絶対真似してはいけないタカラヅカ観劇 | 雪の上に照れる月夜に梅の花

雪の上に照れる月夜に梅の花

雪月花の時 最も君を想う…土方歳三、新選組、薄桜鬼大好き

 

関西は台風で大きな被害が出ているようですね。

そして今朝の北海道地震。
被害地域のみなさんはとても怖い思いをされ、そして今も不安な思いをされていることと思います。

これ以上の被害が起こらないことを祈っています。

 

 

 

さて、そんな台風の中、タカラヅカの「Thunderbolt Fantasy」を梅田芸術劇場まであきらめきれずに観に行った阿呆は私です。

9月4日の16時30分開演のソワレを観てまいりました。

 

 

公演があるのかないのかの判断は当日の朝9時半までに劇場HPに上げると劇場アカからtweetがあったので待っていたら、9時半の時点で「マチネは予定通り、ソワレは今のところ定刻開演の予定だが正午をメドにもう一度判断する」ということでした。

しかし12時の判断を待っていては電車が止まって大阪まで出られなくなっていることは確実。

これは、行くか行かないか自分が今判断するしかない。

てか、普通は行かない判断をするのがまともな判断というものでしょう。

でも、その時点ではまだ雨も降っておらず、風もほとんどなかった。

今のうちに大阪に出てしまえば、あとはソワレを観ている間に台風は通り過ぎ、電車が止まってもその日のうちに復旧すると思ったんですよね。

万が一、復旧せず帰れなくなり近隣のホテルも満室で泊れない事態になっても、比較的劇場に近いところにある父の会社の事務所兼居宅に泊まれるというアテもあった。

だから、雨が降らないうちに行くことにしました。

 

 

お昼前に梅田に到着。そのころには雨が降り出し、台風っぽい横風が少し吹き始めていました。

しかし梅田はデパートが休業なのはニュースで知っていましたが地下街も9割がた臨時休業。
……なんかこのあたりからいつもと違う台風の雰囲気を感じ始める。(遅い!)

まだまだソワレまで時間はあるけれど、悪天候の最中に外を徒歩で移動するのは避けたかったので、今のうちにすぐに劇場の方へ向かう。

劇場横の商業施設のレストランで時間を潰すつもりが、そこもほぼ臨時休業。スタバまでお休み。

しょうがないので阪急インターナショナルホテルのカフェに。
さすがにホテルは営業していました。

ランチの時間だというのにガラガラのビュッフェコーナーを横目で眺めつつ、ビュッフェ食べるほどでもないのでラウンジのランチセットを。

のんびりと食事をし、スマホいじりながら大きなガラス窓から見える風雨がなんだか急にえらく酷くなったように見えるなあと思った頃……14時くらいかな?……から宿泊客が徐々に戻ってきたのか、少し混んで来た。
今から思えばこの頃、台風21号は神戸に再上陸していて、人がホテルに逃げ込んできたのかも。

だけどホテルは停電することもなく、大きなビルなので雨の音も風の音も何も聞こえないし、静かにピアノが流れていて、なんだか台風というのが嘘みたいな空間。

すごく呑気な話なのですが、世間が大変なことになっているのを私はほとんど知らなかったのです。

でも、何度スマホで検索してもなかなかリアルタイムでの台風状況のニュースが引っかからず、特に自宅周辺のニュースなんて全く分からなかった。

情報が全くないということに対して少々不安になり始めるほどに。

 

あとから友達に、災害時は「NHK防災アプリ」がいいと教えられました。

インストールしておけばNHKの流す情報やニュースがスマホで見られます。

これ、いいですよ。オススメです。

自治体がHPやTwitterで発信する細かい情報も必要ですが、近畿全域や四国の情報とか、台風の現在地とかをリアルタイムで知ろうと思うとやっぱりNHKのニュースが一番わかりやすい気がします。
 

 

ということで、台風で何が起こっているのか知らぬまま、タカラヅカ観劇。

 

 

座席埋まり具合は七割ほど。

結構みんな来てる印象。
 

 

ロビーに布袋劇のお人形が!!!

 

 

ああああああ、このお人形、ずっと見てみたかったの。本当にうれしい!綺麗だ~♬

 

 

 

大好きな殤不患。そして蔑天骸もいた。

 

 

さて。

ヅカファンとサンファン好きの両方が楽しめる舞台であるかどうか。

テレビでワンクール使ったお話が、一本立てではなく、第二部に全然別のレビューがあることを知った時に感じた私の不安。

あのストーリーを二時間くらいにまとめられるのか?

