刀ステ「維伝 ~朧の志士たち~」を観てきました | 雪の上に照れる月夜に梅の花

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雪月花の時 最も君を想う…土方歳三、新選組、薄桜鬼大好き

舞台刀剣乱舞「維伝 ~朧の志士たち~」を東京ドームシティーホール楽日マチネと、神戸のアイア2.5次元シアターでとの二回、観劇してまいりました。

 

その芝居内容の感想です。

 

 

 

注意閲覧注意注意

 

 

思いっきり内容のネタバレをしております。

ネタバレ苦手な方は、この先一ミリも読まないでください。

ご自分で自衛していただきますよう。

また、個人の感想をダラダラと語っているだけですので、その点も宜しくご理解お願いいたします。

 

 

 

よろしいですか?

 

ではまいります。

 

 

 

黒猫しっぽ黒猫からだ黒猫あたま黒猫黒猫黒猫

 

 

 

改変された歴史、放棄された文久土佐藩のイベントを元にしたお話。

 

「朧の志士」

“おぼろ”とは、「かすんではっきりしないもの」。

 

では「朧」の志士とは?

 

 

陸奥守吉行を隊長として和泉守兼定、堀川国広、鶴丸国永、小烏丸の五振りでの出陣。

イレギュラーで5振で出陣し、現地で肥前忠広、南海太郎朝尊と合流するのはゲーム内の設定どおり。

 

 

土佐藩のしかも文久時代がゲームでイベントとして取り上げられたのも驚きだったけれど、ゲーム内の設定もかなーーり???の部分があったのにそれが刀ステになるという。
しかも兼さんと国広の土方組が登場する。

いったいどんなお話になるのか。どうして土方組が出陣するのか。

 

期待と不安の入り混じった気分で観劇の日を迎えました。

 

 

ゲーム内の「文久土佐藩」の設定も、まあ放棄された世界ということだからどんな設定でも構わないといわれればそうなわけですが、では「維伝」では立ち上がりにどんな世界設定をするのかなといろいろと考えていました。

 

嘉永6年(1853年)  6月 ペリー来航

万延元年(1860年)  3月 桜田門外の変

 

文久元年(1861年) 8月土佐勤王党が結成。  10月 和宮降嫁

文久二年3月 坂本龍馬一旦土佐に戻るが脱藩 4月 吉田東洋暗殺。

同年10月ごろ 龍馬、勝海舟の門人となる。

文久三年1月 岡田以蔵脱藩 高杉晋作のもとに居候のち共に京へ。

2月 江戸から浪士組が上洛、その一部が京に残留し壬生浪士となる。

同月 龍馬、脱藩の罪を赦される。 

身を持ち崩していた以蔵を龍馬が勝海舟の用心棒とするが、やがて龍馬にも見放される。

同年8月 八・一八の政変 天誅組の乱 9月 壬生浪士、新選組の名を頂戴する。

同年9月 武市半平太が山内容堂の命令により捕縛、投獄。

同年11月 土佐藩より龍馬に帰国命令 12月 龍馬、帰国命令に従わず再度脱藩。

 

元治元年(1864年) 4月 岡田以蔵が京で捕縛され土佐に送還。

6月 池田屋事件  7月 禁門の変

慶応元年(1865年)3月に神戸海軍操練所閉鎖されたのを受け、5月に長崎にて亀山社中発足。

閏5月 武市半平太切腹、岡田以蔵ら4名斬首。

慶応二年2月 薩長同盟成立

慶応三年6月 薩土盟約成立  11月 坂本龍馬暗殺される。

                                    (町田明広著 「新説 坂本龍馬」参照)

 

正史はこのように進むはずと、予習。

 

 

こうしてみると文久時代の土佐藩は、武市半平太が吉田東洋暗殺であっというまに表舞台へと駆け上がり、八・一八の政変で即時攘夷派が一掃されると、土佐勤王党の弾圧が始まって、桂小五郎らが脱藩を勧めるも耳を貸さず、そしてそのまま捕縛投獄されてしまうという、まるでジェットコースター。

そして文久時代には坂本龍馬はほとんど土佐にはいない。

 

 

 

さて、物語。

 

 

 

冒頭、嘉永6年(1853年)6月のペリー来航場面。

(龍馬19歳。ちなみに土方さんと龍馬はともに1835年生まれの同い年)

江戸で自費での剣術遊学だった龍馬は品川の土佐藩下屋敷の召集に応じて守備についていたときの様子?かな?

