僕は家の外へ出る前から走り出していた。


 一躍して川を波立たせることなくきれいに渡り、森の中へと疾走した。雨がまた降ってきた。ほんの2、3分でびしょ濡れになるくらいひどい降り様だ。僕は厚い水のカーテンが好きだ―――それは僕と世界を隔てる壁になるからだ。



 僕はシアトルの夜景がみえるまで、一直線に外れるこななく山を越えて、ひたすら真東に走った。人間社会の文明の境界線の手前で止まった。



 雨によって僕は隔離され、まったくの孤独。僕はついに自分自身がどうするべきかを見つめる事ができた―――未来を断ち切る方法を。



 まず初めに、アリスとベラが互いに腕を組んでいる予知―――信頼と友情はイメージからして歓声を上げるのはもっともだった。まだ謎はたくさんあるのに、このヴィジョンでのベラのチョコレートの色をした2つの瞳には、うろたえはなかった―――この時、彼女らは幸せな秘密になると思っている。彼女はアリスの冷たい腕から身を引こうとしなかった。



 それは一体何を意味するのか?彼女はどのくらい知っているんだ?未来でまだ命があるその時まで、彼女は僕をどう思っているのだろう?



 それからもう一つのイメージ、未だに恐怖に色づいている、何一つ変わらないもの。


 アリスとベラは、まだ友情を信じて互いに腕で互いを包みあっている。でもその時の腕の中にあるものは違う―――互いに白く、大理石のように滑らかで、鋼のように硬い。ベラの2つの瞳はもうチョコレート色ではない。その瞳の虹彩ははっきりとした真紅色をしていたことに衝撃を受けた。


 そこにある謎は底が知れない―――受け入れるのか、それとも阻止するのか?教える事は不可能だ。


 彼女の顔は冷たい不死の人のものだった。