日座天中殺(乙亥)のチェックポイント

①生家環境の影響。生家が逃げ場になっているか
②空間ナシで現実を作っていると感じられる部分(生きづらさはあるのか)
③既存を受け入れながらその中で新しい世界を作る役割
④結婚生活

 

 

剛力彩芽さん。女優、ファッションモデル、タレント、歌手。

 

・宿命全中殺

・日月、日年の害

・洩気(鳳閣星調舒星)がない

・主観100%

 

・宿命全中殺とは、日干支が甲戌または乙亥の日座天中殺干支で、月干支と年干支が両方とも中殺されている宿命(生日天中殺は入らない)。純粋な全中殺はこの定義に当てはまるものだけ。

準ずるものとして、月干支年干支両方とも日座天中殺干支、または、中殺干支と日座干支が混ざったもの。

 

以前やった、灰谷健次郎さんの宿命はそれに該当する。

これは100%全中殺とはいえないと断り書きがあるが、それでも全中殺の宿命として扱うことなっている。

 

「全中殺の宿命は死人の行とする」というのが、算命学の全中殺の定義。

これに限らず算命学で定義されていることは、現象定義であったり、処世術、対応術であったりする。必ずそうなるというものではない。定義だけが独り歩きして(例えば天中殺解釈なども)、こうでなければならないという決め打ちはできない。

 

これまで見てきた日座天中殺なども、定義通りではないことは明らかだろう。

それは例外ということではなく、本来の生き方ができるか、処世術的に生きるかの違いによる。算命学は安全な処世術を説いている。それはそれ。

この全中殺も定義通りに生きると、死人のように生きることになる。

 

『全中殺の処世法は非常に厳しく、言わば生きるのを諦めろということなのです。つまり、「希望を持つな」「目的を持つな」ということです。』

 

死人は黙っていれば、人々は花を添え、お供え物をくれて、祀ってもらえる。

男女問わず、周囲に身をあずけて、やってくれる通りにしていると、『一代において巨万の富を手にするのです。』とも説かれている。

『人生のどこかで、自力で生きることを諦めた時に見事な大成功者となるのです。』

 

具体的にはどうするのかについて、次のような生き方がある。

 

『全中殺の女性の場合、後天的な運勢は全然関係なく、嫁としての貰い手があったら嫁ぎ(好き嫌いは別)、ただ黙って夫について行くのです。働きも何もせず周りがやってくれる通り黙って従って行き、人生のどこかで自分の夢、いろいろな望みなどをすべて捨てます。』

 

『すると、その時から極端な運を掴み、最晩年には見事な大成功者となって行くのです。死人の行といっても掴む運の桁が違うのです。』

 

その反対に、自分の夢の実現に動いたり、やりたいことをやっていこうとすると、『生涯を通じ零落の一途を辿るだけです。』となるようだ。

夫に従って運を掴んだとしても、途中で自分の望みを出し始めると、途端に運気が落ち始めるとも書かれている。『生涯、自分を捨てないと成功しないのです。』

 

宿命自体が極端なので、極端な生き方をしないと美にならない(完全燃焼できない)という理屈はわかるが、これは、本意ではなく、処世術としての美だろう。

 

両方を活かす人生もあるように思う。また、なければ不公正だ。

「自分を捨てる=無心」と考えれば、そこから生まれる夢や目的を遂行することはできるように思う。

これまでの日座天中殺と同じように、自分が空間を作れば生きられる理屈はある。

古典時代にはなかった芸能界やモデル・スポーツ選手(身体を使って仕事をする)という職業なら、可能性はあるだろう。

現に、死人ではない全中殺の有名人は存在する。

 

 

女優や、俳優は役柄という空間を借りて、自分を活かす職業。これも、全中殺でもできる仕事になる。

 

益田喜頓さんは、『裕福な家で育つが、幼少時事業が失敗し、父親が蒸発し、母兄弟とともに貧しい生活を送る。その頃から、バスター・キートンらが主役を演じるアメリカの短編喜劇の無声映画が好きになる。』

そして、昭和期を代表するコメディアンになっている。また、エッセイ集や短編小説集などといった著作も数多くある。結婚は不明。

 

生家波乱で既存の枠組みを失くす(無になる)と、それが引力となって、何かを引き付けることが気の世界では起こっているように思う。それが、自分なりの現実を生きていくための空間になるように思える。

 

 

