牡丹字。 | 何処にも売っていない、藍染め作品集。

何処にも売っていない、藍染め作品。

ぼたんじ。地名や町名、縁起を担いだ文字
等を、牡丹の花のようにデザインした飾り
文字の事。この牡丹字、祭り半纏では良く
使われる伝統的な紋様で、粋な江戸っ子た
ちの背中にいなせな華を咲かせています。


何時、誰が、牡丹字を考えたのか分りませ
んが、紋様の背景を想像するのは面白いも
のです。例えば、今年の五穀豊穣を願った
人々が、牡丹の大輪の花にげんを担ぎ、地
名等を丸くデザインしていったとか、高嶺
の花であったとも言われる牡丹の花から、
自分たちの町名や屋号が祭りの華となるよ
うに粋がったとか。

何処にも売っていない、藍染め作品。


何処にも売っていない、藍染め作品。

または江戸っ子たちが、4月から5月に咲く
春牡丹を見て、”威勢良く咲いとるやんけ。
こりゃ、祭りにはうってつけやっ。”と声を
上げ、自分たちの屋号を牡丹の花のように
染め抜いてくれやと、無理難題を染め屋に
押し付けたとか。


何処にも売っていない、藍染め作品。


いずれにしても、牡丹は、数多くの家紋と
しても残っている上、狩野山楽や葛飾北斎
といった文人墨客たちも、その姿を描いて
います。「牡丹散って、うちかさなりぬ 
二三方」と詠ったのは、俳句の巨匠、与謝
蕪村。それほど多くの人たちを魅了した牡
丹の花は、何かしらの力を秘めているのか
もしれません。


そんな牡丹。東京周辺では、西新井大師が
見所というお話。祭りの熱も冷めた頃、散
った牡丹でも見学に行くのも、乙かなと。


●牡丹字をあしらった半纏のご相談は、
とある染工場まで、どうぞ。