『騒動から30年 手首を切った「中森明菜」が切っても切れない「男関係」。トップアイドルだった中森明菜(53)が自殺未遂騒動を引き起こしたのは1989年(平成元年)7月。この悲劇が当時、大いに世間の耳目を集めたのは当然の成り行きだった。何しろ、明菜が倒れていたのは、やはりトップアイドルだったマッチこと近藤真彦の自宅の浴室だったのだから……。-デイリー新潮-』

 

 

十二支の「辰」は支の中で、唯一干合する気を持っている(「戊癸」)。

宿命の中に、辰の干支(5、17、29、41、53)があったら、その干合に該当する人物(六親法)を注意する必要がある。

 

中森さんの戊辰の場合、日干戊は精神の自分、日支本元の戊は現実の自分。日干の自分が、現実の恋人(夫)と暗合し、地支の中で、現実の自分が恋人と干合する。60干支の中でも、もっとも異性に執着する干支と言える。

 

また、戊辰は天南星に座す。天南星の強いエネルギーは、若者特有の純粋性を持ち、一直線に人を思う心が作られて行く。ピュア―な愛情の持ち主。その愛情には、同時に、天南星の、前に進むしかない、「危うさ」も含まれている。

 

もう一つ、この干合のそばにある「乙」(牽牛星)にも副作用がある。

牽牛星というのは、大なり小なり、個人的、主観的な傾向を持っている。「協調性」「プライド」「役割意識」などの意味があるが、協調性は自分を守る手段であり、プライドは自己主張の変形であり、役割意識と責任感だけが牽牛星を最もきれいに燃焼させる。

 

その牽牛星が個人的日常を作る司禄星と隣り合うと、二連変化を起こし、目の前の出来事を理路整然と評価分析して解釈する能力が発揮される。素直な現実認識をする。

 

一方で、目の前の現実を自分の都合の良いように解釈してしまう副作用が起こることがある。

自分の不調の原因を環境のせいにしたり、自分の気持に合わせて環境を解釈したりする。恋愛なら、相手の行動や二人の関係を、良いほうへ良いほうへと思い込むようになる。結果、気持ちと現実とが大きく開いてしまい、それに気づかないふりをしていると、ある時、大きな破たんが起こる。

 

中森さんが近藤真彦さんに異常な執着を持っていたことは確かなようだ。

自分の作り上げた現実と本当の現実の乖離が最大値になった時、自分が現実からいなくなる選択をしたのだろうと推測する。暗合と干合という二つの執着構造から解放されることは、そのくらい難しいものがある。

 

運勢もそれを加速させる。大運は乙酉。牽牛星と天極星。これ自体は、環境を受け入れて、役割を果たすと直訳できる。ただ、宿命干合が起こっていると、戊癸は丙丁となり、日干丙と酉の中の「辛」が暗合する。虚の自分(丙)が現実の(辛)を欲しがる。安定を作る司禄星が、いたるところで石門星を作り、異質な自我が拡大する。「私は誰」「ここはどこ」という自己喪失が起こる。

 

年運では、前年に戊辰の律音があり、月干が干合している。年運の月干干合時に強い思いの恋をすると、忘れられない恋になるという通説がある。心の中に刻まれる恋となって、律音は戊辰の構造を倍加し、前年から、恋心が加速して行ったと思われる。

 

どの宿命でも、辰は、自分を見失う可能性を含んでいる。