伝統の世界で、 | 何処にも売っていない、藍染め作品集。

 

白鳳が1048勝と。勝ち負けの世界は、厳しいからこそ、みんなが賞賛する。伝統工芸の世界は、地味で人目をさけた作業が粛々と行われている。この世界観は対比する事ではない。しかしながら、伝統という形が決まった中での創意工夫。そこには、同じ精神が息づいている。

 

日々同じ鍛錬をしながら、内容や技術の向上を目指し、黙々と作業をこなしてく。何気ない作業の繰り返しが、ふとした違いに敏感になっていく。例えば、伸子をかう作業。反物の後ろに伸子と呼ばれる竹の針を刺して行くのだが、一反でどの位の伸子が必要なのか、ひとつかみで大体分る様になってくる。

 

折り畳んだ反物の長さが、ひとつかみで、大体分る分ってくる。そうやって作業していくと、今日の仕事は何時に終わるのか、大体分る様になってくる。お天気さえ順調に晴れていてくれれば。ちょっとした違い、計算ではない感覚の世界。そこには、色んなシンクロの神が現れてくる。

 

例えば、人との遭遇。同じ職場の人と何処かで集合となると、集合前に、車で前後ろを走っていたりする。時間の感覚や動きが、ぴったとくる。熟練の人との仕事となると、ほぼ会話は入らない。大体その人が何をしたいのかが、ぴたっと分るから、それをピタッとこなす。

 

阿吽の呼吸。今は暑いから、本当にそれが無いと、大変。今日は、おはようございます。と呟いて、お疲れ様です〜と、呟いて、帰って来た。それ以外に、お昼ですよ〜。はい〜と。あと何か話したかな〜。と。無口も程々にしないとな〜と、思ってはいるんですが。どうもそれが、気質なようで。

 

こんな日もあったなーと。

雪。

 

bluehands.