ツアー2日目、まずは奥播磨を醸す下村酒造店へ。
 
明治17年創業、姫路市安富町にあり『手造りに秀でる技はなし』を家訓として、
現在は純米蔵として750石ほど造られています。
 
 
店主兼杜氏の下村裕昭さんにご案内いただきました。
全量酒造好適米を使用し、うち8割が町内の契約栽培で収穫した兵庫夢錦、
他に山田錦、兵庫錦となっています。
 
酒米の研究開発や、山田錦の種を守るための酒米試験地が近くにあることからも、
安富町は米作りに適した地域である証拠だと、下村さん。
 
奥播磨の特徴は、米の旨味、味わいを引き出し、お燗酒でまたその真価を発揮する、
食中酒として飲み飽きしない味わいです。
 
全国にファンも多く、週末には県外からも奥播磨を求めて多くの方がいらっしゃるとのこと。
 
一般向けに酒蔵見学はされていませんが、試飲もでき、
奥播磨の全ての種類を蔵内の店で販売しているので、
周囲ののどかな環境に触れつつ、蔵にも訪れてみてはいかがでしょうか?
 
 
 
そのあとは、宍粟市にあるカフェさんしょうへ。
 
もともと三笑という銘柄を造っていた酒蔵をリノベーションし、カフェを経営、
ランチもできお土産も販売されています。
 
 
こちらでの見どころは、この大きなのぼり旗!
 
ヤマタノオロチが八塩折の酒を飲んでいるところが描かれていますが、
昔は端午の節句の時、各家庭で鯉幟ではなくこのようなのぼり旗を立てかけていたのだそう。
とても迫力ある絵ですし、立派ですね…。
 
ここでは、酒粕シフォンケーキとコーヒーで一息。
 
そのあとは同じ通り沿いにある老松酒造でランチをしましたよ。
 
今年2月9日にオープンしたばかりの、発酵食レストラン老松ダイニングは、
中庭が見えて落ち着く空間。女将の前野久美子さんが切り盛りされていました。
 
 
 
今回は、「発酵ありがとうランチ」をいただきましたが、
小鉢は豆腐粕漬けやほうれん草のこうじ和え、メインは酒蔵肉もろみパスタ、
デザートには玄米ヨーグルトやもち米甘酒など、
発酵食材をふんだんに使ったお料理の数々音譜
 
肉もろみの旨味がしっかり効いていて、日本酒が飲みたくなるような味わい!
 
ヘルシーで美容にもいいですし、女性のお客様でいっぱいでしたよラブラブ
何より女将の久美子さんの肌がつるつるでキラキラ
 
発酵玄米を沢山食べているからかしら、と仰っていましたが、
女性同士でも楽しめますしお勧めです!
 
お土産やお酒売り場も、洗練された空間でした。

 

 

 

 

 

この通り沿いには、酒蔵通りとしてもう一蔵、
播州一献を醸す山陽盃酒造が老松酒造の斜め前にありますが、
昨年11月8日に火災で大きな被害を受けました。
 
合間に少し伺えたので、こちらのレポートはまた改めてしたいと思います。
 
お元気そうな、播州一献の壺阪さんにお会いできてホッとしつつ、
そこから徒歩圏内にある、日本酒バーsadoyaへ。
 
もともと山陽盃酒造で酒造りをしていた琴地あかりさんが、
手芸店をリノベーションして日本酒バーを昨年オープンされました。
 
あかりさんのセンスが光る店内ラブラブ
 
 
こちらでは、播州一献と老松の日本酒がいただけますよ。
 
まだ20代にしてバーをオープンされるとは、すごいです!
 
地元の方からも愛されているお店とのことですし、
ぜひ山崎町にお立ち寄りの際は、sadoyaさんも訪ねてみてくださいね。
 
 
 
そのあとは、同じく宍粟市にある庭田神社へ。
日本酒発祥の地として、
播磨が酒文化ツーリズムに力を入れていこうとしたきっかけにもなった場所。
 
 
というのも、播磨風土記にはこの庭田神社の裏にあるぬくい川に米を漬けていたところ、
カビが生えて美味しいお酒になった、という記述があるんです。
 
 
米で作った酒の記述としては最も古いとされており、
日本酒発祥の地として、訪れる人も増えてきました。
 
まさに播磨風土記に記述のある場所が現在も残っている、というのは感慨深いですね…。
 
 
 
庭田神社の目の前には、ずーっと続く一本道の両脇に田んぼが広がっていて、
この風景を見ていると、日本酒が自然と出きるのも想像がつきますし、
歴史に想いを馳せながらロマンを感じるひとときでした…。

少し遡りますが昨年4月、この宍粟市でまぼろしの酒『三笑』蔵出し式が開催されました。

播州一献、老松、三笑の3つの酒蔵が同じ通り沿いにあることから、
酒蔵通りとして観光客を呼び込めるよう活性化していこうと、
播州一献の山陽盃酒造と老松の老松酒造が、
今は酒造りをしていない三笑の銘柄で、
それぞれ酒を造り、お披露目の場で私も司会と講演をさせていただきました。

移動手段となるとこの地域は車となりますが、各酒蔵、とても頑張っておられますし、
この地を多くの方に知っていただき足を運んでもらえたら嬉しいな、と感じました。

ツアーは、まだまだ続きますよニコ