“探し物からひとつかみ!” 『ワンス ア フール』高橋幸宏
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探し物からひとつかみ!
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今日は高橋幸宏さんの誕生日です!
おめでとうございます
幸宏さんに関する記事は、何にしようかなぁと思ったけど、
幸宏さんのソロアルバムから、
大好きなこのアルバムを選びました。
(記事、間に合ってよかった~~!)
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まず、幸宏さんについて書かせて下さい。
(高橋)幸宏さんがよくYMOの話をする時に
、
細野(晴臣)さんのことを“触(さわ)れる天才”とおっしゃってます、
また、
“僕は太鼓持ちですから”
みたいに、ご自身がドラマーであることをかけて幸宏さんご自身と細野さんと教授(坂本龍一)との関係を話されてます。
幸宏さんの謙遜とジョークもあるのでしょうが、
たしかに、実際、幸宏さんがいなかったら細野さんと教授の繋がりは、YMO当時、非常に危ういものだったのもファンとして、感覚的に理解できます。
これは毎回書いてるように、
教授と細野さんが仲が悪いとかではなく、音楽家としてお互いに尊敬の念があるんだけとも、その上で・・・の話。
例えば、YMOのレコーディング(再生YMOからではなく、84年の散開までのYMO)において、
3人合わせてのレコーディングを除くと、細野さんと幸宏さんという組み合わせ、あるいは教授と幸宏さんという組み合わせは多くありますが、教授と細野さんだけのレコーディングというは非常に少ないと。
YMOの中期後期のレコーディングでは誰かのモチーフの上に別の誰かが音を重ねていくわけですが、
機材が進化していくと、教授は一人でおそらく作っちゃうし、細野さんも一人でできてしまう。
そうなると幸宏さんのアイデアやフレーズとかリズムに、細野さんと教授が加わっていくという形が、細野さんや教授にとってもやりやすかっただろうし、三人が参加しやすかったのではないかと。
そういう空気があったと推測するわけです。
もう一つのポイントは幸宏さんが歌の作品にこだわっていること。
バンドとかユニットとかサントラ等ではインストの楽曲も多いし好きな曲も沢山ありますが、
ソロデビューアルバム『サラヴァ』を含めソロ作品の多くが“歌もの”です。
また、サディスティックミカバンドはメインボーカルがいるから違いますが、
YMOのメインボーカルというと幸宏さんというイメージがあります。
(三人とも歌いますがYMO全体のイメージとして)
日本のポピュラー音楽の中で、歌というのは実に大きな位置をしめます。
とくに昭和という時代では、全てをひっくるめて歌謡曲に含まれるわけです。
インストゥルメンタルで日本のポピュラー音楽のチャートに入るというのは、それこそYMOの「ライディーン」や「テクノポリス」とか、その後の教授の曲、何かの大ヒット作品のサントラくらいで、やはり歌の占める割合というのは大きい。
それは、令和の現在も、いまだに大きいと思います。
もし、YMOを知らなくて、ポピュラーな歌ものしか聴かない人がいたとして。
そういう人が幸宏さんの歌ものの作品を入り口にYMOの世界に新たに入っていくというのも充分考えられる。
その意味で幸宏さんの歌というのは重要なファクターなんだなと思うわけです。
別の視点からいえば、
幸宏さんの作るメロディは“歌もの”のメロディである。
といえばいいのかもしれません。
「ライディーン」のヒット、その“キャッチーさ”はインストなのだけれども“歌もの”として大衆は捉えていたんだなと。
幸宏さんの生み出すポップ(ロックも含め)の要素が非常に重要であったと思うんです。
その裏のサウンド面で、
幸宏さん自身を含めて教授や細野さん等のミュージシャンが実験的に遊んでいる部分もあると。
この構図はYMOから散開後も同じ。