五明拓弥さんは『お笑いトリオ・グランジのメンバー。家族構成は父・母・弟2人・妹。グランジの中で1番年下ではあるが、3人の中で1番しっかりしていて大人といわれる。小2から小6まで剣道を習う。個人・団体合わせて小3-小6まで地区大会優勝、小5・小6で県大会優勝、小6の夏に全国大会準優勝の経験がある。書道二段を保有。2018年、結婚。』

 

履歴だけをみれば、普通の宿命と同じ。全中殺の人生とは思えない。生家やお笑いのグループが空間となって、その中で生きていると推測される。となると、普通の結婚をして、既存社会の中で自分の家庭を作る時に、波乱が生じる可能性はある。

 

 

山田康雄さんは、ルパン三世やクリント・イーストウッドの声優として有名。

『役人の家系で、父は日本銀行勤務だったが、3歳の頃に死別。幼少時から映画を好み、高校在学時は授業をサボって毎日映画館に通いつめていた。そんなある日、コメディ映画である『虹を掴む男』を見て、主演であるダニー・ケイのコミカルな演技に惹かれ、「人を楽しませるようなコメディを演じられる喜劇役者になりたい」という憧れを抱いた。』

 

授業をさぼったり、日座らしい生き方をしているが、東大受験失敗後、早稲田大学に入学して、学歴はエリートコース。ただ、日座天中殺らしく、演劇に傾倒して大学は中退している。その後劇団に所属して、舞台にたったが、副業のような形で始めた声優に入り込んで行った。「役者の一端としての声優」の道を志して名を上げた。

1965年に結婚、一男一女をもうける。

 

声優も俳優と同じ。全中殺の無は、他者を自分の有として化けることができる。結果的に役柄と自分を一体化させて、独自の空間を作り出すことに成功している。

ただ、山田さんは一声優という立場を超えて、自分の空間を現場にも押し付けるようなところがあって、何度か問題を起こしていたと書かれている。演じることに関しては自分流は美になるが、それを現場(既存現実)にまで拡大することの難しさはあるだろう。

 

 

渡邊 鐘さんは『1991年より漫才コンビ、ジャリズムのボケ担当。1998年のジャリズム解散以降は主に放送作家として活動。2011年に落語家に転身(桂三度という高座名)。上方落語協会会員。 既婚。』

 

漫才→放送作家→漫才→落語家、というプロセス。データが少なく、なんともいえないが、芸事の世界とは別に既存現実を生きる難しさが、変転として表れているのかもしれない。

 

 

ワン・ドンチェン(汪東城)は『台湾の3人組男性ポップ・アイドルグループ飛輪海(フェイルンハイ)のメンバーである。台湾台北市出身。身長182cm。台湾復興美工広告設計科卒業。2000年からMV出演やCM出演など、芸能の仕事をし、2005年に飛輪海を結成し、デビュー。2007年には日本でもCDデビュー。』

 

汪さんも幼いころに父を亡くしている。『早くに父を亡くし、芸能人になってもなかなか芽が出ず、兵役につきます。兵役後もなかなか売れずにMVなどに出演していました。

アイドルグループも離脱して、俳優やミュージシャンとして活躍しているようだ。

 

 

イ・ソンヨルさんは『INFINITE(インフィニット)という韓国出身の6人組男性アイドルグループのメンバー。家族構成:父・母・弟』

 

年齢も若く、今のところはグループのメンバーとして居場所を持っている。

 

 

弘山さんと緒方さんは同じ誕生日。

この二人は、空間を必要としない肉体の世界(スポーツ)で生きてきた。そこで実績を上げることによって、指導者という自分の空間で後進を育成する役割を得ている。全中殺者は、指導的な立場に立つことができると、次世代を作るという日座天中殺の役割とも一致して、自分の現実を作ることができるように思える。

二人とも既婚で、弘山さんは子供もいある。

緒方さんは既婚、子供在りという情報もあったが不確実情報。

 

 

ざっと全中殺者をみてみたが、決して死人としての人生を歩んできたわけではない。

ただ、モデルやスポーツ選手など、身体を使った仕事や、お笑い芸能など、一般的な職業ではないので、これをもってして、全中殺でも普通に生きられとは言えない。

しかし、既婚者もいるし、子供ありもいることを思えば、少なくとも、「死人の行」「希望を持つな」という生き方はとうてい承服できるものではない。そんな宿命があっていいわけがない。

 

自分の能力(身体的な特性も含めて)、特技を生かして、独自の世界を構築している点は共通している。独自の世界を自分なりの空間と定義できれば、宿命天中殺の本意とも重なる。そのあたりを生き方のポイントにすれば、全中殺者の生き方も見えてくるように思う。

 

