ケース㉗ 中川剛(1970/12/4) 漫才師、タレント    

 

 

『電車に乗ると剛は苦しくなる。いったい何が苦しいのか?礼二にはわからない。剛は必死に電車の外の空気を吸おうとしている。礼二は病気のことは理解できないが、一緒に生きてきた中でこんな兄を見たことがなかった。そのうち礼二は大変な病気だと認識していった。漫才師としては先が読めない。でも弟は兄を責めなかった。
剛は電車に乗る時、特急や急行だとパニック発作が出やすかった。各駅停車なら少し我慢すればドアが開くという安心感があったので何とか乗ることができた。電車を何回もやり過ごし、何度も乗り降りをした。30分で行ける距離を4時間かけていくこともあった。』

 

『剛の闘病は1997年から2001年まで続きますが、礼二のサポートや先輩たちの励ましによって、症状をありのままに受け止めた剛は、パニック障害を少しずつ克服していきます。そして2001年、中川家は復活を賭けて第一回M-1グランプリに出演し、見事優勝を果たしたのです。その後の活躍はいうまでもありません。』

 

戊午は、天将星に座す安定した干支。位相法は半会一つで、中殺もなく五行も揃っている。

これまで見てきた例題からすると、危ない箇所は、月支の24・丁亥一つ。

月支に丁亥を持つ人はたくさんいるが、それゆえに病む人は、ごくご少数だ。

でも、この宿命では、この月支が肝になっていて、縦横に暗合干を持っている。

 

電車移動とか密閉空間での移動中というのは、パニックを起こす条件の一つになっている。宿命的に考えられるのは、電車や車(自分は止まっているのに世界が動いている)によって、地支(時間)暗合(変形)が起こる(宿命がそれに合わせようとする)という原理くらい。

通常は起こりえないが、すでに、暗合が起こっている現状があった場合。密閉+勝手に移動=危機、となって、暗合構造があると発動しやすくなるのではと、思っている。実証のしようがなく、推測に過ぎないが、暗合とパニック罹患の可能性はデータ的には少なからずある。

 

宿命の特徴

①月支・丁亥 

②丁亥暗合と午亥の横列暗合、二つの暗合

③運勢要因

 

①24・丁亥

古来より、霊感のある干支と言われている。

今ちょうど、ホームページで環人法という占技を紹介しているが、環人法とは、干支を自然の風景に置き換えて、干支の働きを考察するという占技。

環人法の丁亥の説明に、この干支の特質がよく表われている。

干と支を自然界の姿に置き換えると、丁は灯火。亥は12支の最後にあって、季節は冬の始まり。亥の中身は、甲(樹木)と壬(海)。

「灯火・樹木・海」これが丁亥のイメージ。自然の風景にはない姿。

冬の海に巨木がすっくと立ち、その先端は天に向かって炎がゆらゆらと・・・

この丁(灯火)を環人法では『神灯とし、神集まるところの灯火』と称している。

そして、『ゆえに、神の知らせを受く』と続く。

 

この宿命では、天啓を受ける丁火が丁→戊(自分)と、天啓をインプットする形になっている。しかも、丁亥のエネルギーは天馳星で、宇宙を駆け巡る自由な精神パワー。霊性のある宿命と言える。

 

剛さんは霊的直観力をある干支をインプットしていることになる。しかも、地支の亥と午は横列でも干合和合している。

 

②丁亥暗合と午亥の横列暗合、二つの暗合

丁亥で縦列の暗合に関しては、通常は甲が暗合を防ぐブロック役になる。

ただ、車騎星も禄存星も自分で現実を動かすことはできない。

この二つが重なると、個人的な人生はなくなる。人に好かれ、人に喜ばれることをすることで、エネルギーの燃焼を得る。人を喜ばせるネタを作り、漫才を演じることはこの宿命を十分に満たすことができる。

 

問題が起こるとすれば、自分のネタがウケなかったり、それを発表する場を得られなかったり、そうした行き詰まりが生じた時だと思う。

役割を果せなくなると、壬も甲も不完全燃焼する。天干丁も下からのひらめきを受けられなくて揺れる炎になると、危機を感じて暗合が起こる可能性がある。

簡単には起こらないが、運勢要因が加わると可能性が高まる。

 

もう一つは、苦しくなると、天干の丁→戊に地支も歩調を合わせようとして、午と戌が暗合する(2気とも、横列に干合干を持っている)可能性もないとはいえない。和合性の高い午と亥だが、甲壬がブレると、ここにも暗合する危険が生まれる(この可能性は薄いとは思うが)。

 

中川家では、『礼二の方が芸達者というイメージで見られ目立つことが多いが、コンビのネタの基本部分は剛が制作している。』と書かれていた。

直接の原因はわからないが、ネタ作りに悩んだり、客ウケに一喜一憂したりする時代では、暗合が起こる可能性はあったと思う。瞬間芸の暗合はひらめきとなって、苦労していると何かが降りてくる感覚を得られる。ただ、その時の状況によって、苦しい状態が続くと、瞬間が持続して、暗合がほどけなくなる危険を持っている。

 

礼二さんは、剛さんとは逆に、入力ラインを持たない。

常識に惑わされずに、公正な認識をし、既存にはない思考を自然に持つことができる。そのため、興味を感じる常識外のことに関しては、異常なほどの記憶力と入力作用が働く。大学受験に興味を持てれば、東大にも入れる。

礼二さんは、鉄道マニアとして有名。鉄道に関することなら、摩擦なしに、どんなことでも入力することができる。

ただ、複雑な思考回路は作らない。でも、そのおかげで、お兄さんの異変も、異変として受け入れることが出来たのだと思う。そこに、余計なバイアスをかけずに、ありのままの兄を受け入れる、剛さんからすれば、こんなに心強いことはないだろう。

 

③運勢要因

wikiでは、病んだ時期は「1997年から2001年」とあった。

1997年は天中殺+害。天中殺は、フレームを外す、蓋を開ける。正味が飛び出す時で、病巣があればそれは表に出るが、中身が元気なら元気が表に出る。天中殺が病気にさせるわけではない。

1997年は、丁が運勢干。またひとつ、丁が増える。玉堂星中殺を作る丁の入力は混乱要因。

害は思いが現実につながらない時。壁に当たって暗合が誘発される要因になる。

1998年は戊寅。大運と同じ12支の年運が来るときは何かが起こる。大運と、年運と二つの三合会局が起こることになり、入力ラインは大きな混乱に陥る。

 

加えて、年支丁が半会で膨れると、唯一の表現の気(調舒星)が数倍の丁によって激剋される。言葉が出てこないような状況が生まれる可能性がある。理性と感性の激突が創造力を高めることになるが、丁の力が一方的だと、辛(感情)は砕け散ってしまうだろう。1998年は、運勢上、もっとも危険性の高い時だった。

 

この丁の過剰盛り上がり(寅年)注意はこれからも続くと思われる。大運は変わるので、それほど心配はいらないが、2010、2022、2034年は、注意年としたい。

 

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