ロシア3選手(トウルソワ、シェルバコワ、コストルナヤ)がシニアに上がった事によって、ショート、フリー合わせて240点というラインが一つのベンチマークになったようです。

トウルソワ選手の希望通り、女子のショートでも4回転が解禁となれば、250点をマークする選手が現れ、3A、ないしはQuadを持つ選手と持たない選手との間には圧倒的な溝が現れるでしょう。実際、男子では羽生、ネイサンの二人による(宇野さんとヴィンスもその一角だった、すみません)300点超の選手とそれ以下の260点以下の選手との間の埋められない圧倒的な差があり、むしろこの現象が男子競技の興味を削ぐ結果にすらなっているような?。

 今後、芸術性か競技としてのフィギュアか、という議論において多回転の制限等の議論が偉い人たちの間で起こるかも知れませんが、スポーツである以上技術の進歩に目をそむけるわけには行かないでしょう。女子の4回転解禁は時間の問題だと思います。

 これが、北京前に起こるのか北京後なのかはさておき、準備として紀平さんが4回転をプロトコルに入れ、チャンスが有れば演技に組み込もうとしていることは当然のことでしょう。紀平さんに限らず、各国のJrが3A Quadを意識したトレーニングを始めていることも時代の流れ。

 

 とはいえ、今回のNHK杯でコストルナヤさんはQuadなしでトータル240点をマークしています。紀平さんには不可能なのか?

 実は多くのファンが、紀平さんについてはQuadよりもLzジャンプの復活を望んでいるのは言うまでもないこと。

 昨年のNHK杯でのフリーで紀平さんのTESは87点でした。このプロは3Lz+3T入。最近の彼女のPCSは概ね73点取すると、これだけで160点。昨年の彼女のショートベストスコア83点を加えれば243点となります。

 彼女の足首の状態が気になる所です。9月の故障がなければ、Quadなしでロシア勢と互角に戦えたのに、というファン心理。実際の足首の状態は決して明らかにされることはないだろうし、シーズン戦いながら傷を癒やしていくのも至難のこと。

 できれば、身体的にベストな状態でコストルナヤさんと競わせてみたいものです。