ケース⑭ Cocco(1977年1月19日) シンガーソングライター・女優

 

『2009年、雑誌「papyrus」に、拒食症と自傷行為のことを語る。2年以上にわたり拒食症と闘い続けているというCocco。カラーグラビアには、そんな彼女のやせた体や生々しい傷跡も写し出されている。』

 

①二重干合

②主星調舒星+牽牛星

③天報星

④日年の大半会

 

①内側と外側に干合があって、位相法が反対。

正直言って、なんのための複雑な仕掛けかは読み解けない。本人も自分を持て余すだろうことは想像できる。

 

内の干合支合は、こうしたいと思うことをなんとしてもやる仕掛け。そのために、自分を変化させる。

子丑支合は水性強化、牽牛星が一つになって、強まる。

日月干合が起ると牽牛星が1/6以下になり、石門星が半分近くに増える。牽牛星が石門星に化ける。この牽牛星は彼女にとっては、才能星でもあり、通常は役割を果す、名を成すということで分かりやすい星になるが、この牽牛星を、月支本元の調舒星が激剋する形が問題。

 

個人感情(調舒星)が役割にとって代わる。自分の気持が大義名分になって、それをなんとしても成し遂げようと(支合)する。場合に応じて干合が起こる。

干合すると、プライドも役割も消えて、自我が肥大化し(石門星強化)、闘争心(車騎星)が増し、禄存星(自己顕示)も出現。そこに調舒星が加わると、役割意識が転じて、自分の感情が膨らんだ、個人的な思いが強い人が出来上がる。

 

調舒星に何が入るかが大事。

それと、牽牛星が才能になるには、なんらかのコンプレックス(挫折体験)が必要。才能星は剋され続けて磨かれる。

 

Coccoさんは、若い時は、「プロのバレエダンサーになることを目指して休みのたびに数多くのオーディションを受けていた」と書かれていた。歌は、その資金を稼ぐための手段に過ぎなかった。賞金百万円につられて歌のオーディションを受けたりしたが、オーディションは歌もバレエも落ちた。これが挫折体験だろう。

 

『彼女に目をつけて沖縄まで探しに来たレコード会社の担当者に歌手にならないかと誘われた。その時は「高校を卒業したら東京に行ってバレリーナになる予定なので」と断ったが、それが縁で、歌手としてデビューすることになった。動機は、「歌で行けるならバレエのオーディションで自分を落とした人間に、逃がした魚は大きかったと思わせて見返してやろう」というもので、「ミリオンヒットをいくつか出して10億円貯めてとっとと辞めて沖縄に祖父みたいに劇場を作り、死ぬまで毎日踊り続けられたらいいな」という不純なものだった』

 

長い引用になったが、これが、彼女を病ませることにつながる要因に思える。

「有名になって、見返してやる」。オーディションに落ち続けたことによって、傷ついた牽牛星がここで燃焼する。

日月の支合がうまくいかないと、干合が起こる。自我が巨大化し、本来の役割(牽牛星)は消えて、闘争心と自己顕示(この場合は禄存星が10億というお金になる)が増す。

 

その意気込みの通り、1998年、2ndアルバム「クムイウタ」がミリオンセールスを記録。ところが、2001年にシングルとアルバムをリリースすると突然音楽活動の休止を宣言することになる。

 

③天報星 座下天報星の干支は、13・丙子、19・壬午、24・丁亥、25・戊子、30・癸巳、36・己亥とあるが、丙子以外はどれも暗合系の異常干支。天報星は病む率の高いエネルギー。

 

天報星は、母体の中で胎児が成長するスピード感と完成度の高いバランス感覚を持っている。短期間に種が赤子に変わるので、F1レーサーのようなスピード感と巧みさを持っている。最大の特徴は、行き過ぎに対する自動調整作用。スピードを出し過ぎれば、コーナーを曲がれなくなり、激突することもある。胎児は、母胎にあってこそ生きられる命で、現実だけを生きることはできない。

 

天報星が挫折する時は、概ね、現実を行き過ぎた時にある。あるいは不本意な現実を生き続ける時。自動調整作用が利かないところまで行き過ぎた時に、必ず、休養を必要とする事態が起こる。一度、ニュートラルに戻らないと、次に進めなくなる。

 

Coccoさんの突然の活動休止は、天報星が起こしたことだろう。天報星が「休みたい」という時は、たいてい、オーバーワークや、道が違う方向へ向かって、激突寸前だと思ったほうがいい。そして、休むと、たいていは復活できる。

 

ただ、Coccoさんの場合は、ただ休むだけでなく、自傷行為や拒食が起こったという。

 

