昨日のインスタグラムで樋口新葉さんがトリプルアクセルを決めている動画がアップされていました。以前3Aに挑戦し、それが原因で左足を故障して今シーズン前半のジャンプがすべて狂ってしまった、とコメントしていましたが、また挑戦始めたのですね。

 考えてみれば、伊藤みどりさんが1988年に初めて世界で公認されて以来、ISUで認定されている3Aジャンパーはたった11人です。しかも20004年以降2015年まで新たに認定された選手が皆無という高難度ジャンプ。

 ロシアジュニアの高回転、高難度ジャンプに対抗するため、日本のジュニア勢にもプログラムに3Aを組み込む選手が続々と出現し、その中でのおそらくは筆頭に当たるのが川辺愛菜選手でしょう。

 この1〜2年のうちに紀平さんだけではなく日本女子も若手を中心にISU公認大会で3A, 4回転を武器とする選手が続々登場するかも知れません。

 それにしても、2004年から15年まで3Aに挑戦する選手が居なかったのか挑戦しても公認されなかったのかわかりませんが、新たな3Aジャンパーが現れなかった理由はどこにあるのでしょうか?

 女子が3A, Quadを跳ぶことに、身体的限界がありそれを克服できた一握りの選手にのみチャンスがあるのだとすれば3A、Quadが一般的になることはまずありえないでしょう。

かの安藤さんもQuadが飛べたのはジュニア自体の一時期だけでした。成長期、体型変化を乗り越えて、この難しい技を維持することがいかに難しいかを10年間の空白が物語っているのでしょうか?

 今のロシア選手たちの勢いからは、他国でも挑戦しないわけには行かない、という空気が蔓延しているのは理解できますが、ザギトワはこれに乗らないと明言しています。

 樋口さんが不屈の闘志で挑戦を再開したことは称賛に値します。ならば、練習レベルではなく、プログラムの中に是非組み込んだ完成形を見せてほしいものです。3Aが全体の演技の中で生きるようなエレメンツにできることを祈ってやみません。