・日月、日年の害。全中殺者のリストをみるとほとんど「害」がある。

これは、中殺になる申と酉に対して、日座干支の戌は酉と、亥は申と、害の関係になるため。

 

これが害になることは、無心無欲、人の為に、という生き方が可能になる。中殺者が既存社会で我欲を満たす生き方が難しいことは確かなので、まず、受容して、そこから独自性という道に向かうために、害は有用な位相法になる。

 

「害」は支合の反対の位相法。支合は同次元融合、その反対は、同次元非融合。

同次元とは、因果関係が同じ現実線上で起こることをいう。

非融合は、こうしたいと思うことはこうならない現実が眼前すること。

これはそのまま宿命中殺の生き方にも通じる。

 

害は受容力だが、単なる受容力ではなく、そこからこうしたいという思いを作ることが本意だろう。思いが先行すると現実が逆転するなら、現実から思いを作ることで現実と適合する。我慢する受け身ではなく、自在な環境適応力になる。

全中殺の宿命を生きるのは、それが必要だということだろう。

 

・洩気(鳳閣星調舒星)がないは、前回の仰木監督と同じ。個人感情が表に出ない。また、牽牛星を剋さないので、役割意識に忠実になる。

女優や歌手に洩気ナシは多い。個人感情が邪魔しないので、演じる感情を作ることができる。

 

・主観100%。すべてが自分にとって無意識自然体に行われる。時に自分勝手、時に天然、時にマイペース、時に周囲を意識してはできないことを成し遂げる力を出す。中殺があると、無意識も行動も拡大するので、日干のでき如何によって、自分勝手になるか、大業を成すか、どちらかの可能性も出てくる。

 

①剛力家は両親と姉の4人家族。仲は良いらしい。

 

『仕事には便利だからと、周囲から東京で1人暮らしするように勧められても、断って実家から通っている。どんなに遅くなっても必ず家に帰りますから。
 
『(結婚しても)実家に住もうと思ってる。名前を継いで欲しくて。姉しかいないから、剛力が途絶えちゃう。名前は剛力のままでいたい。
というコメントがネットには上がっていた。
これまでの日座天中殺のパターンに反して、甲に姉、壬に母が入っているようだ。
 
②人を頼って死人のように生きるは極端だとしても、全中殺の場合、若い時は身を置ける既存枠は必要で、生家環境が整っていると、そこが一番の居場所になる。
 
特に天極星(環境を受容する)と天報星中殺×2のエネルギーでは、自力での現実構築は難しくなる。
天報星は、胎内で種から赤子へと急成長するスピードと変化のエネルギー。母胎に守られながら、成長に必要な栄養を吸収して、形あるものへと変化して行く。
 
人間の成長過程の中でも、短期間にもっとも大きな変化を経験する期間。ただ、経験といっても本人は無意識。その無意識には、変化とスピードに対する恐れもあって、バランスが崩れる(一方へ偏る)ことを嫌う。みんなが右を見れば、ひとり左を注意する。行き過ぎたと思えば休む。無意識の安全確認本能。そして、出来る限りのものを吸収して成長しようとすることも本能。天性に学習能力は高く、カンは鋭い。
 
この天報星が中殺されると、フレームとなる母胎が曖昧になる。自分が母胎(安全な囲い)を作るという作業が加わる。生家、または身近で頼れるものを取り込んで行く。無の引力が発揮され、周囲にあるものを引き込んで行く。それに囲まれることが母胎代わりの安心になる。
これは若年時全中殺の依存本能とも合致する。これを無の心がなすか、有の心がなすかによって、結果は大きく分かれる。
 
無の心は魅力の引力。霊感のような直観力も冴える。有の心は欲しがる引力。
算命学では後者が強調されて「人に迷惑をかけがちになる。悪気がなくても自分の行動が周りの人を結果的に巻き込むことになる。家族はもちろん、友人たちにも迷惑をかけることがある」といわれている。
 
天報星中殺の引力は、人だけでなく、知識や情報に関しても無限大の吸収力を生む。驚くほどの習得力や暗記力を持つ人が出てくる。
 
剛力さんの場合、女優やモデルということもあって、人を引き付ける引力として表れているように思う。若い時は全中殺や天報星中殺の甘えやわがままは出るだろう。一人では生きられないことも事実だ。
 
『どんどん年下の方とも共演する機会が増えてきているので、少しずつ人としても成長していかなきゃいけないなと。甘えるのは大好きなので、まだまだ甘えさせてもらえるところは甘えつつ、逆に頼れる人になれれば。25歳は年齢的にも節目だと思っているので、改めていろんな勉強をしていきたいですね。』
年齢が上がってくるにつれて、甘えだけでは生きられない現実が経てくる。
 
