羽生さん、紀平さんどちらも苦いスタートになりました。羽生さんの場合は、起こり得るミスで、ショートのあの場面だとリカバリーの余地はないから、ネイサンとの得点差はどうしようもない内容でした。ネイサンの組み立てについて以前、彼は純粋に競技、として臨んでいる、と書きましたが今回も印象は同じ。課題をミスなく粛々とこなしていて確かにパーフェクトなんです。PCSも文句ない点数です。手先、足先、体全体の表現はどう見ても羽生ワールドのほうが印象強いですが、これらは余り点数化されないようですね。例えばレギュレーション上は脇を締めたジャンプとタノジャンプの間に点数差は生まれないようですし、点数に関係ある見栄えと関係ない見栄えについて僕にはよくわかりません。

 

   変わって紀平さん。このような3-3での失敗(しかも転倒)は見たことが有りません。お昼寝ができなくて体が全然動かなかったとおっしゃっていますが、これに類いした失敗は今年春先の国別対抗の3Lz +3Tの転倒シーン以外記憶にないですね。フリーで引きずらなければよいですが、開き直りの4Sから始まり、全て彼女なりの完璧で終えてほしいものです。4Sでバランス崩してあとがボロボロ、というシーンは余り見たくはないですが、それも今後の糧か。

 

 トルソワ、3A挑んできましたねえ。まあ、失敗3Aと成功2Aを天秤にかけたら、失敗3AでもOKという判断だったのですね。4回転実戦コケまくりでも実戦に組んでなんぼ、というこれまでの彼女の姿勢が貫かれています。おそらくは練習の段階では何年も試してはいたのだと思います。今後、完成度がどこまで上がるのか?本当にできてしまったら、しばらく彼女にたちうちできる選手は皆無になってしまします。紀平さんが14才で初めて試合で成功させ、今季やっと熟成された技です。そう簡単に実戦で成功率高く決められたら、浅田さん以降3Aが久しく出なかった訳がわからなくなる。

いずれにしても世界選手権に向けてすでに課題がはっきりしてしまったこのSP。

FSは今夜、そしてこの深夜に。

悩ましい土曜日ですね。