日居天中殺(甲辰)女性の結婚
①生家環境の影響。両親兄弟の影響(特に父親)
②日居天中殺らしさが出ているかどうか
③実際の結婚生活
④仕事と結婚の両立をどのようにしているか。子供への愛情。
 
 
小雪さん。『モデル、女優。1995年、高校3年の時にファッション雑誌『non-no』の読者モデルに応募し、同誌専属モデルとなる。後に看護学校へ進むも、モデル業に専念するため中途退学する。1998年、テレビドラマ『恋はあせらず』のヒロインに抜擢される。以降、ドラマや映画、CM等多数メディアに出演。
 
宿命の特徴
・月支を中心に半会二つ
・日年の自刑
 
・それほど特徴のある宿命ではない。月支(心)を中心の半会は、自分の気持が何よりも大事。気持に反することはできない。やっても半会を使えないのでうまくいかない。
 
月支は玉堂星1つ。半会は新しい玉堂星を作るためのもの。スタンダードを超えた発想が生まれる。月年の半会なら仕事で、自分の役柄に対して自分なりのアイデアを加味する。私生活ではその時の最善を目指すような発想を生む。創意工夫の玉堂星になる。
 
また、半会する癸(玉堂星)には戊(禄存星)が和合している。生家で父(戊)と母(癸)が仲良しだったように、禄存星と玉堂星はセットで燃焼する。
月支本元の癸は1気だが、日年の本元戊に暗合(干合)されている。
 
禄存星は日干に激剋されて「空」になる気。若いころは、そこに日干の自己顕示欲が入るが、女優になるころにはこの禄存星は空の気となって、そこには、仕事で求められる相手(監督や制作サイド)の依頼が入る。それに合わせて玉堂星がフル稼働する。
 
これは両親の正干なので、生家での両親の関係の影響を受ける。母が父の意をくみ、父を助けるような玉堂星であったなら、小雪さんも仕事の依頼に忠実に頭を巡らせる人になる。
母が父に逆らう人であったなら、この玉堂星は龍高星に近くなったり、あるいは、自己顕示を満たすために頭を使うような、ねじれた玉堂星になる可能性もでてくる。
反面教師的な意味なら、依頼とは別に、玉堂星は学問を身につけ、そこから正論を導き出す形になる可能性もある。
だいたい、甲辰の両親は仲がよいことが多い。悪ければ悪い意味があって、それによって変形する禄存星玉堂星が別の能力を生む。
 
玉堂星は数が増えると、それだけ学問的なものから現実的なものへと姿を変える。
たくましい知恵になり、チャレンジ精神や行動力も加わる。学ぶという本性は消えることなく情報通であり、知恵袋的な役割も果たす。
横並び玉堂星の半会は、現実的な場面で発揮される。
 
また、星はどんな星でも重なると頑固さにつながる。
玉堂星の場合は、自分の気持ちにより忠実になり無理なく自分らしく生きようとする気持ちが頑固さに含まれてくる。それが半会するので、自分を曲げて他者に迎合することは不可能に近くなる。
「誰が何と言おうと、自分らしくありたい」というのは、自然な信条になるだろう。そこに日居天中殺の神的正しさが加わると、時には身勝手な言動になる恐れもある。
 
・日年の自刑 日年の比和だと、行動と結果が自然一致で、求める答えに到達することが自然になるので、そのための努力や思考錯誤は、忍耐強くやることができる。
自刑の場合、そこに客観性とバランス感覚が加わる。自然一致を妨げるもの(バランスを崩すもの)に対して、注意喚起や邪魔者排除的な言動が起こることはある。
自刑は刑の根本原理といわれるので、比和よりは強く、刑的うるささが加わる。
 
また、日年の自刑は、仕事と家庭の自刑でもある。同じという意味はあるので、仕事だけ、家庭だけは難しい。仕事が家庭に食い込むこともあれば、家庭が仕事に含まれてくることもある。バランスが取れる範囲での両立を考える。
仕事的な意味では、生きがいになる仕事をする。
その上で、公私のバランス取りには神経を使う。
 
『私にとって子供の存在が生きる証になっています。働く意味であり生きる意味。出産を経て、「仕事が1時間はやく終われば、子どもが寝る前に会える」と、時間の使い方もシビアに考えるようになりました。仕事も大事だけど自分の時間も、母としての時間も大事にしています』
 
