と違い、「いじわるばあさん」は自分の地のままでいいから気楽に描けるという。』 
 
天報星は一つの事に集中しすぎると、身体を病んだり、事故にあったり、それをストップさせるような出来事に遭遇する。変化することができないと、現実から変化を促される。
 
前述した夏樹さんも、1993年から約3年間、原因不明の激しい腰痛と、それに伴う奇怪なほどの異様な症状や障害に悩まされた。日本中の名医を探し、出来る限りの治療を施したが治らなかった。それがあるとき、精神の問題と言われ、納得しないながらも、先生の言う通りに休養をして小説(夏樹静子)を忘れるという生活をしたら、徐々に回復して治癒に至っている。
その時の体験から「腰痛放浪記 椅子がこわい」という本を書き、原因不明の痛みに苦しむ人たちに一つの光を与えた。
 
長谷川さんも夏樹さんも、一業に専念する職人タイプの作家。そうした人ほど天報星の休養を求める力に悩まされることになる。
また、亥は現実(肉体)的な支なので、肉体に才能や問題が現象化するように思える。
 
・木下多恵子・・・霊視ができる占い師。

『東京都練馬区東大泉で画廊喫茶「道化師(ピエロ)」を経営。占いを行っている。
本人は占い師とうよりは、どちらかと言えばセラピストと言う。大泉の母とも呼ばれている。占い方は、手相に現れていることを如実に話す。また客を霊視して、その背景に見えることを述べる。歯に衣を着せぬ言動で知られる。
霊感がある丁亥に該当する人物。