「それはもう‥
俺が嫌いになったってこと‥?」
私のほうから別れを切り出す。
ううん‥
違う‥
今でも大好き‥
‥って心の中で叫びながら
口を開く。
うん‥ごめんね‥
数秒間の沈黙の後に
寂しい顔をして言った。
「お前はもう
俺の手を握ってないねんな‥」
それから半年。
夏の終わりの海。
いつも忙しい彼が
仕事が早く終わった日には
必ず車を飛ばして連れてきてくれたこの海。
「夕日が綺麗やなぁ‥」って
人もまばらな砂浜で
日が沈ずむのを眺めた。
ふたりで眺めた夕日が
今日も沈んでいく‥
ある程度の覚悟はしてたのに
こんなにも辛いことだなんて‥
彼との出逢いは
私の人生の中で
一番大切な出逢いだったのに
自ら手を離してしまった‥
膝から崩れ落ちて、
その場にしゃがみ込む。
涙でぐちゃぐちゃの顔を
両手で覆った。
「なに無理してんねん。」
後ろから声がした。
半年ぶりに聞く
忘れたくても忘れられない声。
「無理してんのは俺か‥」
彼が横に並ぶようにしゃがむ。
「大丈夫か‥?」
恐る恐る私は顔を上げた。
なんで‥?
「‥ん?」
なんでここに‥?
「なんでって‥
別れてから何回か来てたんやで。
ここはお前が感じられる場所やから‥
って、なんか俺、女々しいなぁ‥」
苦笑いしながら答える彼。
「でも、女々しくてもちゃんと言うわ。」
「また、前みたいに
俺のそばにいてくれへんか?」
えっ‥でも‥。
「お前がおらんかったら
どうにかなってまいそうや‥」
黙って彼を見つめる。
「だから‥な?」
うん‥ごめんねぇ‥。
「なんで謝んねん。」
そして、思いっきり私を抱きしめる。
「もう2度と離さんからな‥」
彼の顔が近づく。
と、同時に吹き出した。
「顔、ぐちゃぐちゃやん(笑)」
少し拗ねて彼を突き放した。
「まぁ、そんな顔のお前も
好きやからしゃあないけどな。」
そう言って
最高の笑顔を見せたあと
私の涙をそっと拭った。
‥からの
産みの苦しみです‥投稿