『両立はできてるかわからないです(笑)。子どもたちには寂しい思いをさせるかもしれない。それでもやるしかないと思っています』
 
『たとえば長期の撮影で子供が寂しがっていると感じていても、働いていると時間の調整が難しいときもある。そうしたときは、仕事の場に連れていくこともありますね。家で一緒に過ごせなくても、別の空間で一緒に過ごすこともできますし、親として以外の姿を見せたいという気持ちもあります。』
 
公私の境目がなくなるのが日年が同じ支になる事の意味の一つ。仕事を家に持ち帰ることもあれば、子供を仕事場に連れて行くという逆の現象も自刑の範疇で行われることがある。
 
①生家環境の影響
『父親は貿易関係の仕事をしていた。4歳年上の兄と1歳年上の姉がいる。母親が健康志向が強かった。 』という生家環境。
 
家族はとても仲良し。両親ともメールで連絡を取り合っている。
また、これまではあまり出てこなかったが、直下(乙・兄弟)の影響が大きいようで、お姉さんとはとても仲が良く、毎日のように電話し、時間があれば会って話をし、以前は、一緒に入浴もしていたと書かれていた。
甲辰らしく、恵まれた家族関係で育っている。
 
②日居天中殺らしさ 検索すると性格が悪いという記事が多く出てくるが、「いい」という記事も散見できる。ネットであがっている性格の悪い噂は、はっきりものをいうために誤解されることが多いということのようだ。
玉堂星が横並びして、強い批判力は出にくい宿命だが、自分の気持に忠実にというのは人並み以上にあるので、そのあたりに受け入れられないことがあるのかもしれない。
 
『高校時代、バレーボール部。インターハイに出場経験があるが、団体行動が苦手だったので実業団に進むつもりは全くなかった。
 
団体行動が苦手、というのは、日居でも日座でも、精神と現実の乖離がある以上、ついてまわることだろう。
 
③実際の結婚生活 小雪さんは、2011年4月上旬、俳優・松山ケンイチさんと結婚。
翌年1月に第一子(長男)、2013年1月第二子(長女)、2015年7月第三子(二男)を出産している。
 
 
気は松山さん(癸)から小雪さん(甲)へと流れる。地支は卯→辰と流れて、これは連唐干支を作る相性。夫婦の場合は、受け側(小雪さん)に、なんらかの霊的感受性や直観力が宿る。日常的には不安定さがでるが、長くいると、仕事の才能としてはプラス要因になる。ただ、日支同士卯辰は「害」。
 
害は決して悪い相性ではない。盛り上がり感や結実感はないが、お互いに問題点を許容し合える利点がある。プラスの相性ではないが、マイナスを受け入れられることが最大の特徴。そうした関係がいいこともある。
 
縁は干合縁だけ。まず、松山さんが小雪さんに思いを寄せると、15・戊寅と40・癸卯が干合、3・丙寅と4丁卯に干合変化する。
 
 
松山さん、一気に小さな三角形に変身。この干合による激変は、松山さんの別人になる演技力を作り出す一端にもなっていると思われる。
しかし、相性の領域のほうは離れてしまう(左の図)。
 
それを防ぐために、小雪さんの37庚子と松山さんの2乙丑が干合。
すると、38辛丑になり、領域が重なる(右側)。
干合はまだ続いて、小雪さんの53丙辰と松山さんの38辛丑が干合すると、29壬辰と50癸丑になり、ここで変化した小雪さんの年干支29壬辰と松山さんの4丁卯が干合して、41甲辰と52乙卯になる。52乙卯は37庚子に干合され、28辛卯へ。
仕上げはこの28辛卯と月干支3丙寅と松山さんの宿命での干合。これで、日干支はもとにもどって、40・癸卯、月干支は39・壬寅。ここで終点。
小雪さんは最後は41の律音を作っている。日居天中殺が二倍。
実際はここまで干合巡りすることはないとしても、こうした干合連鎖は、なんらかの前世因縁めいたものを感じさせる。
 
 
結婚には至らなかったが、前回見た、天海祐希さんと吉川晃司さんも現実の気の相性がよかった。今回はそれ以上。12支も見事に五連ができあがっている。
異常な干合の連鎖と、現実気の相性の良さは、日居天中殺の現実弱点をカバーしているように思える。
 
また、男性が年下で9歳差の結婚は、異座夫婦となって、日座や日居にとっては、現実と精神の乖離を相殺する働きをする。
 
二人に関しては、前世因縁めいたものを感じさせる干合があることと、地支相性の良さ、異座夫婦であるがゆえに、小雪さんにとっての整合性ができたこと、これらが複合的につなぎとめているように思える。
 