今、現在、割合は減りましたが、幸宏さんのソロアルバムに教授や細野さんが参加するという形はYMO散開後も続いていきます。
今回ピックアップする、このアルバムもYMOメンバーのお二人が参加しています。
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アルバム
『ワンス ア フール・・・遥かなる想い』
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時期的にみると、
幸宏さんはキャニオンレコードに移籍し、鈴木慶一さんと共に“T・E・N・T”レーベルを設立、その直後に発売したアルバム。
以前のblog記事“探し物からひとつかみ!”で幸宏さんのアルバム『EGO(イーゴ)』を取り上げましたが、それより3年前に発売されたソロアルバムになります。
『ワンス ア フール』~「・・・Only When I Laugh」~『ラ パンセ』~『EGO』というような流れ。
また、同年、『ワンス ア フール』の発売前(1985年4月)に、幸宏さんが初の音楽監督を担当した大林宣彦監督の映画『四月の魚』のサントラ盤及びシングル盤がYENレーベルから発売されました。
この映画では幸宏さん自身が主演をつとめていて、大林監督作品としてみても非常に珍しいタイプといえます。
撮影は1984年でしたが、かなり遅れて1986年5月に公開。
幸宏さんのオリジナルソロアルバムという視点からみると『ワンス ア フール』の前の作品は1984年11月発売『WILD & MOODY』になります。
また、さらにYENレーベルの幸宏さんの作品を集めたベスト盤『THE BRAND NEW DAY』も『ワンス ア フール』と近い時期に発売されています。
さて、
個人的には幸宏さんのアルバムはそれぞれみんな好きです!
これは先に言っときますw。
『ワンス ア フール』で浮かぶキーワードは、
切なさ、哀愁、幻想、広がり、テクノ、シンセ、YMO、メロディアス、ポップ・・・トータル感。
ほとんどの曲がいわゆる“ベリー・フェイマス・ユキヒロ・エンディング”で終わるのもトータル感w。
(知らない方に説明すると、フェイドアウトさせないでフィルで曲を終わらす事です)
YMOの細野さんも教授もスタイルとかジャンルがその時代により変わってますが、
幸宏さんも幅広い。
例えば、ソロデビューアルバム『サラヴァ』と2nd『音楽殺人』では全然違います。
音楽的な趣向は、聴く人それぞれですが、
そういう部分だけではなく、
やっぱり記憶の中での個人的な思い出と聴いていた音楽が結びついてる事って多いと思うんです。
その意味で、
幸宏さんのソロアルバムを一枚選べと言われたら、まず浮かぶのが『ワンス ア フール』なんです。
まぁ、ず~~~~~~っと聴いてましたからw。
幸宏さんのソロアルバムでは一番聴いたかもしれないです。
キーワードに書いたように、
切ない曲が多くて、
歌詞とメロディとサウンドと全てが、その時の自分の心にスポンジのように染み込んでいったアルバムなんです。
いや、染み込むというより浸ってましたw。
またサウンド面も幸宏さんがカシオのCZシリーズのシンセサイザーのCMをやっていたため、そのカシオのシンセを多用していて、
このサウンドも好きなんですよね。
シンセでいうと、個人的な事ですが、
このアルバム発売より少し後に、
音楽仲間のH君がカシオCZ-1000を持っていたため、これを自分も借りて演奏や打ち込み等に相当使う事が多くて、そういった意味でも『ワンス ア フール』というアルバムのサウンドは身近でした。
“切ない曲が多くて”と書きましたが、
幸宏さんって弱さを売りにしているといったら語弊があるけどw、
『ワンス ア フール』収録曲に限らず、そういう曲が多いわけです。
その辺について幸宏さんは、
~
“どうしても、ナサケない男の歌になっちゃうんですよ、僕が歌うと”
“何をやってもどこから切っても、金太郎アメみたいなもんで”
〔「リズム&ドラムマガジン」1986年冬号NO.13より〕
~
と答えています。
関連して、ちょっと話が変わりますが、
