その日は、突然やってきました。
以前から、日々来日する多くのインバウンドに向けて、
日本滞在中に美味しい日本酒を体感いただき
日本の素晴らしさとともに知ってもらいたい、
という想いを強く持っていて、
インバウンド向け旅行会社を経営している友人とも
是非やろう、という話をしていたのが2年前。
それから随分と時間も経っていたのですが…
「急な話なんだけど、4月〇日空いてない?」と突然の連絡。
実施日、2週間後ですかー![!!](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
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「カリフォルニアからの来日で富裕層3名連れ、
日本文化にとても興味があるけれど、日本酒の経験は
それほどでもないみたい。日本は初訪問で、言語は英語のみ」と。
通訳挟まず、すべて英語での解説。
心の準備などないままなタイミングだけれど、
これは私がずっとやりたいと願っていたこと。
背に腹は代えられないとお受けしました。
「ワクワクするね~!新しい扉が開くよ!」と友人、
私は正直、初めてのパターンにワクワクより
ドキドキの方が勝ってましたが…![!!](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/176.gif)
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日本酒経験が少なく文化圏も違う中で
どのような視点、切り口が伝わるのだろうかと
試行錯誤しながら準備し、迎える当日。
場所は、六本木の東京ミッドタウンにあるハルヤマシタ東京。
来日3日目のディナーだったのですが、個室で
新和食のフルコースに合わせながら、
皆さんのリクエストも聞きつつ日本酒をセレクト、
そしてお酒の解説だけでなく、日本の文化、日本人の精神性に
ついてなど色々お伝えしました。
個室だったのと、今回ある特別な旅でもあり、
リアルな日本文化を体験したいとのことだったので、
ぜひ飲んでいただきたいお酒も一本、プレゼントで持ち込みしましたよ。
油長酒造の「水瑞(みずはな)」
1355年に書かれた「御酒之日記」に記された
酒造りのレシピをもとに、大甕で造った日本酒。
日本酒から日本の歴史を感じていただければ…と。
他にも、黒龍、酔鯨、獺祭、酒一筋、鳳凰美田など
様々なタイプの銘柄を燗酒も交えつつ体験いただき、
お料理も楽しんでくださり、特に鰻の石窯焼きや
黒毛和牛の炭火焼きがお好きなようでした。
実は、今回のお客様男性3名連れのうち、お二人がカップル、
そのうちの一人が末期がんで、動けるうちに最後に思い出作りの旅で、
憧れのある日本に来たいと、10日ほどいらしていたんです。
3人とも、とても優しく明るく好奇心旺盛、
私は食事する暇ないくらいずっと質問責めにあっていましたが![ビックリマーク](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/039.gif)
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その中でも一番好奇心旺盛で、日本文化のどんなことでも
吸収したい!と積極的だったのが、末期がんの彼。
日本のこの旅を、かけがえのない大切な仲間と
100%楽しもうとしている姿に、胸がぎゅっと締め付けられる
想いにもなりながら、少しでもこの時間を、
日本を楽しんでもらえたらと
誠心誠意ガイド役を務めさせていただきました。
尊いお役目をいただけて感謝しかありません。
気づいたら4時間半!皆さん楽しんで下さったようで、ホッと一息。
笑顔で、アマン東京に向かうタクシーまでお見送りしました。
貴重な経験、多くの学びとなった機会となりました。
今月は、台湾で日本酒ペアリング会の解説等させていただきますが、
こちらも英語でと考えています。
今年に入り海外のお話も増えていて、嬉しいですね。
チャレンジの場は突然目の前に現れましたが、
勇気を持って一歩踏み出さないと何も始まらない、
これからも私のミッション、日本酒を通して、
日本文化、日本の神髄を国内外お伝えしていきたく思っています。
新たな扉、開いたかな。
素晴らしい機会を有難うございました![ニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/051.png)
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