また一方では既存枠を持たない自由さや常識離れした言動がアンチを増やしている感じはある。これは、全中殺ならずとも、日座天中殺や宿命中殺の既存外れにはついて回る現象だろう。
 
③剛力さんは『幼い頃から目立つのが好きで、小学生になると「モデルになりたい」と両親に相談し、4年生の時に芸能事務所に入った』という経緯がある。
 
通常、小学生の子供がモデルになりたいといえば、親は反対するか相手にしないだろう。しかし剛力家では、芸能事務所へ入れている。乙亥では、玉堂星母にとらわれて自由に生きられないがゆえに、壬を自分のものに(母離れ)することで日座が活動できるようになるが、全中殺という不自由さを加味してか、それを応援する親が与えられている。
 
父干がないために、母と同じ壬が父の干。
「母のような父」が中殺され父の場所にいる。芸能事務所を許可するのが中殺玉堂星の母なら、父もまた同じという事か。
そして、日年の害は、親のいうことをよく聞く子ができる。モデルになりたいという動機には母の影響があったのだろう。
 
『もともと、幼稚園の頃から洋服が大好きでした。母親も祖母も洋服好きで、当時は一緒にデパートに行っては買ってもらうという感じでした。一緒に行ったとしても自分で決めないと気が済まなくて。買ってもらう服は、自分で探して「これ!」と決めたら断固として変えなかったです。』
 
自分で決めないと気が済まないは、月年の同。心と外が同じ。中殺がある分、意識が強く働き、執着にもなる。外側からの影響で心が作られることもあれば、自分の思いを外へと反映したくもなる。天然系を作る形で、嘘のない自然体で、気持ちの在り方が外からも分かりやすく、望ましい環境にいないと、ストレスは大きくなる。
欲しい物はなんとしても欲しいは天報星中殺もある。一歩間違えれば超わがままの自然児になるが、結果の害二つが環境を受け入れて行く作用なので、わがままを通して現実を作るというものではない。環境内わがままとでもいうか、環境を受容しその中で可能なことを感知して、心と外の一致を計る。
 
もしかすると、全中殺の無心の受容力が、欲しいものを手にすることが出来る運命と連動するようになっているのかもしれない。
 
出力がない宿命。個人感情が露出しない。
 
『私、こう見えてすごく人見知りで。中学生までは話下手というか、自分を自分の言葉で表現するのが苦手でした。』
 
頭で語ることはできるが、自然に作られる感情が表にはでない。表現すべき個人感情が作られないとも言える。女優に向いた出力なし。
 
『(芝居をすることは)いざ始めたら楽しんでいる自分がいて(笑)。そう思い出したら色々と興味が湧いてきて、喜怒哀楽さまざまな感情の表現をできることが嬉しかったです。モデルは洋服をメインで表現しなくちゃいけないですけど、お芝居は違う誰かになってメッセージを伝えるという表現の仕方。改めてそれはとても楽しいことだなと感じられるようになり、お芝居もしていきたいと思うようになりました。』
 
出力なしは、感情を客観的に表現することができる。そして、それが自然にできるので、自分が違う自分として表現する感情を、まるで自分の喜怒哀楽のような感覚をもつことができる。女優に向いた宿命といえる。
 
使える星の8割は中殺されている。新しい星を燃焼させる必要がある。
日座天中殺が既存の現実から新しい空間を作ることで役割を果していることは、ほぼ間違いないと思う。同じ原理を中殺星にもあてはめてみたい。
既存の牽牛星を一度受け入れて、そこから新しい牽牛星を作る。作るというのは、気を燃焼させるという事。中殺された庚が空間のない日干乙と和剋する。それを牽牛星中殺と呼ぶ。
 
算命学では牽牛星中殺を「王家の反逆児」「平和期の孤児」という言葉で表している。『身は体制側にくみしていながら、心は常に改革の野望に燃えるもの』と解釈される。天中殺とは、天的既存を変革するためのもの、と定義してもいいように思う。
 
牽牛星中殺は、実直さや責任感は倍以上に強いものになる。特にはじめは従順な体制派になるが、徐々に「王家の反逆児」の素質を表して行く。事あるごとに、既存を変革する発言や行動をとるようになる。中殺星はなんであれ、現状への批判精神は本性として持っている。
玉堂星中殺が在野の学者といわれるように、既存にそのまま迎合するようでは、中殺の意味がなくなる。常識からはドロップアウトして、独自の方法で星を燃焼させる。それは新しい人間を作ることの一端だともいえる。中殺は脱皮するヘビであり、人の歴史はこうして新しい形へと脱皮し続けることになる。
日座天中殺や宿命天中殺は、改革の旗手としての役割を担っていると考えてみたい。
剛力さんの年代だと、まだ、牽牛星中殺は王家に従う位置にあるだろう。
 