 

 

結果的に言うと、シナリオは端折った場面が多いのはしょうがないですが、端折ったのを不満に思わないくらい上手くまとめてありました!

思い切って途中をすっぱり抜いて最初の出会いと最後の結末のところ中心にして矛盾なくわかりやすく描いていました。
話の大事なエキスと言いたいこと、各キャラのらしさを表す部分をすごく上手く吸い上げてシンプルにまとめていました。

さすがはタカラヅカの脚本家。力のある方だと思った。

 

このタカラヅカの脚本家さんは、刀ミュや刀ステの脚本家さんとは真逆の作業をしているわけだよなあと思いました。

刀ステの難解さや複雑さと比べたら本当にすっきりとわかりやすいストーリーにしてあってちょっと驚いた。

というか、わかりやすいストーリーと比較的単純な台詞なのに、そこにそのキャラの「らしさ」を乗せられるのは役者さんの力なのかなあと、ふと思った。

 

トップ男役の紅ゆずるさんの凜雪鴉と、七海ひろきさんの殤不患。

凜雪鴉のCV鳥海さんと殤不患のCV諏訪部さんの話す雰囲気をちゃんと拾ってくださっていて、サンファンだからと観に来たものも満足できて、すごく素敵。

そして衣装の再現が完璧。

さすがはタカラヅカと唸りました。

 

歌もダンスも演技も完璧。

だけど……。

 

10年くらい前に久々にタカラヅカ観たときよりも感動が薄いのは何故だろうと考えて、思い至る。

 

刀ミュ・刀ステを生で観てしまったからだ……。

 

本物のオトコのすっーーーーーっごい綺麗なヤツを観てしまったからや……。

 

ヅカの男役さんの身長を低く感じたのは、絶対、この同じ劇場で有澤兼さんを生で見てしまったせい。

女性の声と男性の声の違いを思ったのも、刀ミュで歌が素敵だと思う役者さんができちゃったせい。

 

有澤兼さんの身長、頭の小ささ、腰の細さ、足の長さ、そしてあの声の質……。

……持って生まれたものってすごいですよね……。

だからこそ有澤君、ボイトレとダンスの練習をますます頑張って欲しいと思ったな。

 

あと殺陣も、刀ミュ刀ステの殺陣の力強さと切れの良さを見慣れちゃっている自分に気が付く。

ダンス要素が強い?刀で撫でている感じで、あれじゃ殺せないなと思っちゃったり。

 

しかしヒロインの丹翡の可愛らしさよ……。

丹翡役の綺咲愛理さん、めちゃくちゃ可愛い。

目が大きくてクリクリとしていて、そして腰がすっごい細くてドレスがめちゃくちゃよく似合う。

ドレスのウエストを見て綺麗だとあんなに感激したのは、いにしえの映画の「風と共に去りぬ」のスカーレット・オハラ役のヴィヴァン・リーを初めて見たとき以来だ。

布袋人形を越えるかわいらしさでした。

ファンになってしまった音譜

 

あと、出番は少ないのだけど、殺無生かっこいいよね。
衣装デザインがかなり好きです。

舞台でもすごくよく映えて綺麗だと思った。

 

 

人形劇のお人形では、デザインやお顔、キャラも含めて丹翡の兄の丹衡が私は一番好きだったんですよね。

序盤で殺されてしまって残念だったキャラ。

でも絶対削れないシーンなので、また丹衡に会えてうれしかったよ。

 

主なキャスト6人で「RAIMRI」を歌ってくれたのはもうすごくすごくすごく良かった!!!笑い泣き

めちゃくちゃかっこいいっ!

ある意味、一番の見せ場だよね、あれは。

さすがタカラヅカだと唸りました。

ありがとう、タカラヅカ!

