ロシア選手権の結果を見ると結局シェルバコワのようなincredibleな点数を(>260点)現実にするためにはフリーで2種類以上のQuad 、うち1つはコンボにすることを含め最低3回Quadを跳ばなければならない世界が当たり前になっているということ、だ。とはいえ、コストルナヤもSP89点のアドバンテージも含め、合計259点をQuadなしで達成できたことは見事だった(が、これが3Aのみでの限界だろう)。彼女らのPCSが男子並みの係数であったら、一体どのレベルにあるのか?

 あくまで、これはロシア国内の非公認大会なので点数は爆盛なのかもしれないが、ISU 公認大会でもこのレベルが再現されることを全ての選手が覚悟しなければならないだろう。

 日本女子は昨年このような事態になることを予測し、彼女たちなりに対策を立てたが、かえって今持っている技術のバランスを崩してしまった選手も少なからず居る。北京までにはまだ時間があるかもしれないが、この水準に少しでも近づくメソッドを日本として考えないと、昔使われた「途上国」になってしまうだろう。

 でも、一つ武器を手に入れると突然強くなれることもあるので諦めるのは早いだろう。昌磨くんは平昌の前年に260点ベースから300点ベースに変身できたのだから。

 それにしても、なんと過酷な変貌がフィギュア界に訪れているのか。この15年にはあり得なかった革命的出来事。食らいついていかねばならないのか?