 

場面展開。

吉田東洋の暗殺。

そして、龍馬が武市半平太の切腹を知り嘆いている。

・・・・・・ということは、正史ではこの時点ではすでに慶応元年五月以降の龍馬のはずだ。

 

そして文久土佐藩、改変され放棄された歴史の中へとお話は入ってゆくのだが……。

 

正史では武市の指示により以蔵らに暗殺されたはずの吉田東洋が、暗殺されずに生きているといいう「改変された歴史」の中。

それどころか、対立しているはずの吉田東洋と武市が対立せず、武市が吉田東洋に従っている。以蔵もいる。

吉田東洋が何故か土佐勤王党の盟主となり恐怖政治?というか、土佐藩を完全掌握している。

これらすべての人間がみんな「改変された歴史」のなかの人物であり、いわば偽物。

そして本物の人間でもない。

東洋、武市、以蔵のことは設定がまるきり違うので偽物だなと間違わないのだけれど、坂本龍馬もまた偽史の中にいる偽物ということを物語を見ていてついつい忘れてしまう。

でもそうなのだ。そして出てくるその他の志士たちも人の姿をしていても人ではあらず。

だから「朧の志士たち」なのですね。

 

 

ゲーム同様、逃げ回るボスを捕えるためにわなを仕掛ける。

この「放棄された歴史」」のなかの土佐の街はまるで生きているかのように動く。

ボスを倒さなければ、この「歴史改変された世界」を止め消すことはできない。

ボスはいったいどこにいるのか、誰なのか?

 

「刀の延長線上に人がいる」と南海太郎朝尊は考えている。

人のうでの延長線上に刀があるのではないのだと。

 

 

そして新たな刀ステ独自設定が。

 

「歴史改変され、放棄された世界」が、正史のパラレルワールドとして存在しているのは、かつてその偽史が生まれるのを止めようとして力及ばず敗北し、折られてしまった刀剣男士がいるから。

 

後ろ姿の影のような男士たちの姿が舞台に浮かび上がる。

宗三、大倶利伽羅、陸奥守、山姥切国広、骨喰、日本号。

 

ううう……ショボーンショボーンショボーン

この6振りが一部隊で出陣して全滅したのか。

それともいろんな本丸から何度か出陣してきた部隊のうち、これだけの刀剣男士が破壊されてしまったということなのか。

 

審神者が鶴丸と小烏丸に命じた密命があるらしい。

それは具体的にはなんだったのか?

陸奥守を鍛えるということだったのかなと思うけれど。

陸奥守を坂本龍馬と対決させろということ?だったのかな?

 

「もっと物語を」「物語をおくれ」という謎の声……。その意味は?

 

そしてそして。

 

吉田東洋らに捕らえられた龍馬と陸奥守を救う、一体の謎の時間遡行軍。

何故、時間遡行軍が刀剣男士を救うのか。

それがなんとなく山姥切国広っぽいという……。

でももし、仮に山姥切国広だったとして、どうして時間遡行軍になっているのか。

助けるにしても、どうして陸奥守だけではなく偽物の龍馬も助けたのか。

 

しかし、やはりこの世界の坂本龍馬は偽物で、そして龍馬が「ボス」だった。

陸奥守は龍馬と戦う。

肥前は以蔵と、そして南海太郎朝尊は武市と刀を交える。

 

 

鶴丸は、この「放棄された世界」に、円環の謎を解き三日月宗近を助け出す何か手掛かりがあったりはしないだろうかと考えている。

ということは、三日月宗近は偽史の中の一つに閉じ込められているということなのだろうか?

