介護の授業が始まって日本とはここはちがうなと思ったことを書きます。

 

 

 

オーストラリアでは国で決められたノーリフトポリシー"No Lift Policy"というものがあり、人が人を人力で運ぶことは禁止されています。

 

基本的にはその人のケアプランに定められいる相応しいdeviceを使うことになっていて、移乗動作の際は「リフト」を使って、「二人以上」の職員で「安全に」行うことが鉄則になっています。

 

リフトもスタンディングマシーンもスライディングシートもスライディングボードも病院や施設では当たり前に使われていて、リフトについては1患者につき3スリングを準備するようにするということも授業で習いました。

 

私が日本の特養でOTとして働いていた時に、何度も施設や介護職に移乗補助具の提案をしましたが、経営者に受け入れてもらうのに1年かかり、用具の導入が決まってからも職員が面倒くさがって使用が定着しなかったことを思い起こすと・・・国が異なるとこんなに違うもんか!と言いたくなりました。

 

 

 

 

授業のかなり最初の方からすでに床走行式のリフトの使い方を教わったのは衝撃でした。

 

日本よりも、仕事をするに当たって介護職 (suppot worker とかcarer といいます)の身体が守られているのがオーストラリアです。

>感染予防や腰痛予防についての理解を強調して教わりました。

 

また、高齢者と関わるときには個人の尊厳や選択を守り、リスペクトを第一に考えること、介護職の職業義務として、高齢者に痛みを感じさせないこと、自分の考えを押し付けないことを繰り返し学びました。

 

オーストラリアが多民族国家であることもあり、合理的で分かりやすい基準を設けることは、入り混じった民族が共存していくために必要なことなのかもしれません。

 

認知症高齢者に対する理解についても、前向きな対応の仕方が提案されているように思います。ケアする人間のストレスマネジメントを重要視するところもいいなと思いました。

 

もちろん、現場では学校で習ったこととは異なることも少しあると思いますが、こちらで介護職として実際に働いている日本人の先輩方に聞いたところ、概ねその通り行われているそうです。