先日、賀茂鶴酒造 法人設立100周年を記念し造られた、
「広島錦」プレス発表会があり伺いました。
2018年8月28日に100周年を迎えるという賀茂鶴酒造。
原点に立ち返り、次の100年を見据えた「Made in広島」の酒造りをと、
広島の素材にこだわった純米酒を6年かけて形にされました。
純米大吟醸、純米酒の2種類で、今年の10月2日発売開始となります。
一番の特徴は、広島錦と5号酵母を復活させ、造ったお酒だということ。
原料である「広島錦」は、昭和初期に誕生したものの、
160cmと背が高いなど栽培の難しさから幻の酒米となりましたが、
今回のプロジェクトで復活!
現在、賀茂鶴「広島錦」の為だけに契約農家が栽培しています。
さらに、賀茂鶴酒造は協会5号酵母(大正14年 1925年採用)発祥の蔵でもあり、
広島錦 純米酒は5号酵母で、
広島錦 純米大吟醸は5号酵母と1801酵母のブレンドで仕込んでいます。
5号酵母は、香りが控えめで発酵がゆるやかなこともあり、
今回復活させるにあたりかなりの試行錯誤を重ね、広島錦の完成まで持っていったと、
椋田茂杜氏も仰っていました。
椋田杜氏のプレゼンテーションでは、
軟水の賀茂山系の伏流井水についてもお話されていましたが、
自然の恵が育む水の結晶がとても美しいのにも驚きました。
ブランディングデザインは、コエドビールのラベルデザインなども手がけた、西澤明洋氏。
書体にも特徴あり、広島のカラーでもある赤で、
菱型のようなロゴは、「心」という漢字から来ています。
お話を伺っているだけでも、完成に至るまでの御苦労、熱い想いが伝わってきましたが、
実際に頂いてみると…口当たりとても柔らかで、お米の上品な旨味が膨らんで、
心地よい余韻が続きます。甘味と酸味のバランスよく、
純米酒はお燗にしても美味しかったですよ。
ソムリエの田崎真也氏、料理家の栗原友氏、椋田杜氏とのトークショーもあり、
田崎氏のそれぞれのお酒の香り、味わい、余韻の的確な表現も勉強になりました。
更に田崎氏、「ワインでも、古代の造り方や熟成方法に立ち返った上で、
未来に向かって進んでいこうとしているワイナリーもあり、
オリジナリティや個性を考えていく上で、原点回帰は大事なことだと思う」
とも仰っていましたよ。
第2部のレセプションパーティーでは、賀茂鶴のそれぞれのお酒に合わせて、
料理家の栗原友さんが料理を考案。ペアリングを楽しめました
純米吟醸古酒仕込の梅酒も美味しかったです!
純米大吟醸は4合瓶で6000本、純米酒は一升瓶で18000本(業務用のみ)とのこと。
実は、次回和酒フェスin中目黒(10月21,22日)に初出展されますが、
その際は、この広島錦2種類をご提供くださいますよ。
お燗酒で温度変化も楽しめますし、椋田杜氏もいらっしゃる予定ですので、
ご興味ある方、ぜひともお越しください。
ちなみに私は、10月21日に司会致します
賀茂鶴のコンセプトでもある「酒中在心」、酒の中に心あり。
米、水を守る人々の心、伝統を受け継ぎ、
妥協のない酒造りに情熱を注ぐ蔵人の心を大切に、
次の100年に向かって益々のご発展を楽しみにしています!
素敵なお土産も、有難うございました