今回全日本のフリー演技を見ていて改めて思ったのは、紀平さんはアクセルジャンプ以外のジャンプは、助走がとても短く、ジャンプ前の始動も極端に短い、というか始動のポーズ自体がないに近い。従って、スピンやステップにほぼ連続して唐突にジャンプが行われている。これは、国内、海外のいかなる選手を見ても特別な点だ。

   あ、一人だけこういう選手が居たっけ。羽生さんだ。羽生さんの場合は助走すらない(という本すら出版されている)。羽生さんはその前後にも味付けをかなり加えているので、更に複雑だ。紀平さんに話を戻すとすごく難しいことをやっているのに、プログラムの一部として溶け込んでおり、難しいことをやっていると思わせない、というかすごいな、と思わせないままプログラムは進んでいく。これはある意味ものすごい技術だと思う。最近は3Aですら、3Aやってます感が希薄になっている。踏切のときの沈み込みが昨年に比べ少なくなったため一見2Aのようにもみえるのだ。とはいえ、最高到達点は59cmあるからジャンプは十分高い。リーザのあのやる気のなさそうな始動からの高難度ジャンプもなかなかなものだが、、、。

 リーザと紀平さんの二人、異次元である。

ロシア3狂でもこの点では、さあ飛びます感はしっかりあるから。