昨今、back numberによる男性にとって切ない心情を歌ったラブソングが多くの人の共感を得ています。
自分はback numberについて詳しくはないですが、メディアで観たり聴いたりすると、歌のメロディもジャパニーズポップスという枠組みの中ですごく凝ってるなぁと思うし、そこに切ない歌詞が溶け込んでいるという意味で音楽の魔法というのを上手く生かしている感じがします。
その上で、
幸宏さんもずっと前からこういった世界観をやってるんだけどなぁ・・・。
と思っちゃうわけです。
さらに、話が飛びますが、
福山雅治さんが野島伸司さん脚本ドラマ「ひとつ屋根の下」で役者として大ブレイクし、
その後、音楽活動もかなりメインでやってきて、ロック調の楽曲からバラードの「桜坂」が
大ヒットする。
この時に福山さんのバラードの歌い方って幸宏さんに近いよなぁ、
と個人的に思ったんですよね。
YMO期から比べると毒が抜けたというか、もうちょっとスムースな感じになった幸宏さんの歌唱。
アタック音からバーンと発せられるんじゃなく、ディレイされたようにちょっと後からピークがくる声。
タメがあるというか哀愁がある幸宏さん流のアーティキュレーションですね。
だから、今の若者(?)の感覚に合わせると、
back numberの歌詞の男の切なさと、
福山さんの歌い方、
この二つの要素をずっと前から併せ持っていたのが幸宏さんって事なんですw。
全くの個人的な解釈、持論ですので、あしからず。
話を戻します。
色々と書いてきましたが、
『ワンス ア フール』の歌詞って実は驚く事に大半が幸宏さんではないんです・・・w。
後でも書きますが、インストとカバーが1曲ずつあって、
幸宏さん自身の作詞は「冬のシルエット」「今日の空」の2曲のみなんです。
他にムーンライダースの鈴木博文さんが2曲。
さらに、高橋修さん、矢野顕子さん、吉田美奈子さん、ピーターバラカンさん、それぞれ1曲ずつ作詞をされています。
作曲に関しては、
カバーが1曲と細野さん提供曲が1曲、
これ以外は全て幸宏さんの作曲になります。
でも、何度も書いたように、凄くトータル感があり、統一されたコンセプチュアルなアルバムの世界観があると思うんです。
作詞された方々も旧知の仲なので皆さんが幸宏さんの世界をよくわかってるからこその統一感といいますか。
では、ここから少し細かく収録曲をみていきます。
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矢口さんのサックスの印象的なリフ、シンセの白玉が広がっていって、教授っぽいパートに移るインストゥルメンタル、
「遥かなる想い」
(作曲:高橋幸宏)。
「遥かなる想い」と同じリフを使い、
ギロと打ち込みから深いリバーブのスネアドラムがパンと一発入って幸宏さんらしいドラミングのパターンが加わる、このメリハリがカッコいい、
「冬のシルエット」
(作詞・作曲:高橋幸宏)。
広がりあるシンセが循環され、リズミカルなテクノサウンド、キャッチーで流れのある、
「Providence(素晴らしき幻想)」
(作詞:高橋修/作曲:高橋幸宏)
この三曲の流れの素晴らしさ!!
続いて、
「仕事を終えたぼくたちは」
(作詞:矢野顕子/作曲:高橋幸宏)
矢野顕子さんが幸宏さんに合った詞のみを提供していて、しかも男視点からの詞、実に珍しい作品だと思います。
しかも、ドラマのようなストーリー性があって、幸宏さんの描く男女の切ない世界かなと思わせておいて、最後にちょっと救いが来る歌詞になってます。
サウンドは、ちょっとラテンフレーバーの入ったシティポップなアレンジ。
サビは、めちゃめちゃキャッチー、しかも合いの手的に入る矢口さんのサックスも含めてキャッチーでメロディアス。
先ほどの「素晴らしき幻想」も、この「仕事を終えたぼくたちは」も、シングルカットできる楽曲だと思います。
さらにいえば、このアルバムの楽曲って、ほとんどシングルを切れる楽曲ばかりだと個人的には思ってます。
関連して、この「仕事を終えた~」、
