希望の証 10 | 蒼のエルフの庭

蒼のエルフの庭

蒼の方への愛を叫んでおります
主に腐小説中心の妄想部屋でございます
ご理解いただける方のみお入りください
(男性の方のご入室はお断りいたします)

光の輪の前、眩しくて目を閉じて

恐々と空ければ松岡邸の楠の横

 

「くすのきのじいちゃん いっちぇきちゃ!」

 

『お帰り、オオちゃんにはあえたのか?』

 

「あえなかっちゃの!」

 

楠との会話を想像するしかないが

さとちの声は不安げではなく

むしろ明るい

やっぱり会話してる様子だったのは

間違いではなく

相手はオオちゃんだと確信する

 

『会えなかったのか 

 それは困ったなあ

 手がかりが無くなってしまった ・・・』

 

「あおのもりにいったんじゃって ・・・

 しょうせんせいが いっちぇた」

 

『蒼の森か ・・・ 蒼ちゃんが居ないと入れないな』

 

「うん ・・・ だから ・・・

 おいらはおいらができることをするの ・・・」

 

『ほお ・・・ 何をするんじゃ?』

 

「いっぱいあそぶの!」

 

『あそぶ?』

 

「そう、いっぱいえがおにちてあげるの!」

 

さとちの答えから想像して

オオちゃんからは

赤ちゃんと遊ぶように言われたようだ

 

『だれとじゃ?』

 

「あかちゃん!

 こんど、おさんぽにつれちぇくるからね」

 

既に赤ちゃんと遊ぶことを優先したいのか

直ぐにでも帰りたそうな雰囲気を醸し出してる

ここはきちんとお礼を言って帰らないと

 

社長、姿勢を正して

楠の正面に立って

 

「楠さん、ありがとうございました

 このままお店に戻ります

 また、何かあったらお願いします」

 

深々とお辞儀をする

その様子を見て

さとちも慌ててペコリとお辞儀をした

 

『蒼ちゃんが見つかったら教えておくれ』

 

「あおちゃんがみつかっちぇら、おちえてって」

 

「直ぐに伝えに来ます

 それでは、失礼します」

 

「じいちゃん まちゃね」

 

『ああ、またな!』

 

楠の元を離れ

紅玉に続く地下道を歩いていく

 

「チビちゃん ・・・ おおちゃんとお話した?」

 

前を飛んでいたさとちがその場で止まったまま振り向く

 

「どうちてそうおもっちゃの?」

 

「チビちゃんと蒼の扉の部屋に入った時の事

 思い出したんだ ・・・

 大ちゃんの声が聞こえた時の

 安心したような表情をしてたから ・・・」

 

「しゃちょうしゃんは、おいらのヒーローしゃんだから

 おちえても、ちかられないよね」

 

「俺は言わない!」

 

「おおちゃんとオオちゃんはどうかちたんだって

 そんで、ちかいうちにきちぇくれるっちぇ

 それまでは あかちゃんとあそんであげちぇった

 あのこには、それがひつようなんだっちぇ」

 

「蒼ちゃんは?」

 

「ちゃんともどっちぇくるっちぇ

 だから、まっちぇてあげなさいって」

 

大ちゃんと彼は同化した

としても ・・・ 大ちゃんに戻ったわけではない

多分 ・・・ 今の彼はやっぱり原初の神に近いのだろう

そうでなければ、さとちの声を聴いたら

直ぐに跳んでくるはず

 

 

ん?直ぐに飛んでくる ・・・

それは蒼ちゃんも同じのはず ・・・

 

 

 

う~ん ・・・ あり得ないだろう ・・・

でも ・・・ 彼ならやりそうな ・・・

確信が持てない ・・・

 

もしそうなら ・・・ 

なにか意味があるんだろう ・・・

そこは俺には分からないな

 

 

それより ・・・ 気になってたことを一つ聞かないと

 

「チビちゃん、さっきの緋~ちゃんの話だけど ・・・

 蒼ちゃんがどうのって言ってたよね?」

 

「ほえ?なんのはなち?」

 

「蒼ちゃんを失いかけたって ・・・」

 

その言葉で悲しそうな顔をする

 

「そうなの ・・・ ひ~ちゃんがひとだっちゃころのことなの」

 

「俺たちが跳んだ時代より前ってことだね」

 

「とんださきのひ~ちゃんは えるふしゃんだっちゃ?」

 

「ああ、緋のエルフだったよ」

 

「しょうなんだ ・・・ むかち ・・・

 えるふのくにとひとのくにをへだちぇる

 けっかいが よわくなっちゃときがあっちゃの

 そのとき あおちゃんは ぜんぶのちからをつかっちぇ

 けっかいをかけなおちたの ・・・

 そんで そのまま ・・・ なんにちも

 いちきがもどらなくちぇ ・・・ たいへんだっちゃんだっちぇ

 そのときのこと おもいだすだけで

 こわくなるっちぇ ひ~ちゃん ・・・ いっちぇた」

 

そういう事か ・・・

光を失う怖さを知っている ・・・

だから、あんなに不安なんだ ・・・

 

「じゃあ、緋~ちゃんに言わなくていいの?」

 

「うん、いわなくちぇいいっちぇ ・・・

 それから ・・・ かずしゃんにきちぇもらわないと ・・・」

 

「それも大ちゃんの指示?」

 

「カギなんだっちぇ ・・・ 

 どうちてかはわかんないけど」

 

そこはちびちゃんも

全く予測できないようで

首を傾げた

 

「元々、紅玉は

 蒼さんと和さん二人だったからかな」

 

「しょうなの?」

 

明治の時代に会いに行った時

紅玉には二人しかいなかった

まだ少年の面影を残した和さんと

不愛想で陰のある蒼さん

松岡の爺さんが居なかったら

話も出来なかったと思う

 

 

そう言えば ・・・ 

 

 

「さとしく~ん ・・・ さとしく~ん

 そこにいるの?」

 

「あ!しょうくんだ!」

 

扉を挟んだ紅玉側から

しょう君の声が聞こえた

 

「しょうくん、あけるからまっちぇて」

 

そう言って社長に開けての合図

 

「ハイハイ、開けますよ

 そうだ、おちびちゃん

 暫く寝泊まりさせてもらうよ」

 

「もちろんなの!」

 

一体どれくらい続くんだろう?

まあ、なる様にしかならないけど ・・・

 

 

神様の考えることは

全く想像できないけど

取りあえず蒼ちゃんが戻るまでだな

 

 

 

 

 

 

<続きます>

 

 

今回のお話のベースになってる話は

別部屋の『Ray  of  hope 』です

ブログを始めた頃に書いたお話で

とても拙いお話ですが

お読みいただければと思います

ただ、すごく長いです💦

 

yayosato