超音波バリ取りの特徴のまとめ
*材質を選ばない。
  金属・プラスチック・  ゴム・セラミックス・ガラス
  またそれらの複合剤 難易度に 差はあるものの 
 基本的にほとんどの材質に対応できる。
*形状にとらわれない、バリの発生場所が多方向で、
 内面の公差穴なども対象になる。
*数を制限されない。一から数万個まで、
 一度にまたは 連続で処理できる。
*有害物など、発生しない。危険物は使わない。
 水を使用する。
*洗浄物を汚さず、洗浄しつつ、バリがとれる。
 精密洗浄が可能である。
*使用するのに、特殊技術、技能が不要である。
 また自動化が容易である。管理が し易い。
*最大の利点は、微小バリ(ミクロンの大きさ)が より早く、
 確実に除去できる。
 これからの精密加工に 唯一対応できる手段である。
*消耗品が少ない、水とフィルターが主な消耗品。
 ランニングコストが小さい。
*他の多くの手段と異なり、バリ取り後の、精密超音波洗浄装置が いらない。
 そのため他の競合手段と比較すると 全体では 低コストになる。
*乾燥もライン化がしやすい。汚れの再付着が少なく、
 精密部品加工後の処理に適する。
*クリーンルームなどの環境中に設置できる。
 他の手段のように、隔離されたバリ取り、洗浄室を必要とせず、
 管理コストが 軽減される。
                   

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参考 ブルー・スターR&D   HP
1、超音波バリ取りと 従来のバリ取り手段
超音波微小バリ取りは 新しい技術で 
今までのバリ取りにない特徴を 持っている。
他のバリ取り手段と比較しながら 考えて見る。
ただ バリ取り技術は 超音波バリ取り技術も
 他のバリ取り技術も 日進月歩である。
どんどん 克服され 新しい技術を生み出していると 
考えるべきであり、以下に記すのは、基本的傾向と考えて
いただくと ありがたい。
超音波バリ取りは 新しい技術で まだ知られていないので 
その特徴を よく知られている既存の手段と比較する。 

2、ショットブラストとの比較
ショットブラストは 胡桃の粉から ガラスビーズ、鉄球まで 
様々な微小な固体(一部 氷の微粉や、炭酸ガス含む)を 
対象物に 衝突させて バリを取ったり、表面改質を行う技術をであり、
これからもなくてはならない重要なバリ取り、表面改質技術である。
しかし その性格上、逆に表面に ダメージを残し易く、
複雑な形状や、複合部品には 適していない。
また 有機物のショットは、引火爆発の危険もあり、注意を要する。
さらに一部を除いて 産業廃棄物として ブラスト剤が問題になる。
またその多くの手段が、後工程として 洗浄工程が必要になる。
対して 超音波バリ取りは 複雑な形状 複合部品などを 
一度に 大量に処理し、通常 水を使うため 危険性もなく
廃棄物もバリ取り工程からは 生じない。
もちろん後工程に 洗浄は必要ない。
ただし、肉厚なバリなどは ショットが 優れている。
精密微小バリ取りは 超音波で、
肉厚、表面改質は、ショットという区分が 考えられる。

3、バレル研磨との比較
バレル研磨は、表面の改質、研磨、バリ取りに 
有用な広く使われている方法である。
しかし金属、プラスチックの複合部品や 電子回路部品、
表面の改質研磨を望まない部品には 不適当である。
何より 研磨粉、バレルコンパウンド等に 
汚染されることを覚悟しなければならない。
エッジは Rに 加工される。
微細な止まり穴、交差穴、奥のコ-ナーなど 
プラスチック精密成型品に代表される、精密加工バリ取りには、適さない。
さらに ほとんど、長時間のバッチ処理になり、
ライン化には 困難である。
廃水処理、そして 一般には 強力な超音波洗浄を 仕上げに必要とする。

なお この改良型として 磁気バレルがある。
汚染度は少なく、排水処理までは 考えなくて良いこともある。
しかし バレル研磨の基本的特徴は そのまま持っている。
対象ワークの微細な 内面までは 困難である。
もちろん 磁気を問題にするものは 適さない。
プラスチックにも 適さない。
超音波バリ取りは エッジを Rにすることは 出来ない。
特殊な例として、超音波と 砥粒を併用する方法も 
いくつか実用化され、実績をあげているが バレルのような 
エッジコントロールは 出来ていない。
しかし、汚染されず、大量に ライン化処理でき、
条件にもよるが 微細な止まり穴 交差穴(簡単ではないが)
小さなM1くらいの ネジ穴のバリなどは 得意と言って良い。
0.125mmΦの 光ファイバーコネクターの 
入り口のマイクロバリなどは、他のほうほうでは 困難である。
超音波バリ取りは、バレルで困難な、
複雑 精密部品の 微小バリ取りに 最適である。

