日本の自動車会社は、トヨタ、日産、ホンダ、スバル、マツダ、スズキ、ダイハツであることは御存知の通り。会社の体力としてはトヨタの一人勝ちの状態だ。

トヨタという会社はこれと決めた一つの技術を頑なに熟成することによって、会社のアイデンティティーを確立しているように思う(あまりに巨大な企業なのでそう単純な話でもないだろが)。

一つはかのハイブリッドエンジンだ。プリウスはすでに4代目になろうとしているが、パイロット的に初代プリウスでデビューさせてから熟成を重ね、トヨタのベストセラーカーに仕立て上げてしまった。さらにその技術を他車種に移植し、恐らくはすべての車種にハイブリッドを選択できるようにし、コストダウンを図っている。

もう一つはデザインだ。現行プリウスがデビューした頃から殊に目立つようになったが、複雑な局面を多用した深海魚のようなスタイル。現行プリウスがデビューしたときにはなんじゃこれ?と嫌悪感すら抱いた(内装は未だいただけない:これは先代プリウスが100倍優れていると私は思う)が、このコンセプトが今のカローラシリーズに昇華している。ことに今のカローラスポーツは塊感のあるとても魅力的なデザインだと思う。

 ブランドは異なるがレクサスのデザインも統一感がある。まあ、値付けが高すぎて販売成績がいまいちな感はあるが、外車だと思えば納得。

ただ、レクサスにもハイブリッドを採用し、燃費や環境に配慮していることは理解するが、基本的なエンジンのラインナップが古いと思わざるを得ない。恐らくはISシリーズはBMW3シリーズの競合として開発しただろうに、採用しているエンジンは今はなきマークXの2500cc6気筒がベースなのはいかなることか?世界的に低排気量ターボ車の時代に移行しつつあり、BMW3シリーズですらシルキー6と言われた6気筒エンジンを捨て主力を4気筒2000ccターボに据え、好燃費を売りにしているのに。品質感はISは秀逸なので購買をためらう一番の理由はパワートレーンだと僕は思っている。トヨタの頑固さはときに変わらないことで残念な結果を生んでいる部分もあるのかも。とはいえ、最近はトヨタブランドに低排気量ターボを遅まきながら採用し、ハイブリッドと2択できるようにし始めたのでこれは歓迎できる動き。