そして56%の玉堂星の源流は母。洋服好きからモデルへという進路もそうだが、何があってもプラスに物事を考えて、マイナス思考はしないということも母から学んでいる。
 
『自分が発する言葉や考え、表情もそうですけど、なるべくプラスのものにしようと心掛けています。マイナスなサイクルって広まりやすいと思うんです。対照的にプラスのものは、広まるのが遅いかもしれないけど、広まればすごく根強いものだし、あんまりブレないのかなって。
私の場合は母の影響も大きいかもしれません。母は超スーパーポジティブなので。ダンスを習っていた時の話ですが、家に帰り「疲れた」って口に出したことがあったんです。そしたら「なんで?楽しいことしてきたのに疲れたってどういうこと?」と言われて。』
 
『私、実家暮らしなので、仕事から帰って母にはよく相談するんです。』
 
この宿命の場合、全中殺の依存としては、母が最大だろう。母の言うことを聞いていれば、間違いない人生になるようにも思える。
 
④剛力さんは未婚だが、2018年、株式会社ZOZO社長・前澤友作氏との恋愛が週刊誌で報じられ、その後両人ともに交際を認めている。前澤さんは独身主義で日本でも有数の資産家。それだけでも十分に妬まれるが、交際の様子をふたりして、ツイートしていく姿は、ますます、アンチを増やすことになった。
ただ、これが、害二つで心と外がつながる(申申)天然の正直さの特徴でもある。
 
 
12-52の大半会縁と羅状律音、干合もあって、縁は強い。領域図の形も恋愛、結婚ではよくみかける良型。気の相性では、剛力さんは100%(地支の申と亥を前澤さんが持っているので)。前澤さんも丁以外はすべての気が一致する。現実(肉体)相性が良く、一緒にいて自然になじめる関係を作れる。
 
ただ、二人とも結婚には向かない。
前澤さんは、干合干が中殺。そして、地支には配偶者干がなく、日月が害。干合中殺は執着と強い思い込みを生むが、それが現実へと移行できないことを意味している。害は思いを具現させない。むしろ、反対の結果を生む。ましてや、地支に配偶者干がないので、思いは純粋に精神的なものになり、結婚や生活というその思いにふさわしい形は作れない。
 
剛力さんも同じような意味があって、配偶者干が中殺されていて、日月は害。これも結婚を形作ることの難しさを物語る宿命。
ただ、剛力さんの全中殺は相手に任せることで美になるなら、結婚しない相手を受け入れることは可能で、結婚家庭を前提としない交際を続けることはできると思う。
 
これも、条件はあって、『全天中殺者が主役になればなるほど、相手の運を低下させる。』ので、剛力さんは、死人の行でいる必要はある。
 
なぜ、相性を出したかというと、算命学には「全中殺所有の相手と生活している者」という特例があって、全中殺者の運命を預けられた側の人間の生き方が説かれている。
 
『結婚などの場合、全天中殺者の人は相手に任せればいいのですが、任せられた方はいい災難で自分の運気がどんどん下がるのです。』
 
その時に、エネルギーが最身弱だと逆に陽転し、最身強だと半減するとなっている。前澤さんは11・天禄星が一つ。身強だが、この中途半端さはいいことはない。
 
ただし、例外があって、「全天中殺は大運天中殺と変剋律が連動する相手と一緒になると良好を得る」というもの。
 
 
算命学の定義通りに解釈すると、初旬の大運天中殺は大3旬へと移動して、3旬4旬と大運天中殺となり、その後、5旬6旬と変剋律がきて、これは、まさに、教科書通りの特例に一致する。
 
さて、このふたり、全天中殺者のパートナーの生き方として、濃密な内容を含んでいる。テキスト通りに、前澤さんが運を落とすのか、運勢を使っての逆転が可能なのか、今後の成り行きが大いに気になる。
 
今のところ、運を落とす方へと現実は傾斜しているようにも思える。
 
前澤さんが社長をしている、株式会社ZOZOの株価の推移。交際発覚当時は大きく上昇して、剛力さんはあげまんと称えられたときもあった。
しかし昨夏をピークに株価は下落の一途。交際が始まった時と比べても、半減に近くなっている。
 
数少ない全天中殺者の公開データといってしまっては申しわけがないが、もう少し観察を続けて行きたいと思う。