 

 

満足したサンファン。第二部のレビューのあいだの休憩時間。

 

 

ロビーに出たらみんなすごい電話してて、そこで電話している人の声を漏れ聞いて大阪が大変なことになっていることを初めて知りました。

 

瓦が飛ぶ、信号機が死んでる、停電……。

 

 

タカラヅカの舞台は光が溢れていた。

 

だから第二部のレビューは感慨深く、しみじみと堪能しました。

それと同時に、昔、阪神淡路大震災のことを思い出した。
私はたいして被災はしなかったのだけど、あの地震のあとでタカラヅカを観たとき、この光あふれる舞台をフツーにまた観られる幸せを思った。

そして、今年、関西の地震による交通マヒの中でも上演された京都での刀ステ、水害の恐れで中止された福岡での刀ステに想いを馳せてしまいました。

 

災害の最中に開演すること、開演しないこと。

 

どちらが正しいかなんて単純には決められない。

劇場関係者の上演するかどううかの決定の苦悩を思いました。

 

そりゃ、人命が一番大事だということは自明のことですけどね。

 

 

久々のタカラヅカ観劇だったのでびっくりしたのですが、ファンサがあるんですね!

そしてトップさんのMCコーナーがあるというのも知らなくて驚きました。

今回の星組のトップの紅ゆずるさんは大阪出身なんですね。
ノリが関西で、客席のファンとのやりとりをすごく気さくに拾っていらっしゃったのが印象的。

こんなタカラヅカのトップ、初めて見た。

これはファンの方は嬉しくてたまらないでしょうね。

「この台風の中、この場に来て下さったあなた方は勇者だ」と何度もおっしゃっていましたが、いやいやいや、褒められたことではないからw

でも、観に来てくれてありがとうという気持ちはすごくすごく感じました。

 

懐かしのベルばらの曲も一曲入っていた第二部も終わって終演。

劇場から、地下にあるシアター・ドラマシティーを帰れない人たちの待機場所に開放するという案内が。

 

地下鉄のごく一部以外、電車が全部止まっていた。

一旦、私もシアター・ドラマシティーに行きました。
交通機関情報、近場で営業中のレストラン・コンビニ情報等をホワイトボードで提供してくれていてとても親切だと思った。

食事に行った人が多かったのか、意外と人は少ない。

それと、シアター・ドラマシティーはスマホの電波が弱くて。

暫く待機しましたが、会社の事務所までの交通機関は既に動いていたので、すぐ出ました。

 

途中、タクシー乗り場を通りましたが、どこまで続いているのか終わりが見えないほどのものすごい人の列でびっくり。

神戸方面行きの私鉄がまだ全く動いていなかったからかも。

でももう風も雨もなくて、梅田界隈は電車が動いていないだけで停電もなくて、なんだかフツーだった。

 

事務所は電気もついたし、エアコンも使えたし、途中のコンビニで買ったお茶を飲みつつ30分ほど時間をつぶしていたら、家までの鉄道が再開されたので即帰りました。

 

 

帰り着いて、特に家の周りには変化はなかったけれど、いつもは私の足音(?)で察して玄関まで迎えに出てきてくれるにゃんこが出てこない。

部屋に電気をつけて探したら、ピアノの椅子の下に隠れていたようで、のそのそ出てきました。

ごめんよ。台風の中、一人ぼっちで怖かったんだね。

私も家に帰り着いてにゃんこの顔見てやっと心からホッと出来たみたいで、急にお腹がすきました。

 

 

 

自分でも今回のタカラヅカ観劇は無謀だったと思う。

台風襲来のあいだずっと大きなホテルと劇場にいたことで台風が来ているという実感を全く感じずに過ごしてしまいましたが、それはものすごいラッキーだったと思います。

 

だから、真似しないでください。

 

私が決行したのは、私なりにある程度の見通しがあったから。
 

・今回の台風が、その直前の台風と予想コースが似ていたこと。

 前の台風のとき、多分地形の問題だと思うのですが自宅周辺は風も雨も全くたいしたことがなかった。

・台風が本格的に来る前に劇場まで行けること、そして帰りには台風は通り過ぎていると予測できたこと。

・劇場周辺に土地勘があり、公共交通機関を使わず歩いて行ける範囲に実父の会社の事務所があって居室やキッチン、お風呂もあるので、公共交通機関が復旧せずホテルも満室で泊まれなくても、最悪居る場所があったこと。

・家族が出張等で関西にはおらず、家族の心配をする必要がなかったこと。(猫だけ心配だったけど)

 

 

 

だけど、こんなに酷い台風だとは全く思ってもいませんでした。これほどの被害は初めてです。
今もまだ、大阪の南部や和歌山は停電中のようですショボーンショボーンショボーン

 

 

雨が降ってきました。

 

 

今年の夏は猛暑、大雨、そして台風、地震。
農作物への打撃も大きいみたいです。

 

 

 

もう何も起こりませんように。

 

 

強く願います。