 

龍馬と死闘を繰り広げ、窮地に陥った陸奥守を守るために、和泉守が落ちていた陸奥守の鉄砲を拾って龍馬を撃った。

 

最後に山姥切国広っぽい時間遡行軍は鶴丸に対しても「この物語に鶴丸が必要だ」と呟く。

そして「物語が必要だ、もっと強い物語が」という。

 

 

 

 

最後はやっぱり謎が謎を呼ぶ、いつも通りの刀ステのストーリー。

 

 

 

三毛猫三毛猫三毛猫

 

 

 

さて、どこから書いたらいいのかわからなくなるくらい今回も感想が盛りだくさんだ。

 

まずは刀剣たち。

 

陸奥守吉行、すっごいかっこいい。

何?あの驚異の身体能力びっくり すごかった。みごとです拍手拍手拍手

そして綺麗な筋肉ですね~ラブ

ステの陸奥守はメンタル強いね。そもそも陸奥守はそういうふうに描かれることがほとんどだけど、中でも一番強いというか、精神的強さに支えられた余裕が感じられるね。

明るさも正統派やし。

大好きになりました。

うちの本丸の陸奥守もあんな子だったらいいな。

 

そして兼さんと国広。

なんとまあ……すっごい美人さん。本物見てため息が出てしまいましたラブ

見た目は姫、だけど声も雰囲気もしっかり男なんだよね。

ミュの有澤兼さんの声が個人的にすごく好きなんだけど、彼のようなほんのりと甘い響きがない。

娘は「ゲームに近い声だね💛」というのだけど、どうなのかな?

私は有澤兼さんの声がゲーム云々を越えて好きすぎるので、判断が出来ないよ。

そして、刀ステの兼さんは国広のお兄ちゃんぽいなあと感じていたのだけれど、あとでプログラム読んだらキャストさんが兼さんの性格に「面倒見が良い」というのを上げてくれてて、そして兼さんの大人なところを表現したいって言ってくれてて、感激してしまった。

もう嬉しくてありがたくて。

そう、そう、そうなんだよ、そんな面倒見が良い大人の兼さんが見たかったのよ、私。

土方さんの愛刀で土方さんを写しているなら面倒見の良さって絶対あるはずなんだ。

「面倒見の良さ」だけ国広に丸投げしてしまっているキャラはとうらぶ二次なんかにもよくあるし、兼さんは一番若い刀剣だからってまるでガキなキャラ設定もよくあるんだけど、うちの本丸の兼さんはそうじゃないのだよ(という勝手な設定)

こういうのを解釈一致というのだろうか?

黙って立っていれば楚々とした美人さんなのに、口を開けば声といい思っていることといいすごい男前、ちゃんとした大人の男、そして仲間に目を配る面倒見の良さもある。

見た目とのギャップがある意味魅力の兼さん、いい感じかも。

ステの国広は弟キャラだなと感じたのだけど、キャストさんの経歴見に行ったらやっぱり思った通り国広がリアルに年下だし、兼さんはそもそもキャストさん自身が兄貴っぽい性格の人なのかもと思った。

ミュの有澤くんの兼さんも有澤くん自身の魅力がプラスに働いているすごく素敵な兼さんだと思う。

刀ステ兼さんも同様にキャストの田淵くんのいいところが役にプラスに乗ってる感じがして、この先楽しみな兼さんです。

 

鶴さんはもう、さすがですね。

私、この役者さんのノリとか笑いのツボがすごい好きなんですよ。
彼のアドリブ最高w

また帰ってきてくれて嬉しい。

染谷鶴丸も、健人鶴丸も両方それぞれに良いなあと思う。

この鶴丸役の二人は両方ともとても巧い役者さんだし、二人ともすごく好きです。

 