異座夫婦というのは一般的な言い方で、算命学の異座とは、陽占の星(西と中央)の相生相剋と陰占の地支(日支と月支)の相生相剋が違うことをいう。技法としての精度はそれほどなく、あまり使われてはいない。
 
④仕事と結婚の両立(子供への愛情) 日居天中殺の専業主婦は難しく、当然、仕事との両立が前提になる。日年の自刑もあるので、家庭の犠牲を最小限にして、どれだけ仕事をスムーズにこなせるかだろう。
 
ただ、小雪さんの子供干は年干の「丙」一つ。この丙は陽占での才能星。本来、ここには人物を入れたくない。才能が使いにくくなるため。地支に火性はひとつもないので、子育ての苦労は並大抵ではない。
子供は、仕事能力にも影響する。日居天中殺の精神力がそれをどこまでカバーできるかだろう。
 
余談だが、天干火性1、地支(肉体)には火性がなく水性3が半会する。身体は冷えていて、寒さに強いとしても、婦人科系や腎臓の病気には注意が必要。
 
『冷え性。夏でも冷房はつけない。冷たい飲み物は飲まない。』『お風呂、温泉が大好き。1日3回入浴する。』こうした記述があったが、これは気の構成からは、自然な現象。
 
閑話休題。『仕事と家庭、両立はできてるかわからないです(笑)。子どもたちには寂しい思いをさせるかもしれない。それでもやるしかないと思っています』というあたりが本音だろう。日居天中殺の精神力がそれをやりきるのだろうが、犠牲になるとしたら子供だと思う(仕事を犠牲にはできない)。
あるいは、周囲に子育てをサポートしてくれる人がたくさんいてくれるのだろう。
 
『3人の子育てをしていると、自分の時間を捻出するのは難しいものです。自分が人としてどうありたいかをしっかりもっていないと、子育てにすべてをもっていかれそうです。でも子育て自体に依存しすぎると、子供たちにもよくないと思っているので、自分がひとりの人間としてどうありたいかをつねに考えるようにしています。そのビジョンは、節目節目で変わるんですが、何をしているときでも、その時点でのビジョンが頭のかたすみにあります。』
 
おそらく、この発言が辰辰の自刑のバランスだろう。家庭に偏ることは、方三位に味方することになり、自刑が発動する。「人としてどうありたいか」ということが、三合会局と方三位の中間にたって、自分を保てるぎりぎりのスタンスなのだと思う。
玉堂星がこうして理屈付けしないと、神的正義と自分との矛盾が露呈する意味もありそうだ。
子供や夫へ「のめりこめない自分」への正論が欲しいという意味もあるだろう。
 
夫婦関係に対しても距離を持つことは意識している。
『甘えと惰性の境界線って難しいですよね。どんな友達や夫婦であっても距離感は大事だと思います。私はお願いごとでも敬語で話すし、距離感を持つようにしています。私自身が甘えベタなのかはわからないですが(笑)』
 
既存の夫婦関係を自然につくれないのは、日座も日居も同じだろう。距離というのは、日居天中殺の本性でもある。
また、日居天中殺+玉堂星半会が家庭を作るとすると、夫に対してもきつい注文は出てくるだろう。
 
『結婚会見で「僕が尻に敷かれているかもしれない。部屋を散らかしたりしていると叱られますし」と発言し、新婚早々、恐妻家ぶりを披露していましたが、この日のロケでも、「家にテレビがないんですよ」と、ゲームばかりしていることを小雪に咎められたことが原因で、家にテレビを置いていないことを告白。ネット上では「姉さん女房って大変そうだな」「心中お察しします」という声が上がっていました。』という記事もあった。
 
子供に関しては、次のような発言があった。
 
『最初の(産後)1か月は疲れがひどくて、こんなこと言ったらあれですけど、子どもがかわいいと思えなかった。男の子とあって、繊細でよく泣くので、1時間おきに起こされて、寝れなくて、思考能力も落ちたりした』
 
最初の子供では、よくあることだろうとは思うが、こうした率直な発言が、バッシングにつながる。この後は、子供の大切さを実感する発言もあって、これを持ってして日居天中殺は子供に愛情がないとは言えないだろう。現に、ここからまた、二人子供を生んでいるのだから。
 
とはいえ、才能星が取られることの意味は大きいと思う。
ここに子供を入れないで、月干の変化しない庚(子供の場所・車騎星)に子供を入れて、母性本能と闘争心で子育てをすることを無意識に選択している可能性はある。
 
子供がどうなるか、小雪さんの才能がどう変化するか、先行きを見て行きたい。