『2001年に活動を中止したのは歌を好きになったから。それまではただ10億円貯めるのが目的の復讐の道具だったのでいつでも辞められると思っていたが、いつしかツアーの終わりが近づくと寂しくなり、もっとみんなで一緒にいたいと思うようになっていた。そのため、不純な動機でデビューから積み上げてきたものを一旦全部崩して「歌が好き」という前提で組み直さないと駄目だと思った。また歌が生まれるスピードが速くなってCDとして発表するまでの時差がウソをついてるように感じることも理由として挙げていた。歌が好きになってくると自分を騙して歌うことが難しくなってきた』

 

wikiにはこうした記述があった。調舒星に打たれていた(個人感情が勝っていた)才能星・牽牛星が、本来の才能を発揮するために、反乱を起こす。自傷や拒食は、牽牛星が調舒星を罰している姿だと思う。干合で膨れ上がった自我や、宿命にない禄存星の自己顕示や金銭欲、それをゼロにするための儀式。

 

それは、本来のプライドが起き上がり、欺瞞的な自分を罰しているように思える。

それまでお金のための手段だった歌を好きになったことで、これ以上、欺瞞を続けることができなくなったのだろう。つまり、復讐の調舒星と牽牛星が、歌う調舒星になり、それで牽牛星を復活させようと、宿命の自浄作用が働いたように思える。

調舒星(個人感情)を消すために、罰が必要だった。

 

②主星調舒星+牽牛星 牽牛星が司禄星や調舒星という主観星と結びつくと、悩ましい牽牛星になる。牽牛星は車騎星に近くなり、闘争心が倍加する。この組み合わせは、個人感情が大義を持った役割と化すので、身勝手にもなるが、時に、自分なりの新しい世界を作る力と才覚を発揮する。

身勝手な才能発揮。その意味では、Coccoさんも歌を利用して10奥稼ぐという身勝手な発想が、才能を生むことにつながっている。

でもそれは、本来の調舒星+牽牛星の在り方ではない。そこで、一度リセットして、本来の調舒星+牽牛星が復活する。

 

休養中に、Coccoさんは、絵本を書いたり、無償で歌を歌ったりという活動をした。そうした経緯から、徐々に、調舒星に歌がインプットされるようになる。

 

『そして絵を描いても何をしても、結局は歌になってしまうということに気づき、腹をくくることにした。また以前は一度歌ったら忘れてしまっていいと思っていた歌も、レコーディングして形にしたいという欲求が生まれてきた』

 

④日年の大半会 歌に才能がありながら、歌が手段でしかなかった理由の一つに、日年の大半会がある。

大半会は既存にないものを作るための仕掛け。日年の場合は心が入らないので、無意識の思考(常識外の発想)や、大胆な行動力として発動する。10億稼ぐ発想も大半会なら容易にする。

この大半会は、異質な水を拡大する働きで、その水が日干を打つ。支合の牽牛星と違って、異質な才能が加わる。

 

また、位相法の破(違和感)が干合を誘発すると、数理表にあるように、牽牛星車騎星が60%近くに拡大する。これは水が火(日干)を消す作業で、空になった日干には才能が降りてくる。この宿命では、大半会でも干合でも、日干は空化しやすくなり、そこに、歌が舞い降りてくるのだろう。

 

『Coccoにとって、歌とは毎日頭の中で勝手に鳴っているものであって意識して創造するものではなく、自然に生まれて翌日には消えてしまうものだった。初めは愛しいとも思わなかったし、出来れば忘れたいし逃れたいものだった。歌うとすっきりするから歌っていただけで、その辛い作業を客が見にくるライブというものの意味が当初は全然わからなかった。デビューシングルの「カウントダウン」も、レコーディングの休憩時間、階段で雑談中に頭の中に流れていたものだった。そのメロディーが気になったので歌ってみたところ、自分の曲だと言われてレコーディングすることになった』

 

これが大半会によるものか、天報星によるものか(天報星にも直観力がある)、干合によるものかはわからないが、舞い降りてくるものを引き受ける日干は、空化しているほど感度は上がる。半会(大半会)も干合もすべて、日干を消す水強化になっているのは、このためだろうと思う。

 

Coccoさんの場合、本人談と思われる資料がたくさんあったので、それにすり合わせる形で考えてみた。

 

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資料はあくまでもネット情報なので、その信ぴょう性はそれ以上のものでないことはご了解ください。資料はwikiペディアを中心に、できるだけ、本人談を取り入れて行こうと思います。引用先は特に明記しません。