出だしのAメロからメロディを聴いているとドラムが無いので気づかないんですが、いや、Bメロでもあまり気づかないんですが、
実は裏拍から入っているというかBメロの終わり頃にリズムのアクセントの位置の表と裏が変わるんです。
リズムだけ集中して聴いてると途中でズレてくるので迷いますw。
だから余計に2拍4拍にちゃんと安定したスネアのアクセントが来るサビが際立つ仕掛けになっています。
ポップでキャッチーだから難しい事をやってるのに自然に聴いてしまう、ここも素晴らしいなぁと。
「ONE MORE CHANCE」
(作詞:ピーターバラカン/作曲:高橋幸宏)
こちらも自然に聴いてしまいますが、リズムが凝っています。
ピーター・バラカンさん作詞なので英語。
当初は、よくわかってなかったんですが内容としては
もう一度やり直すチャンスを下さい
というもので、
「仕事を終えた~」の
“もしもぼくのことを 許してくれるのなら”
という歌詞と近いんですよね。
つまりは『ワンス ア フール』の世界観、幸宏さんの世界観にちゃんと合致している曲。
しかも、これまたシングルカットしたくなるようなメロディアスで哀愁ある曲。
「SAILOR」
(作詞:鈴木博文/作曲:高橋幸宏)
これも切なさが含まれている男女の別れの曲ではあるんですが、
実は女性は男性の気持ちに気づいてないっぽいんですよね。
ここも幸宏さんの世界を感じます。
とはいえ、思い出を捨てて海に一人旅立っていくダンディズム(?)、ロマンみたいなものがあるし、
幸宏さんのサビが大海原を船が進んでいくようなサウンドやメロディ、ドラミングとかが新しい世界への旅立ちや希望を感じるし、先に広がっているんですよね。
まさにB面一曲目にふさわしい曲。
これもシングルでも全然いいと思う曲です。
「I SAW THE LIGHT」
(作詞・作曲:トッド・ラングレン)
幸宏さんのアルバムでは必ずといってカバー曲をやっています。
このオリジナルは1972年のトッド・ラングレンの楽曲。シングル、及びアルバム『サムシング/エニシング』収録。
これも素晴らしいカバー。
トッド本人も気に入っていたんじゃなかったかなぁ。これは記憶で書いてるのであやふやですが。
この『ワンス ア フール』の後に高野寛さんが幸宏さんと慶一さんによるT・E・N・Tレーベルのオーディションを経てデビューし、その後、高野さんはトッドのプロデュースでシングルを出す事になるわけだから、運命というのは面白いですね。
「昆虫記」
(作詞:吉田美奈子/作曲:細野晴臣)
このアルバムの中では少し異色な輝きを放つ曲で、後から段々と好きになっていくような楽曲なのではないかなぁと。
いつ聴いても何と深い曲なんだろうと思うんです。
美奈子さんと細野さんというコンビの楽曲。
この二人も長い音楽的な仲間。
美奈子さんご自身のソロアルバムにおいて、このコンビでの楽曲はありますが、提供曲という意味で考えると、美奈子さん作詞・細野さん作曲というのは浮かんでこないですね。
ほとんど無いんじゃないでしょうか?
何となくタイトルとかサウンドから、デジタルのジャングルの中で漂うように飛んでいる虫をイメージしてしまいます。
実際、曲中にシンセのSEで虫の飛ぶような音も入ってますし。
しかし、よく聴くと、人間の男女の関係を昆虫に置き換えた高度な歌詞を細野さん流の緩やかで妖しげな85年版エキゾチックサウンドで封じ込め、
それを幸宏さん流に仕上げた世界観といいますか。
まず、リズムがめちゃめちゃ凝ってます。
スローなシャッフルの16ビート。
細かいバスドラとスネアのドラムパターンとかシンセベースやパーカッションだけでなく、
シンセサイザーやボーカルやコーラス等全てのアンサンブル・符割りが生み出すリズム。
ここは細野さんと幸宏さん、お二人のこだわりかなぁと。
そのリズムの細かさというのは、真逆の白玉のボーカルとのコントラストを生かすためなのではないか?
つまり、幸宏さんの伸ばした声を生かしていると思うんです。
そして、美奈子さんの詞と細野さんのメロディがさらに高度で見事。
この曲は4つのパターン、つまりAメロからDメロというのかな?