小烏丸の「刀剣の父」というくらい古い時代の刀だという設定とそのいでたち。

前の悲伝の時から思っていたのだけれど、小烏丸の刀ステのストーリーを俯瞰している感じ、すごくいいですね。

今回もそれが感じられて。

悲伝までの刀ステ本丸の「物語」を次のステップである「維伝」につなぐには、小烏丸と鶴丸を部隊に加えたのはさもありなんだなと深く頷きました。

 

さて、肥前忠広と南海太郎朝尊。

以蔵の肥前忠広は坂本龍馬、もしくはその兄から以蔵に渡った。諸説あり。

刀ステでは坂本龍馬が以蔵に渡した説でいくみたいです。

元々は坂本龍馬の刀、そして以蔵の刀となった肥前忠広。

もしかして陸奥守みたいな感じで顕現していた可能性もあるのか?とか。

以蔵の物語でのキャラは「頭はよくない。心も弱い。だが剣の腕が立つ」

肥前忠広はそれを模すのかと思ったが、「人斬り」というイメージだけをほんのりと模していたようだ。

以蔵の前の持ち主である坂本龍馬との関係は、この先どう表れていくのだろう?

 

持ち主を写していないといえば南海太郎朝尊も同じ。

武市半平太の刀と言われているが、武市との「物語」を持たない。

だからかな~、武市との共通の印象は全くなかった。

ゲームの南海先生の独特の雰囲気はとてもよく出ていたと思う。

 

でも今回、殺陣が本当にすごかった。

陸奥守もすごいが、以蔵役のキャストさん、ほんとにめちゃくちゃすごい。

腰がきっちり入っている本気の殺陣だ。

剣術習っている娘も「以蔵の人、本当に剣術を習ってるんちゃうやろか。あれは斬る剣だ。巧い」と言って唸っていた。

その以蔵と主に剣を交える肥前くん、めちゃ頑張ったのではないだろうか。

以蔵も肥前も「人斬りの剣」を意識した、無駄な動きをそぎ落とし最短で人を斬る的な速さのある殺陣だった。

こんな殺陣を見てしまったら、他の一般の舞台での殺陣では満足できなくなっちゃうなあ。

舞台に近い席だったからよけいに迫力を味わえたのかもしれない。

本当にすごく迫力があって素晴らしかったです。

 

 

 

ストーリーに関して。

 

 

これは全ては「朧」。はっきりしないもやもやとした世界。

いわゆる偽史の一つを刀剣男士が破壊したのだと、初見のあと私は思った。

 

面白かったと思えました。

いつも刀ステのストーリーは私にはちょっと難解で、一度見ただけでは「?」で、辻褄が合わない気がしたり、よくわからなかったという感想を持ちがちなのですが、今回は出てくる刀剣男士の人数が今回はいつもよりもぐっと少なくストーリーがあちこち飛ばなかったし、比較的わかりやすかったと思う。

見ている途中でしんどいなと思う点はなかった。

それとも私がこの脚本家さんの書かれるお話の造りに慣れたのかw

前作までの8作で見ている側に世界観の蓄積があり共有されているというのも、話がわかりやすく思えた理由だったかも。

それでもちゃんと新たな謎を伏線として仕込み、またその謎を多分次回作以降で掘り進めて、回収していくんだろうなと思われる仕掛けをちゃんと残してあると思えば、それもまた刀ステらしいのかも。

 

 

だけど、観終わってもう一度よく考えるとやっぱりいろいろわからないなと思ってしまう。

 

舞台の龍馬を思い出して思う。

刀ステの龍馬は絵にかいたような坂本龍馬だった。でも明らかに偽物だ。

そして、武市半平太ではなく吉田東洋が土佐勤王党の盟主になった歴史。

でもそうであれば、この歴史世界だと武市も以蔵も殺される理由がないはずなのだ。

なのに龍馬はどうして武市と以蔵を自分側に誘い、脱藩しようと誘うのかな?

