今日に限って残業で
慌てて駆け込む駅前の小さなケーキ屋さん。
「す‥すいません‥っ」
『いらっしゃいませ、
お待ちしておりました。』
私が前もって注文していた
小さなバースディケーキは
閉店直前のショーケースに
ポツンとひとつ 取り残されていた。
じっとケーキを見つめる。
待たせてごめんね。
『文字はこちらでよろしいですか?』
少し照れながら頷く。
そのケーキを手に彼の家へ。
インターホンを押すと勢いよくドアが開いた。
「どっ‥どうしたん?!こんな時間に‥」
「遅くにごめんね。」
「いや、俺はえぇけど、びっくりしたわ‥
とりあえず入って。」
中に入ってドアを閉める。
「これ‥」
「えっ、なにこれ?俺に?」
彼はケーキを受け取ると
そーっと箱を開けて覗いた。
「え‥ほんまに?」
「‥‥うん///」
「ほんまにほんま?」
「‥‥うん///」
すると彼は私の体を引き寄せ
思いっきり抱きしめた。
「めちゃ嬉しい‥」
私の耳元で感慨深げにつぶやく彼。
「ちょっ、ケーキ‥つぶれちゃう‥」
「あ、ごめん、めっちゃ嬉かったから、つい‥
じゃあ、一緒に食べようや、上がって。」
テーブルの上には
彼が入れた紅茶と
小さなバースディケーキ。
チョコのプレートには
【 待たせてごめんね 】の文字
「こんなこと書いてるバースディケーキ
初めてもらったわ(笑)」
あらためて言われると
なんだか急に恥ずかしくなって
うつ向いてしまった。
「付き合ってって言うてから
返事聞くまで長かったわ‥」

私の顔を除きこむ。
「頼りない俺やけど
これからもずっとそばにいて‥」
大きな手が私の頬に触れて
驚いて顔上げると
その瞬間、彼と私の唇が重なった。
【END】
大倉くん、お誕生日おめでとう。
ピュアなあなたが大好きです。