その日の夕食はクリームシチューだった。
凍えた体に染み渡る、とろりと温かいミルクとバター。
ただいま。
それから、誕生日おめでとう。
シチューみたいに心を温めてくれた君へ。
ここ数日とんでもない寒波に襲われていますが、皆さん元気にお過ごしでしょうか。
私は超絶元気です。元気で元気で毎日楽しくてたまらない。
と、自分に言い聞かせながら毎日どうにか生きてました。
仕事は冬のシーズン真っ只中でめちゃくちゃ忙しいです。その上この寒波で除雪に追われて体力搾り取られてる⋯でも健康。←チャームポイント
雪深い地域なので消雪設備はしっかりしてるんだけど、それでも人力除雪が必要なくらい雪降ってます。まじで腹立つ。
で、そんな日々の中でですね。
従業員1「残業じゃんけんしよう」
従業員2「絶対勝つ!」
従業員3「いや私が勝つ!」
社長さん「うん、全員残業頼むね」
こうしてその日も残業になって。
遅くなりますと姑にLINEしようとスマホを出したんだけど。
そしたらそのタイミングでYouTubeの通知が来ました。
ん?スキズこんな時間に何が上がった?
ってまぁ私のYouTubeの通知全然リアルタイムで来ないから、昨日の夜とかの通知かな。
なんてことを思ったんだよね。
察しがつくと思うけど、実はこれはイエニのセンイルライブの通知で、私はその日がイエニの誕生日だってことをすっかり忘れていたんだよね。
そのことに気がついて愕然とした。
今までキッズの誕生日を忘れたことなんてなかったよ。当日にブログでおめでとう書くことはあんまり⋯いやほとんどないけど、もうすぐ〇〇の誕生日だ、明日〇〇の誕生日だ、今日誕生日だねおめでとう、っていうのはいつもちゃんと頭にあったよ。
なのに今回そういうのが全くなかった。
推しじゃないからどうでもいいんでしょ、っていうのを完全に否定することはできないよ。ジソンだったら絶対にこうはならなかった。
でもどうでもよくはないんだけどな。
ないんだけど、本当にすっかり忘れてた。
はぁ⋯。
忙しかったから、とか。
そうやって言い訳するのがなんだかなぁと思う。自分に言い訳してるだけ。
それよりイエニにごめんだよ。おめでとうだよ。
よし。
YouTube。←仕事中やが。
いや音はちゃんと消しました。
ただ一瞬顔見られればよかったのよ。
それから公式のセンイルフォト保存して。
頑張ったね。
っていうイエニが自分に向けたその言葉に今私が自分自身を重ねるのは違うかもしれないけど、でもなんか、結ばなくていいとこ結んでいたのが解けていったような気がした。
イエニは傍から見ても頑張ってるけど、そうは見えない人の中にも人知れぬ努力はある。
逆に傍から見ても頑張ってる人の中にも、人には言えないダメな自分自身はいる。
頑張ったね。愛してるよ。努力しようね。
完璧じゃなくても今日の自分を認めてあげれば、明日はきっともっと頑張れるって、イエニは知ってるんだなぁって思った。それがイエニを成長させてきたんだなぁって思った。
そうだね。
誕生日忘れるし、繰り返す忙しさに余裕なく流れてた日々だったけど、今日から一日一つ自分のいいとこ探してみよう。実は三日坊主で終わってた日記も再開してみようかな。
ひとまず今日の私のいいとこは、こういう風に思えたこと。
ってイエニのおかげなんだけどね。ありがとう。
そしていつもより少し浮かれた気分で仕事を終え、駐車場に向かいました。
が。
待って私の車だけ屋根に富士山生えとるが。
他の車ももちろん屋根に大量の雪積もってるよ。だけど私の車だけこんもり具合が明らかに違うのよ。
え?なんで?と辺りを見回し暫し考えてたら、ちょうどその時木の枝からザザーッと雪が落ちて全量私の車の屋根に。
これか⋯。
だからここ近いのに誰も止めないんだ⋯てか言って私にも。
だからといって車の除雪がいつもの倍かかるわけではないけどさ、でも気持ち的に凍えるの⋯。
こうして大量の雪との格闘の末、なんとか我が家に辿り着き。
今までならここから私が夕食作ってたんだけど、最近は私の帰りが遅いので、姑が作ってくれてます。
で、この日のメニューがね、クリームシチューだったわけなんです。
凍えた体に染み渡る、あったかいまろやかさ。
イエニの笑顔が浮かんだんだよね。
そして思えたよ。
頑張ったね、私。って。
それからその夜これも見た。
重なる二人の歌声にも、二人の間に流れる空気にも、すごく胸を打たれたよ。
自分に頑張ったねって言えない夜が、イエニにもあると思う。
でもそんな時、隣で頑張ったねって言ってくれる人がいる。
イエニはきっとその言葉にうんって頷くことができる。
そういう空気を感じた、静かな夜の爆ぜる焚き火の前の二人。