4、高圧スプレー洗浄との比較
 50㎫以上の高圧スプレーは その固定が難しく 
対象物の 破壊をも伴う。
従って、15㎫~50㎫が 市販されている一般的な、
バリ取り高圧スプレーの 圧力である。
超音波で発生する キャビティの正と負の 
1秒間に20000回以上の衝撃波を
一方向のみの高圧スプレーと 比較するのは 困難であるが、
バリ取りのチェック用に一部で使用されている、
塗料の剥離試験では 25㎫の 
高圧スプレー(5mmΦで 50mmの距離から垂直に 噴射)よりは
強力で、50㎫とは 同等という結果が得られている。
高圧スプレーは パワーが大きく 洗い流す力が 大きい。
キャビティーは 高速の正負の繰り返しであるから、
微小な汚れは 拡散するが 高圧スプレーのような 洗い流す力は 小さい。
しかし 高圧スプレーのバリ取り時の照射面積は 一ノズル5mmΦと 
小さいのに対し、超音波バリ取りの照射面積は、1200wの最も小さいものでも、
300mm✕200mmの面積をカバーする。
また高圧スプレーは バレル、ショットブラストと同じく
 一方向の力のために バリを 折り曲げ へばりつかせて 
一見取れたかの用に 見えてしまい、
より取れにくい状態にしてしまう傾向にある。
小さな止まり穴の 奥のバリは 取るというより 押し固めである。
超音波の 非常に大きな特徴は 負の衝撃波のほうが 大きいこと、
つまり、倒れているものは起こし、つぶれているバリは 引き剥がし、
除去するということにある。
 もちろん 高圧と異なり ワークの固定に 労力を取られず、
小さい精密部品も まとめて 処理することが出来る。
今日では 高圧でしか無理かと思われていた、または高圧でも 
無理かと思われていた、自動車のバルブボディ、トランスミッションのギヤー類、
油圧機器のローター,など にも利用されつつある。
 何よりの違いは、メンテナンスが 容易なこと、
特殊なポンプを使わず、場所をとらず、電気量が 
格段に少なくて 済むことである。
 
5、サーマル・デバーリングとの比較
密閉した圧力容器の中で、火薬またはガスを 爆発させて、
その圧力と高熱でバリを取る。
主にエンジンブロック、油圧機器などの、バリを取る。
バリを力で取ると言うよりは、高熱で溶かして 融着して 
2度とはがれない形である。
問題は、高熱で表面が焼け、商品とするには 酸洗浄が必要で、
その後アルカリ中和、リンス洗浄が必要。
また対象も限られる。
電子部品、複合部品、ゴム、プラスチックはできない。
最大の難点は、火薬、または、ガスの管理が必要で、容易に導入できない。
価格は、高くなる。
超音波バリ取りは、後処理は不要で、危険性もなく、誰でも容易に扱える。

6、冷間バレル
バレル研磨の 発展系であるが ゴム等のバリ取りに利用される。
また、ショットとの組み合わせでも 使用される。
マイナス80度から150度以下で使用される。
この分野に、まだ 超音波バリ取りは 応用されない。
ゴムへの超音波バリ取りの挑戦は まだ始まったばかりである。

7、ブラシ、竹べら等
現在 もっとも多く使用されている 方法の一つ。
主に 人手による。
品質にムラがあり、2次バリといわれるより微小なバリの発生源になる。
その多くが 超音波バリ取りに 代替できる。
必要だった洗浄も、なくなる。

8、電解バリ取りとの比較=
 濃い塩水中で バリと電極の間に 放電させ、
電流の熱で溶かして バリを取る。
この方法は、有害物質が発生する場合もある。
塩水の処理、重金属の処理、電極の管理、何より、塩水のため 
装置の寿命が短く、設置環境も制限される。

参考 ブルー・スターR&D  HP

    

1、超音波バリ取り洗浄の原理
液体の中に強力な超音波を放射すると 
溶解している空気の含有量により 
溶解量が比較的多い時は ガス星雲型のキャビティー、
十分少ない時は 球状星雲型のキャビティーが 発生する。
十分に気体を除去した液体(水、またはその他の洗浄剤)の中に
強力な超音波を発生させ、球状星雲型のキャビティー(微小真空核群)を
無数に 生成させる。

この球状の微小真空核群の生成と消滅時に 
正と負の衝撃力が、発生する。
前者は微小真空核群の中心部から見て、外側への 衝撃波、
後者は核の中心部へ 吸引するような方向の 衝撃波が 発生する。
この[正と負]の衝撃波は、
1秒間に20000回以上、生成と消滅を繰り返す。
 
 気体の高速移動の ひとつの例が ガス爆発であるが 
微小真空核群の生成と消滅時に高速移動するものは 
はるかに密度の高い液体である。
液体が秒速100から300mで移動し(正の爆発)
次に 今度はその逆方向に 秒速150から350mで移動(負の爆発)する。
これを1秒間に20000回以上繰り返す。
無数の数の 微小真空核群が 同期しながら、
この生成と消滅を繰り返す。

 バリの近くに発生した微小真空核群=キャビティは
 バリに対して、1秒間に20000回以上 正と負の衝撃力 
別な表現をすれば 押す、引くを 繰り返す。
この結果 微小なヒゲバリは 一瞬で吹き飛んでしまう。
つぶれて 本体にへばりついているバリは、正より負 
つまり引っ張りの方向に働く衝撃力の方が強いため、
徐々に引き起こされ、同様の繰返し応力により破壊(折られ)除去される。
この現象が、数μの大きさの様々な形のバリの周辺で
同時に 発生する。

これが 超音波バリ取り洗浄の 原理である。



参考 ブルー・スターR&D HP