龍神様 | 何処にも売っていない、藍染め作品集。

去年の3月下旬頃、浅草のアミューズミュージアムの店頭で

龍神Tシャツを販売していた。

 

水色のニット帽を被ったお爺さまが、龍神Tシャツを始め、

2、3点のTシャツをどどっと買われて行かれた。

梱包しようとすると、そのままでいい、沖縄へ宅急便で送るからと言われた。

 

そして、ミュージアムは閉館し、心に穴が空いた。

ここでしか売っていない、何処にも無いもの。

その唯一の売り場だった。

 

年が明け、ネットショプ経由で、住職が浅草で買ったTシャツをオーダー出来ますか。

というお問い合わせが入った。写真を送れば、染めてもらえますか。と

 

ネットからのお問い合わせは初めてだった。それも浅草繋がり。金竜山。

 

もちろん、対応させて頂きます!

ありがとうございます。と頭を下げた。

 

ただ染める場所が無い。

家の庭でまた染めるか。寒い冬に出来るのか。

仕事と出展の合間に、藍を建てて、染めた。

 

やり始めたら、あっという間の出来事。

楽しくてしょうがなかった。

誰かの為に、また染める事が出来る幸せと、

自分が一番カッコいいと思った、龍のオーダーだ。

生半可な気持ちでは染められない強敵。

 

狩野探幽の八方睨みの龍。

 

染め上がると、また違う味が出た。

 

龍神様のお出ましをお祝いするかの様な濃い藍の悪戯。

筆書きの様な紋様。

意図しない所で、何かが動いている。

 

失敗と見るか、神秘と読むか。

それは、その人の心意気。

伝わるのかどうか。

 

龍は人の心を見抜くのかもしれない。

 

千変万化

 

この地球の空の様に、人の心も漂っている。

そして、また還ってくる。

 

 

ブルーハンズ