そして、どうして「坂本龍馬を殺せ」ということになるの???

うーん、ちょっと辻褄が合わなくはないか?よくわからないと思った。

ああ、でも偽史だから辻褄が合っていないのか。それが偽史ってものか。そうか。

 

 

「もの」が語るから「ものがたり」

「刀の延長線上にひとがいる」

 

 

スクリーンの映像を使って説明された、正史のまわりにいくつも並行に走る偽史。

放棄された歴史。

 

これを見たとき、一番に思ったのは去年、日本の通史の決定版として発売された某書籍のこと。

ツイッター上やいろんなブログで多数の間違いが指摘されたが、そのほとんどが、この本はよく世の中で知られている「物語」をそのまま納得の得られる根拠もなく、もしくは近年の歴史学会では完全に否定されていることを「正史」としているという指摘だった。

昨今のSNSの世界では嘘であっても人の興味を引けばあっというまに世の中に広がっってしまう。

「物語」がいかにも「本当の歴史」のように世の中に広がり、あたかも「正史」のように世間に根ざしてしまうことに日本史研究者たちが不安を抱き、ついに黙って見過ごすのをやめて声を上げた。

 

歴史は人が作る。

そして「偽史」もまた人が作る。

 

 

これは「刀剣乱舞」という一介のコンテンツなわけで、ゲーム設定がデフォ。

だけど、「歴史を守る」という彼らの「守っている歴史」は本当に正しいのか?

やっぱりそこから私は完全に眼を逸らすことがどうしても出来ない。

こうやって「放棄された世界」を破壊するのなら、刀剣男士は彼らの「物語」に合わぬ「正史」が出てきたらどうするのだろう?

「刀の延長線上にひとがいる」ということは、主体は刀であり、人はサブということになるのか?

だから刀たちの意に添わぬ人間が出現したら、刀はその人間が元主であってもどうしても殺さねばならぬわけか。

 

「歴史を守るのが刀の本能」

では、歴史を守らぬ刀は刀ではないのか?という鶴丸のつぶやき。

 

歴史を守らぬ刀とは、時間遡行軍の刀たちのこと?

でも、この前の悲伝の「鵺とよばれる(=不如帰)」もまた、歴史を守らず、主の命を守ろうとしていた。

彼はいくつもの刀が合わさって混乱した状態のものだったけれど、その正体は刀ではないということなのかな?

うーん、わかんないな、やっぱり。

 

刀ステの世界観では刀剣男士が守るのを失敗した世界が存在し、それが「特命調査」だということがわかった。

だけどここでも鶴丸が気が付く。

どうしてわざわざ改変されてしまった世界に出陣するのか。

改変される前の地点に出撃し、そこで食い止めることが出来たなら、改変され放棄された世界はなくなるのではないのかと。

もっともだよ、鶴さん。

どうしてだろう。

だって、改変された世界には改変された偽物の元主がいて、その改変された世界の数が多ければ多いほど刀剣男士たちは何度も何度も元主の姿をした「朧」を討たねばななくなるわけで。

やっぱそれは元主を討つはめになる刀剣男士にとっては地獄ではないかと。

元を絶つほうがずっと楽だし合理的ではないか。

 

今回のこの「維伝 ~朧の志士たち~」だって、これが兼さんの話でなくて正直どんなにホッとしたことか。

たとえ「朧」であっても、やっぱり土方さんを討つ兼さんを私は見たくないのが本音だ。

 

途中、「朧」の吉田東洋と戦う兼さんは頭の中の記憶を覗かれ、新選組の後ろ姿がスクリーンに浮かび上がる。

白地のそろいの法被姿の土方さん。

 

……兼さんの記憶。

だけどそれは「正しい歴史」の記憶ではないよね。とうらぶ設定よね。

 

新選組ほど、たった150年前しか経っていないのに本当の姿を消されて物語の姿ばかりがもてはやされている歴史上の集団はないのではないか?