4つに分かれていて、
それぞれ細野さんらしい不思議さに溢れています。
その中で、Cメロの終わりからDメロへの繋ぎ。
歌詞でいうと、
~
昆虫(あなた)の羽音が響く
湖(うみ)より清(さや)か
~
ここの“響く”の“く”をシンコペーションで伸ばすんですが、そうすると母音の“U”がずーっと続いていき3小節目の2拍目裏から“みより”という歌詞に繋がって歌われる。
つまり、
響く~(う)~みより清か
となっているんです。
湖(うみ)という歌詞の“う”の音は、伸ばした母音を利用して表現しているわけですね。
このアイデアが素晴らしいし、
さらに、ずっと伸ばす音も、シンコペーションして始まっていて終わりは小節の途中なので区切りがわからなくなって、時間を狂わすような感覚に陥る。
ここもこの楽曲の神秘性とか妖しさとかに繋がっていると思います。
また、異色とは書きましたが、緩やかなテンポとか神秘的という意味ではアルバムの出だしの幻想的な部分もあるので、そことリンクしていてアルバムに溶け込んでいると思います。
ここで、この「昆虫記」に対する細野さんのインタビューを。
~
“「昆虫記」好きです。これは数年前に聴き直したら、「誰が書いたの?」なんて思って。そしたら、自分だった(笑)。”
〔『細野晴臣の歌謡曲 20世紀BOX』ブックレットより〕
~
因みにこの曲のベースはシンセベースだと思われるので、細野さんのクレジット部分に書かれているベースはシンセベースの事なのか、それとも他の曲でエレクトリックベースを弾いているのかはわかりません。
(このアルバムのベース演奏者は他にロドニー・ドラマーの名前があります)
「泣きたい気持ち」
(作詞:鈴木博文/作曲:高橋幸宏)
これも鈴木博文さんの歌詞。
幸宏さん楽曲の中でスタンダードな部類の曲なのかなぁと、これも『ワンス ア フール』の世界に合うと思うんです。
でも、歌詞の内容は、他の楽曲とは逆で、女性が戻ってきたという歌詞。
ちょっと大滝さんの「♥(ハート)じかけのオレンジ」の歌詞の世界が思い浮かびます。
アルバムのラスト。
「今日の空」
(作詞・作曲:高橋幸宏)
この曲に『ワンス ア フール』の世界が集約されている気がします。
イントロと間奏に行く前の幸宏さんのロールを混ぜたドラムフィルがいいし、緩やかなバンドサウンドがいいんですよね。
(ここで1つ言いたいんですが、リイシュー盤からボーナストラックとして12インチシングル「ステイクロース」収録楽曲が加えられています。こちらは発売時期は近くても幸宏さんとスティーブ・ジャンセンとの共作のシングルであり、このアルバムとは別物であって、あくまで『ワンス ア フール』の最後の曲は「今日の空」です。ここは個人的想いが強いので譲れません)
では、「今日の空」の歌詞の一部をとりあげてみます。
~~
ほんのわずかでいい
僕をみてよ
揺れる肩の髪に
祈る気持ち
雨上がりに
君をつれだして
僕は一人、又 ため息
~
細い指先がふるえて
淋しそう
君の気持ちならわかるさ
彼のことを好きだね
~~
切なすぎる・・・。
滲みます。
では、再び、幸宏さんの『ワンス ア フール』に関するインタビューを。
~
“ここ2、3年の間に『女子大生はキライだ』とかいってたわりには、そういった人たちが一番、僕のレコードを買ってることが判明しまして(笑)。なあんだ、だったら彼女たちがいかにも好きだと、誤解できる余地のある音楽を作るのも面白い、みたいな。
結局は、らしくなっちゃうんだけどね、そうやっても”
“よく言えば品が悪くないんです”
“悪く言うとパワー不足(笑)。どっか屈折しちゃってる”
〔「リズム&ドラムマガジン」1986年冬号NO.13より〕
~~
幸宏さんはアルバム『WILD & MOODY』との違いについて、『ワンス ア フール』は日本向けに作ったというようなことも言ってます。
ということは、
この時の女子大生じゃないけど、自分は幸宏さんの計算にまんまとハマっていたのか?
手のひらで踊らされていたのかもしれない・・・。
いや、いいんです、それでもw。
ホント、大好きなアルバムなので。
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