★プロローグ★ -独奏-
粉雪の舞う冬の始まり。
あたしはあなたと出会いました。
ロングコート姿のあなたは、無表情に前を見つめていました。
すれ違っただけのあたしのコトなんか、あなたには進行方向を妨げる障害物でしかなかったのでしょう。
この冬、数回同じ場所ですれ違いました。
あたしは毎日毎日その場所を通る度に、あなたに会えることを楽しみにしていました。
雪が溶け始める冬の終わり。
いつもの場所、いつもの時間。
遠くからあなたの存在に気付いたあたしは、急ぐ足を抑えながらあなたに近づいていきました。
いつも通りすれ違う。
そう思った瞬間・・・・
目が合いました。
いままで一度も、前を見据えた顔を動かすことなんてなかったのに。。。
きっとあなたには記憶に残らないような出来事だったと思います。
でも、あたしにとっては忘れられない出来事になりました。
目が合っていたのは1秒くらいだったでしょうか。
ほんのわずかな時間。
あたしはあなたと出会いました。
ロングコート姿のあなたは、無表情に前を見つめていました。
すれ違っただけのあたしのコトなんか、あなたには進行方向を妨げる障害物でしかなかったのでしょう。
この冬、数回同じ場所ですれ違いました。
あたしは毎日毎日その場所を通る度に、あなたに会えることを楽しみにしていました。
雪が溶け始める冬の終わり。
いつもの場所、いつもの時間。
遠くからあなたの存在に気付いたあたしは、急ぐ足を抑えながらあなたに近づいていきました。
いつも通りすれ違う。
そう思った瞬間・・・・
目が合いました。
いままで一度も、前を見据えた顔を動かすことなんてなかったのに。。。
きっとあなたには記憶に残らないような出来事だったと思います。
でも、あたしにとっては忘れられない出来事になりました。
目が合っていたのは1秒くらいだったでしょうか。
ほんのわずかな時間。
まばたきを忘れました。
呼吸を忘れました。
金縛りにあったように、カラダを動かすことができませんでした。
ただ、カラダの内側から経験したことない熱がこみ上げてくるのを感じていました。
そしてその熱は冷めることを知らず・・・
いまも、この胸にあります。
あたしは名前も知らないあなたに、恋をしました。
あの場所ですれ違ったのはあの日が最後でした。
結局どこの誰なのか、なぜ会わなくなったのか、何も知らないまま・・・。
一度だけ真正面から見ることができた瞳。
なぜか心惹かれる存在感。
その影だけを残して。。。
時は流れます。
もうすぐ、あれから何度目かの冬が終わり何度目かの春がやってきます。
ランドセルを背負っていたあたしは、この春高校生になります。
あの頃よりは、少しオトナになれたでしょうか。
今度もし会えたら・・・・
「障害物」ではなく「女の子」として、見てもらえるでしょうか。。。
その瞳に、映してもらえるでしょうか。。。