 

局中法度なんてない。浅葱のだんだらなんてほとんど着ていたことはない。

土方さんは浅葱なんでダサい色を着るのをものすごく嫌がって絶対着なかったという話まである。

それに土方さんは刀にこだわったりなんかしておらず、自分もピストルを持っていた。

大砲を使った銃撃戦の練習をいち早く取り入れたのも新選組だ。
武士になりたかったなんて大嘘だ。武士にならないかという誘いを二度も断っている。

なにより新選組はれっきとした攘夷集団だ。

喜んで京の市中見回りをしていたんじゃない。近藤さんは「攘夷させてくれないなら解散させてくれ」と幕府に手紙を書いたが、なだめられてしまったのだ。

蝦夷地に渡ったのも、新政府に対抗するためというよりも、必然だったのではとも思う。

 

偽物の新選組や土方さんは数え切れぬほどこの世に存在している。

 

そして、この刀ステの設定では、そんな山ほどいる「朧の土方さん」を兼さんは討ち続けなくてはならないということにならないか?

 

歴史を作るのは人間。

でも、歴史を歪めるのもまた人間。

 

「刀の延長線上に人がいる」か……。

そうかもしれないね。

本当の歴史のその場所にいて、それを未来に伝えることが出来るのは「人」ではない。

刀シネの三日月宗近のように、既に歪められた歴史を正すことが出来るのはその歴史の現場を見た「刀」だけなのかも。

 

 

劇中、とうらぶ設定にならい陸奥守に「鉄砲はいいぞ、刀の時代じゃない」と言われても鉄砲に手を出そうとしなかった兼さんが、陸奥守の大ピンチにとっさに鉄砲を拾って発砲して相手を倒した。

「使えるものを使っただけだ」と言って。

このシーンはすごくジーンときた。

ああ、土方さん……。

兼さん、それでこそ貴方は土方歳三の愛刀だと、なんかそんなふうに思えるシーンだった。

 

 

いずれ刀ステ兼さんは土方さんに出会うのかな。

会わないでほしいな、刀ステではショボーン

なんかそう思う。

 

最後、朧の龍馬が消えたあと龍馬の拳銃が残った。

 

今回のこの「朧の龍馬」を生んだのはもしかして龍馬の拳銃だったの?

そういえば前のシリーズで伊達の甲冑の付喪神が出て来たことがあったなあ。

甲冑も拳銃も「刀ではない」から正史を守らないで、元主の願望とかを反映させた間違った歴史を紡ごうとするの?

そういうことなの?

うーん、やっぱりわからない。

 

 

こうやって書いてみたら、やっぱりわからないことだらけのお話でしたねw

 

 

それと今回、パンフレットの中に、おそらく顕現順であろう刀ステ本丸の名簿らしきものが載りましたね。

初期刀が山姥切国広。

そして初鍛刀が小夜左文字。その次が五虎退。

五虎退は古株だったんだね。

三日月は意外と遅く顕現していた。

骨喰藤四郎と江雪左文字が二振り顕現しているけれど、一振り折ってしまったってことだろうか?

そういえば劇中で折られた刀剣の後ろ姿に骨喰もあったけれど。

 

※追記

 

あ、鶴丸も二振りいる。

え?

骨喰藤四郎、江雪左文字、鶴丸国永は刀ステではキャスト交代で二人いるよね?

え、え、え?

そうかそうか、そうなのかびっくり!!!!!!

これは驚き、そして感心してしまった。

そっか、これならキャストの入れ替えがあってもゲームと矛盾しないんだ!!!

