ケース⑧ 岡村隆史(1970年7月3日)  お笑いタレント、司会者


 

『当時(2010年)は一睡もできなくなってしまったという。もっとも深刻な時は、自分のサインさえもどうやって書いていたか分からなくなってしまった。当時を岡村は、「常にパニック状態だった」と振り返った。相方の矢部浩之が言うには、その頃岡村はどんなに「休め」と進言されても「休まへん」と答えていた。だが、遂に矢部は決断する。「言う事聞いてください。岡村さん、休みましょう」と目を見て岡村に告げ、「かんべんしてくれぇ~、相方」と泣きつく岡村の声を払いのけ、半ば強制的に岡村に休養をさせたのだ。』とある。

 

宿命の特徴で病む要因になりそうなのは、

①自我薄に対する剋線過多

②生月中殺

③甲申

④暗合異常干支 壬午

 

①自我薄というのは、算命用語にはないが、宿命の中で自我が日干だけで、他には陰陽ともにない場合をいう。

 

 

1982年から、秋の季節。木性自我の死地。

30年間、自我は底辺を走り、自我を打つ金性(金剋木)の旺地で、最上位が最下位を激剋する形が続く。

金星は闘争心と役割意識、弱い自我(緑)は逃げることが出来ずに、ひたすら働き続ける。それが自我薄の人生の作り方で、逆に言うと、自分の意志や欲求で生きることが難しい。

 

自我薄は、星でいえば、貫索星石門星がないことを意味する。守りの本能がないので、自分を守ろうとする意識が弱く、通常は5で痛いと感じることも、自我がないと、8くらいまでは、痛みを感じないまま過ごしてしまう。保守本能の薄さは、無謀なことも平気でする。気が付いた時は倒れる寸前、ということが起こる。

 

また、この期間、緩衝材になる青(玉堂星龍高星)も弱く、金→水→木という流れが作りにくく、金は直接木を打つ展開になる。木(自分)への負荷が高い30年が続く。

病んだ2010年は、まさに30年目。ゴールして倒れたマラソンランナーに似ている。

 

逆に言うと、自我薄だからこそ、30年走り続けてこれたということ。中途半端に自我があれば、とっくに、方向転換したり、逃げ出していただろう。

自我薄は自分の欲求で人生を作れない。寡欲な人。

役割の中で自分を作って行くので、仕事ができなくなることは、自我の存亡の危機にもなるケースもある。特に、車騎星、牽牛星が強いと、それを燃焼する場を失うことは、自分の空洞化(無意味な自分)につながるので、仕事がある限り、必死で働いてしまうのだろう。

 

②生月中殺

生月中殺の問題点の一つに、自覚できない(自分を正視できない)ことがある。反省しにくいという意味でもある。人の言葉も耳に入らなかったりする。

もう一つは、限度を超えること。エネルギーの入れ物に穴が開いている状態なので、やってもやっても、終りがない。

 

龍高星中殺は極めて個人的な改革意識となって、周囲から見ると身勝手に〇と×を繰り返しているように見える。本人は、もっと上を目指したい意識を常に持ち続けている。

 

調舒星中殺は、際限のない表現力となる。いくら表現しても満たされることはなく、どんどん常態を外れて行く。お笑いの世界なら、奇抜さと常識を超えた発想が笑いにつながることはある。これもまた、際限なく、もっともっとと表現することを究めようとする。

 

龍高星中殺が調舒星中殺を和剋すると、完璧を求め妥協を許さない気質が倍増する。常識の制御を聞かずに、反骨精神が表に出る。既存性の強い社会では、ドロップアウトすることの方が多い。現実味の強い実社会には向かない連結で、わかっていながら行動できないジレンマが、奇人変人を生む。学問や芸術の世界では、異色の才能を開花させることもある。

 

天極星中殺は、過敏な感受性になる。人間としては、純粋度が高まり、これも、常識的な現実社会には向かない人を作る。霊的直観力が加わるので、常人には理解できない発想が生まれる。これも、芸能界、お笑い界なら、異色の才能として、認められるものになる。

 

ただ、どれも、無自覚に自分を追い込んでいくことに変わりなく、生月中殺は時に、自分で自分の首を絞めるような方向へと向かって行き、わかっていても止められない業の罠にはまることがある。

 

③甲申-詳細は過去ブログで

申の中の星は、車騎星→龍高星×←禄存星と激剋星二つが変革の龍高星に流れる。客観性が強く、自分の主観的な意志で人生を作れない形。環境や役割の影響が大きく、その中で自分を作って行く。

天馳星は現実をまっとうに生きるエネルギーではないので、この二つを重ねると、自力で当たり前の現実を生きる人生は見えてこない。

 

自分の意志や理性が入り込む余地がない。常に使命感や役割意識で自分を奮い立たせていくことになる。

責任感という人格的なものではなく、もっと個人的な葛藤になる。針のむしろを座において、一時も安住できずに飛び跳ねて生きなければならない宿業に似ている。

 

甲申もまた、自分で自分を追い込んでいく生き方をする。地に足を付けられないので、誰かの支えは必須。岡村さんも矢部さんの存在や、仲間の励ましが、大きな支えになったのだと思う。

 

④暗合異常干支 壬午

壬午も丁亥と同じ、霊感を生む異常干支。

地支は、丁調舒星中殺→己司禄星中殺。これが機能しないことで起こる暗合を考えると、「思い通りの現実を作れない時」になる。調舒星中殺の完全主義が満たされないままでいると、自分が何も成していない(司禄星中殺)という思いに吸い込まれていく。司禄星が崩れて、暗合が起こり、それでひらめきを誘発できれば、司禄星は生き返る。

 

司禄星中殺の意味は、無限にループする龍高星中殺のアイデア喚起にあるように思える。中殺がなければ司禄星は安定した蓄積をする。龍高星も落ち着いて必要な改革ができる。

でも、中殺があることによって、蓄積はすぐに穴からこぼれて行く。何も成していないことになる。龍高星は休むことなく、次々とアイデアを産んで行かないと、司禄星は崩れたまま。これは、心(月支)が崩れるに等しい。

 

岡村さんの場合、壬午の暗合は日常的に使われて、霊的なひらめき(天極星中殺)を加えて、次々とアイデアを出して行ったのだと思う。司禄星中殺の中殺の意味は、蓄積されないことにあって、それゆえに、龍高星は次々とアイデアを出さざるを得なくなる。

 

それが、「受けない」「スベル」ことが続くと、司禄星性中殺は崩れたまま。そうなると、暗合もとけないまま、月支(心)は機能を停止する。眠れない日々が続く。

おそらく、これが、パニック障害の直接の引き金になっているのだろう。

 

『それまでは一度たりとも自分がスベることが許せなかった。自分ですべてを抱え込み、その責任を背負っていた。それが芸人としてのプライドであり、自分の支えでもあった。けれど次第に考え方が変わってきたのだ。「あ、スベってもええんかな」と。』

 

生月中殺は、ふっと力が抜けて、無心に機能できるようになると、中殺現象(ブラックホール)が強いエネルギーを発して、常人の何倍もの能力やパワーを発揮する。

 

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