幼稚園の時
いわゆる彼氏がいた

女の子に間違えられるくらい可愛い顔
優しく、いつもそばにいてくれた


その子が帰った後、私は親友の女の子と帰る

女の子の彼氏はバス通園で、窓から彼女に笑顔でバイバイをする

私は少し後ろに下がって二人を見ている


私は
その親友の彼氏が大好きだった

私ではなく
親友だった女の子に
とびきりの笑顔で手を振
る光景

 あの時の切なく悲しい感情
 今でもはっきり覚えている

先に帰れば二人の姿を見なくてすむのに
泣きたくなるくらい辛くなる事ないのに

でも私はその彼氏に会いたかった
姿を見られる事が嬉しかったのだ



昔から
基本的なところは全く変わっていない

だだ大人になってからは
誰かのものでも
ときに
少しのあいだ自分のものにする事が出来るようになった

大人の勝手な事情は
たくさんの恋愛ドラマを生む


そういえば
あの当時、私は彼氏から指輪を貰っていた

勿論おもちゃだが
「ずっと一緒にいようね」
そんな言葉とともに

ずっと一緒=指輪

愛する人からは指輪をもらって幸せになる

強く刻まれた感情は
なかなか消えない


でも
あの時すでに別のひとに想いをよせていた私

幸せにはなれない