う~ん、これは巧い。

すごい。すごいよ、このアイディア。

これ、刀ミュでもこうだったらいいな~。

そういう設定だったらキャストの入れ替えがあって推しが出演しなくても気持ちが救われますよね。

事実上卒業してしまっても、カンストしてしまったんだなって思うとか……ね。

 

いや、この設定はすごいわ(二回目)

 

そしてやっぱりあの声はまんばちゃんだったんですね。

パンフのクレジットを見たら名前がありました。

 

うわ~、なんだこれ?!

また新作がすごく気になるじゃないですかっ!!!

 

(追記終わり)

 

あと、今までの刀ステの物語を上演順ではなく内容の時系列で並べて書いた表があった。

そのページを初めて見たとき震えましたよ、怖くて。

だって、その表には四か所の消された箇所があったから。

四か所、消された物語があるということなの?

それとも逆に、これは消されたのではなく、まだ浮かび上がっていない物語があるということなのか?

 

 

ということで、まだまだ刀ステは続いていくぞ的なアピールが沢山入った「維伝」でした。

 

 

 

 

あと、会場の感想を。

 

東京ドームシティーホールは約2300席

AiiA 2.5 Theater Kobe は約800席

 

東京ドームシティーホールは、刀ミュ「結び~」を上演した梅田の芸術劇場メインホールのキャパを越えた大きい箱だったんですね。

前の方だったというのもありますが、その広さを感じさせないくらいの迫力がある殺陣、そして豪快に動き組変わる大道具の面白さがありました。

 

その演出が、約三分の一のキャパになる神戸ではどうなるんだろうと思っていましたが、意外と小劇場演劇っぽい雰囲気をも醸し出したりして、大道具の組み換えや、演技の大きさもうまくコンパクトに収めたなあと思いました。

 

ただ、AiiA 2.5 Theater Kobe のホールは、ちょっとあんまり好きじゃないな。

このホールは以前は「新神戸オリエンタル劇場」という名前で、内装と名前を変えて新規オープンしたわけですが、以前は668席だったのを808席まで増やしている。

そのせいでしょうか、席と席との間の通路が狭すぎる。席も小さめ。

奥の席に行くのに、先に座っている人に当たらずには通れない。

2.5次元のお客さんはグッズ買う人が大半だし、トレーディングなんかで元々荷物が多い人が多いうえに冬だとコートなんかもみんな持っているので、もうすっごい狭く感じます。

それと、東京ドームシティーホールでもちょっと感じましたが、AiiA 2.5 Theater Kobeは前の席との段差が低いので、前に背が高い人が座るともう駄目です。

今回、席的には良い方のはずが、不運にも前の方が背が高くて、かなり見えづらかった。

最近の新しいホールは座席を列でずらして重ならないようにしているところがほとんどだと思うのに、改装してこれなのかと思うとちょっとがっかり。

あと、トイレがちょっと問題なのでは?休憩時間にトイレに行くのが大混雑で大変。

トイレ不足なのか劇場の外のトイレにも使ってくださいと案内があるけども。

 

それに周囲にちょっと気軽に入れるティールームみたいなところがほとんどない。

カレー屋さんとかとんかつ屋さんとかがあったけど、そんなの食べている場合じゃないし。

新幹線の新神戸駅すぐそばなのでそれなりにお茶できるお店があると思っていただけに、寂れ具合(←)にビックリ、ガッカリでした。

飲食のフロアのトイレも数が少なくて激混みでした。

 

大阪のブリーゼとかシアター・ドラマシティーとかのほうが断然いいなあ。

まあ、周囲よりなにより、一番あかんのはやっぱり通路と椅子の狭さかな。

このホールでしか上演されないんだから我慢するしかないけれど。

 

来春の刀ミュも関西はこのホールのみダウンダウンダウン

上演期間も短いし、チケ取れるんだろうか……ショボーンショボーンショボーン

 

不安だ……。

 

 

まあ、それはおいといて。

 

 

さあ!次は刀ミュ 歌合!

 

福岡遠征、張り切っていくぞっ!