時間ないからこれだけ。

他にも喋りたいこといろいろあるけどこれだけ書きたい。

私あれから永遠にこれだけ見てる。



インスパイアアリーナまで届く勢いで喀血したRailway。

ネタバレ見るの我慢してペンミの内容一切知らないまま配信見たから、ソロシャッフルあることも分かってなかった私だけど、お互いのソロ曲をカバーしたらどんなかな?って想像したことは何度かあります。

ジソンならAs we are、私もこれが一番しっくりくる感じ。あとYouthもいいかなと思う。それかSo Goodもハマりそうな気がするんだよね。

でもジソンのRailwayって想像つかなくて、けどたぶんあんま似合わないだろうなーって思ってた。

だからこれが始まった時のえええええ!?は、どっちかというと、あーそれだったかー的な感じがあった。私はね。

そしてもう一つえええええ!?に含まれていたのがこれ。

インナーある!?ある!?ある!?・・・ああ。あんのかい。っていうあれね。

残念半分安堵半分かな。

ただ、この曲やるならここで見せたらいいのにって思う。パフォーマンスとしてもきっかけとしても、なかなかいいと思うけど。

まぁとにかくそんなえええええ!?で始まったジソンのRailwayだけど、やばいのほんとに私が。

たぶん頭の中では1秒に800文字は喋ってた。

でも今それを改めて言葉で説明するのは難しい。

だけどものすごいインスピレーションを感じたんだよ。Railwayという曲、バンチャンという人、そして椅子を引いて歩くハンジソンから。

寝なきゃいかんと思いながら睡眠時間を削って書いたものがあるんです。二次創作です。ここに上げてもいいですか。(いやべつにいつもの感じです)

二次創作とか無理や・・・って人はすいません。また違う時にいらして下さい。

ではどうぞ。










Only I Can 

Sit Down





チャニヒョンのソロ曲「Railway」。

ファンミーティングのためにその練習を始めた日から、俺は夢を見る。

上下も左右もないようなただ真っ白い空間で、少し大きな白いパジャマを着た俺は、後ろ手に椅子を引いて、前だと思われる方向へと無表情で歩き続ける。

引き摺られる椅子の音だけが単調に響く。

凹凸も継ぎ目もない床だ。

床という呼び方で合っているのかさえ分からない。

目に見えるのは、ぼんやりとした境界線の一つもない、ただひたすらに白と言うしかない空間だ。

それでも裸足の足の裏には冷たく硬い感触があった。

爪先がかじかむ。

けれど俺は歩くのをやめない。

椅子は時に重く時に軽く感じたが、歩くペースも引き摺る音も一定だった。

この音を乱しても途切れさせてもいけないと、俺はなぜかそう思っていた。

白はどこまでも白だった。

俺はどこまでも歩き続けた。

苦しくも恐ろしくもない。

音を止めてはいけないと、それだけを思っていた。

俺は白くそして、無だった。




ステージではソロ曲パートのリハーサルが順番に進んでいた。

自分の番を待つ間、みんなはだいたい他のメンバーのステージを見ている。

でも俺は一人でステージに背を向けて、花道の真ん中で相棒の椅子と向かい合って座っていた。

置いてある椅子を立ってると言うのか座ってる

と言うのか正解は知らないけど、体育座りの俺の目には、その椅子は立ちはだかっているように見えた。

あんな夢を見るからだ。

なんであんな夢を見たんだろう。それも何度も。

俺は自分のRailwayに大きな悩みがあるわけじゃなかった。いまいち気に入らないところももっと練習が必要だと思うところもあるにはあるけど、それは他のどの曲にしたって同じことで、あって当たり前のことだった。

なのになんでこんなに夢の中まで縛られる?

初めのうちは単に不思議で、それからだんだんとその理由が気になり始めた。

気にする必要はないと分かっていても、椅子を見るとあの永遠のような音が頭の中に鳴り始める。

引き摺られているのは俺の方なのか。

あの白の中から俺は抜け出せないのか。

なんで?

なんで俺が?

俺はチャニヒョンじゃないのに。

ーーー俺はチャニヒョンじゃないのに?

偶然パスワードが一致したかのように、目の奥に突然あの白い空間がフラッシュバックした。

あの空間はなぜ白いのか。

俺に聞こえていたのは誰が椅子を引き摺る音だった?

「Can I sit down?」

自分の頭に浮かんだ言葉にハッとしたその時、頭の上でその人の声がした。

「いい椅子だね」

そう言ってチャニヒョンは俺の相棒に腰掛け、開いた脚に肘を乗せて指を組む。

バンチャンという大きな人がそこにいた。

うんいいね、いい座り心地だ、と一人で頷きながら、彼は話の糸口を探している。

この人が俺の様子を気にして話しかけたのは分かり切ってる。

「チャニヒョン」

体育座りの丸めた背中を少し伸ばして、自分から切り出した。

俺は大人になったから、こういう時に甘えることも頼ることも今はできる。

「俺は列車の運転士にも獄卒にもヴァンパイアにもバンチャンにもなれません」

でもまだ子供だから、こうして助走をつけないと飛び出せない。

ははは、とチャニヒョンは目を細めて笑った。

「なりたいものがたくさんあるね」

「はいそして特になりたいのは最後のアレです」

アレって笑、と軽くとりあえずのリアクションをした後で、ヴァンパイアの目が俺を見た。

「お前は俺にはなれない」

ただ、今日のヴァンパイアはコンタクトの入っていない優しい目をしていた。

「だから超えてみる?」

思わずブフッと吹き出したのはチャニヒョンが先だった。

それから照れ隠しのように片手で俺の肩を掴んで揺さぶって、もうーなに言ってるのーとダルく絡んで、最後にポンと頭に手を乗せ立ち上がった。

「ハナ」

「ん」

「カッコつけてきな」

歩き去るチャニヒョンの背中に、声には出さずに訂正を食らわせた。

俺はカッコつけてるんじゃなくて、カッコいいの。

そうでしょ相棒。

背もたれを掴んで引いた俺の椅子は、いい音が鳴った。















・・・という感じです。

もっと暗くて重いストーリーも浮かんだけど、書いて人に見せるならこういう方がいいよねと思って。

読んで下さった皆さん、ありがとうございます。