君の笑顔を見ると幸せな気持ちになる。
もうたくさんの人を幸せにしてきたよ。
君はたからもの。
蓋を閉じてもキラキラ光る。
ピリ、誕生日おめでとう。
遅くなったけどピリ誕生日おめでとう、とは言いながら、今日はピリ自身の話じゃありません。ピリペンの長女の話をしようかなと。
ピリペン。
人から見ればピリペンだったって言うのが正しいのかもしれない。
長女は今はもうスキズも何も追ってません。
でも私は今もあの子をピリペンだと思ってます。
長女の「たからものばこ」の中に、ピリの笑顔はずっと大切にしまってあるから。
もうペン卒するーペンラ売っちゃったーやっぱ無理戻るー!ペンラ買っちゃったーてへ。
その繰り返しだった長女が最後にペンラ売った時(いちいち売るなよほんと・・・)、理由はよくあるモチベ問題だったと思います。
売れて遠くに行ってしまったようで、推してくモチベーションが湧いてこない。そんな感じ。
でもその後長女には人生の転機とも言えることがあって、他に優先すべきものができました。
なのでそこで完全にK-POPから(というかドルオタから)足を洗い、今は新しい道で頑張ってるんだけど。
先月母娘3人で旅行に行きました。
一旦うちに集合して泊まって翌日出発したんだけど、その実家に泊まった夜のお話です。
「これママにあげる」
そう言って長女が持ってきたのはトレカケース。
開いてみると。
「ジソン!ジソンジソン!え、全部ジソン!」
と言っても重複何枚もありますが。でも持ってないのもいっぱいあるし、私にとっては突然の夢のようなプレゼント。
「これどうしたの?」
「全部自引きしたやつだよ。グッズ整理しようと思って、他のメンバーのは全部売ったり友達にあげたりしたんだけど、ハニのはママに全部あげようと思って」
なんと・・・確か長女の友達にもジソンペンいたはずなのに。トレカ以外のランダム品は友達にあげてね・・・。
だけどさ。
ピリのはどうしたのかな。
処分じゃなくて整理って言ったから、ピリのは残してあるのかな。
・・・って、聞いてもいいのかな。
でもそのままなんとなく聞けなくて、しばらくジソンのトレカを眺めてたんだけど。
長女が急にこんなことを言いました。
「私が小さい頃に持ってた『たからものばこ』って覚えてる?」
たからものばこ。
それは長女が保育園の頃大事にしてた、ディズニーのお土産のクッキーの缶です。
中にはおもちゃの指輪やネックレスや、なんかキラキラしたものがいっぱい入ってるんだけど。
「覚えてるよ。ていうか今もあるよ」
「やっぱり!ママって物捨てられない人だから絶対持ってると思った!」
言い方。否定はしないが。
でまぁそのたからものばこを引っ張り出してきたわけですよ。
缶の蓋にマジックで、保育園児の下手くそな、いや可愛らしい字が書いてある。
たカらものばこ。
「なんでかだけカタカナ・・・」
「あの頃の自分に聞いて」
そして蓋を開けて出てきたキラキラたちを手に取って二人で懐かしんで。
「これ貰っていっていい?」
これに入れておきたいものがあるんだよねと言って、自分のバッグからまた何かを出してきた長女。
「これをさ、ここにしまっておこうと思って」
長女が出してきたのは、長年愛用してた可愛くデコったトレカケースに入ったピリのトレカでした。
初めて自引きした思い出の1枚と、あと2枚は特に気に入ってるものだそうで。
そういえば長女が送ってくる写真によく写ってたなと思い出す。
でもさ。
「ピリのトレカ、すごくいっぱい持ってたじゃん?」
この3枚の他はどうしたんだろう。
長女同拒気味だったからピリペンの友達いないはず。
ということは。
「売ったの?」
そしたら返ってきたのはすごく切ない答えでした。
「売れなかった」
出品したけど買い手がつかなかったって意味じゃないのはすぐ分かった。
何て言葉をかければいいか分からなくて、そっかとしか言えなかったけど。
「CDとかグッズとかは売ったり、それか友達の友達の友達とかまで辿って貰ってもらったんだけど、ピリのはやっぱ売るのは嫌だし、よく知らない人にあげるのもなんか悲しくて。だから一番仲いいジニペンの友達に、ピリのトレカとかアクスタとかうちわとか、あとポガリちゃんも、全部セットであげたんだ。他ペンのもらっても困るよねって言ったら、私ピリペンじゃないけどあんたのペンだからって言ってくれたからさ」
なんという素晴らしき友。
長女こんな友達に巡り合えてよかった。
なんかほんと、話聞きながら泣きそうになったよ。
きっとその友達はほんとは預かる気持ちで引き受けたんだよ。ほんとはペン卒するのを引き留めたいんだよ。でも長女の事情知ってるから黙って全部受け止めようとしてくれてるんだよ。
「でも全部あげようと思ったんだけど、持ち歩いてたトレカがバッグに入ってるの忘れてて、どうしようかなーって思った時にたからものばこのこと思い出してさ。そうだ、あれに入れてしまっておこうと思って」
そして幼くキラキラしたたからものの上に、キラキラした天使みたいな笑顔を乗せて。
「ピリ、今までありがとう」
そう言って丁寧に蓋をする長女。
それを見て涙腺が限界に達した私はコーヒー淹れると言ってキッチンに行って泣きました。
離れると決めたのは長女自身だけど。
ピリ、今までありがとう。
切なすぎた。
閉めた蓋に書かれた「たからものばこ」の文字の純粋さも、自分が育ててきた娘に対する気持ちも。
今はまだ切ない。
だけどきっと、いつか振り返った時に後悔のない終わりになったんだと思う。
だから私からも言わせて。
誕生日に言う言葉じゃなくてごめんねなんだけど。
ピリ、今までありがとう。
君があの子にくれたものはすごく大きいし、君から離れても人生の糧としてあの子の中にずっと残る。
幸せにしてくれてありがとう。
君はあの子のたからものだよ。
蓋を閉じてもキラキラ光る。
*画像お借りしました*