2月下旬、銀座にあるスペイン料理店、アロセリア ラ パンサにて、
スペイン郷土料理と日本酒とのマリアージュ会を企画しました。
6年連続ビブグルマン選出の人気店で、
スペインで2つ星の名店”アメリア”にて
部門料理長も勤めていた平松篤人シェフ。
日本酒好きでもあることから、今回お声がけいただき会が実現
スペイン料理は、魚介を使った料理も多く、
パエリアといったお米料理もあり、和食に通ずるところからも
日本酒を合わせやすいと感じていました。
今回は、能登の地震もあり、北陸の日本酒を応援したくて、
石川、富山、福井の日本酒をセレクトしましたよ。
事前にペアリング検証もして調整し、いざ当日
乾杯には、爽やかでフレッシュな新酒の生酒、
九頭龍の夜明けをセレクト。
バスク風魚介スープにも合わせましたが、魚介の旨味や
スープの塩味とマッチしつつ、お酒が持つ軽やかな苦みが
スープの旨味に軽やかな複雑さをもたらしてくれます。
重すぎず軽すぎず、一皿目にちょうどよいバランス
・あん肝のパステル×奥能登の白菊 純米活性にごり酒
輪島の朝市通り近くにある酒蔵で、大きな被害ありましたが、
震災前に搾った貴重な新酒をご用意することができました。
あん肝のペースト状ななめらか食感と、マヨネーズ、
シェリービネガーの風味に、にごり酒のクリーミーな
とろとろ感のテクスチャーがぴったり
にごり酒がソースの一部の様に馴染み、あん肝の旨味が何倍も膨らみつつ、
活性にごりなのでシュワっとした泡がすっきりとした余韻に導いてくれました。
・本州鹿のセシーナ×Nechi2017根知谷産五百万石一等米
Nechiと合わせることでオリーブオイルの青々しい香り、
イチゴの香りや酸味ががより広がります。
さらに、肉やチーズの旨味、塩味を引き立たせつつ、
口の両側がキュッとなるような酸味も感じられ、
様々な食材、ハーブ、調味料がNechiと合わせる事で
より一体化しまとまる感覚に。
・真蛸のプランチャ アハーダ×羽根屋 特別純米酒
真蛸は、外側がカリッと香ばしく、中は柔らかい食感の
コントラストが楽しめ、パプリカパウダーが、
不思議と鰹節の香りがするので、なんだかタコ焼きの
風味をも感じる楽しい一皿
羽根屋と合わせると、カリフラワーのピュレの優しい甘みや、
タコ、パプリカの旨味がより丸くまとまります。
ペアリング検証した際に、クミンパウダーを合わせてみたところ、
料理とお酒をぐっと近づける橋渡し役になってくれたので、
かけないのとかけたので、違いを感じてもらいました。
・国産牛ほほ肉の赤ワイン煮込み×天狗舞山廃純米
復興支援酒(50度くらいの熱燗)
牛ほほ肉と、赤ワインソースを仕込む際のブランデーやフォンドボー、
香味野菜の何層にも重なる風味に、天狗舞のスパイスや穀物らしい
香りが合わさることで、さらなる重層感を生み出します。
あらびき胡椒をかけると、料理の輪郭がよりはっきりするので、
その変化も感じていただきました。
・バスク風あさりご飯 天狗舞 山廃純米 燗冷まし常温で
燗冷ましで、香や味わいが花開いた状態なので、
魚介出汁の風味とお米同士で旨味の相乗効果を楽しめるペアリングに。
・あんぽ柿クリームチーズとバスク風胡桃のソース
×吉田蔵U百万石の白 生酒
この手のデザートには貴醸酒を合わせたくなるところですが、
あえて13度の軽やかフレッシュな新酒無濾過生原酒をセレクトしました。
微発泡でチャーミングな味わいにあんぽ柿の甘酸っぱい風味がマッチ
レアチーズと胡桃、生クリームのナッティで濃厚な味わいを
楽しみながら日本酒を合わせると、口中がさっぱりして、
食後のコーヒーいらず。
日本酒に詳しい方からも、このペアリングは面白い発想だねと
ご感想いただきました
今回は、飲食、ワイン業界に携わる方も結構ご参加くださいましたが、
真剣にペアリングを感じながら召し上がってくださり、嬉しかったです。
実は、次回の日本橋三越カルチャーサロン、6月10日に
同じくこちらの店で日本酒ペアリング企画をすることになりました。
よりパワーアップして皆様にお楽しいいただければと思いますので、
ご興味ある方、ぜひご一緒できましたら嬉しいです
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