Stray Kidsがタイトル曲として初めて出すラブソング。

CASE 143の紹介でよく聞くそういうフレーズを初めて目にしたのは、トレーラー見た後だったと思う。

トレーラーでハートモンスター(その時はそういう名前だってことも知らなかったけど)見た時は、テーマは人の感情なのかなと思った。

恋愛って線は・・・考えたかな?よく覚えてないけど、その段階ではまだ私の中ではテーマは漠然としてた気がする。

と言うより、テーマが何かよりもぶっ飛んだスキズの匂いに最初は興味関心持ってかれてた。

ハートモンスター。

実を言うと、私はコイツが結構ギリギリだと思ったんです。

サウンドモンスターの時はめっちゃエスプリが効いてると思った。

でもこのハートのやつ・・・だいじょぶなんかなこれ。

いや大丈夫じゃないとしたら何がだろう。

見た目?このマスコット的な見た目が、自分の中のエスプリ、ウィット、そういう言葉の枠からはみ出てるように思うからなのかな。でもだからと言って、実写版The臓物なハートモンスターを求めてるわけでもない。(いやサウンドモンスター大先生わりと写実的だったので笑)

NOEASYトレーラーもODDINARYトレーラーも、ジャンルは違うけど映画の予告編のような、ある程度先が読めるあらすじ感があった。それをスキズ流に味付けしてあるのがすごくよかった。

でもMAXIDENTトレーラーは味付けはぶっ飛んでるけど何の料理か分からないような。

目につくハートモンスターに意識を持っていかれてコイツが微妙なのかと思ってしまったけど、実はギリギリなのはスキズのトレーラーとしての完成度なんじゃないの・・・?

というところに、一旦は辿り着いたんです。

でも待って。

MAXIDENTって言葉の元になってるのがACCIDENTで、しかもそれがMAXなら、伝えるべきことは「え?どういうこと?」で正解なんじゃないのかな。

事件事故の真相、つまりテーマが何かってことを、解明しないことがMAXIDENTトレーラーの狙いなんじゃないのかな。

捜査して解明されてしまっては意味がない、は!?っていう衝撃で終わらせることこそが、MAX ACCIDENTというものを物語ってるんだ。

待って何が起こった?っていう、見る側を事件の当事者として巻き込むことが狙いだったのかもしれない。

でも謎に包まれすぎていても、見る側の心を掴まない。そこには分かりやすく意味不明なインパクトのあるアイコンが必要で。

それがハートモンスター。

そう考えるとコイツ実はギリギリどころかめっちゃいいポジションなんだなと思い直す。

そして後日このアルバムのタイトル曲がラブソングなんだと知る。

事件って、恋か。

ある日突然恋に落ちるって大事件。

捜査の大きな手がかりを得て、たぶん多くの人の頭で線が繋がって、事件の様相が形となって浮かんでくる。

でもまだ謎は残るし事件は発生しただけで動いてない。

何これ気になるどうなるの?

見る側にも同時進行していく事件。

待って。

やっぱり。

スキズすごい。


っていうのを当時もざっくりとは考えたけど、まだそれを言葉にできなかった。

今こうして文章にしてみたけど、たぶんそこには後になって考えたことも混ざってるんだろうと思う。

だけど最後の3行、待ってやっぱりスキズすごい、この感覚に震えたのは確実です。


その大事件を含むMAXIDENTというアルバム、そして事件の核となるCASE 143というタイトル曲についても、もちろんこのINTROで語られているわけですが。


タイトル案の一つ、



それ私らの日常なんだが。

でもこれ聞いて思ったんだよね。この曲ステイがスキズに沼った時の話とも取れるなと。
皆さんそれぞれエピソードあるでしょうが、ほんと人生の大事件でしたよね・・・。

そして多くの人にとって恋に落ちるということは、チャンビンの言うように一つの事件になり得るものです。
似たような喩えを使って恋の始まりを描く曲や小説やドラマ、いろいろあると思います。
それをどうスキズ流に味付けするか。
MV見れば一発でめっちゃスキズだわってなるけど、曲とパフォーマンスだけで見れば一番の味付けはこれだと思います。


歌詞はチャンビンも言ってるけど(・・・だと思うんだけど、この字幕チャンビンの意図がイマイチ分かりにくくて残念)わりと捻りがない感じ。面白い表現だなってのはあるけど、先生意味が分かりませんってところはない、ストレートな歌詞だと思う。(暗号は未だにわかんないけど)

じゃあどこでスキズを見せてるかというと、サビの中毒性だと私は思ってます。

チャンビンはMANIACをエネルギーの方に入れてたけど、私はあれすごく中毒的だった。

人によるかもしれないけど、MANIACはじわじわ中毒が進んでいく感じがしました。

だけどこの「Why do I keep getting attracted」、すごかった。一発で仕留められた。そしてずっとリピート止まらない。

私はTMAのステージが初聴きだったけど、初めて聴くのがパフォーマンスだとあんまり曲が頭に残らないことがよくあります。

でもこれは違った。やばい、持っていかれると思った。

メロディ自体も中毒性あるけど、歌い方ですよね。その時はそれを言葉にできなかったけど、チャンビンとリノが上手く語ってくれてました。




これほんと目から鱗だった。そうそれだ、なるほどね!っていう。
呪文、催眠術、理性で抗えないそういうもの。
それがこのフレーズの中毒性に拍車をかけて、曲の主人公は恋から抜け出せないし、私らはスキズの沼から抜け出せない。
この歌い方のディレクションってチャンビンなのかな。私ここ歌ってるのチャンビンのが一番好き。めちゃくちゃかっこいい。

そしてCASE 143を語る上で大事なこと、スキズが初めて挑戦するタイトルテーマ。


作った人々はやっぱり、タイトル初のラブソングってことへの思い入れもプレッシャーも大きかったんだろうね。

タイトル曲じゃなければスキズもラブソングいろいろあります。


これとか、


これとか。
まだスクショ残ってたやつ挙げただけなので、他にもいろいろありますよね。パボアラとか懐かしい・・・。

ドゥンバキなイメージが強いスキズだけど、ラブソングも結構いい曲あると思います。
なので初のラブソングって言われても、私はそんなにピンと来なかった。
だけど大事なのは、タイトル曲として出すラブソングってことだよね。
スキズのタイトル曲に期待される独自性、音楽性、メッセージ性の質量を保ったまま、でも共感できる恋愛を歌うことが求められる。
どっちの比重が大きすぎてもスリラチャの意図としてはイマイチなんだと思う。
めっちゃスキズっぽいけどもっと普通に恋愛したい・・・。
とか、
めっちゃいい曲だけどスキズいつものやつどうした?
とか。
そうならない絶妙なバランスのものを目指していただろうし、それができるのはスキズだけだっていう自負もあったと思う。

でもそれは実現したと思うよ。
スンミンのこの言葉、めちゃくちゃ的確だと私は思う。


スンミンの実際の意図は違うかもしれないけど、私の中に響いたその言葉は、まさに私が言いたいことを言ってくれてた。

境界線にある歌、それがつまりスリラチャが目指していたものだと思う。

スキズのタイトル曲としてのラブソング、その条件を絶妙な表面張力で満たしてる曲だなこれ。と私は思ったんです。

その上でスンミンの口から聞いた境界線にある歌という言葉。

スンミンおれたち仲良くしようぜ。

っていうくらい気持ちよく共感できた。一方的に。←

(あとごめん、全然関係ないけど、↑の場面の後にスンミンが「ステイがー」って言う言い方がめっちゃくちゃ可愛い!!可愛すぎる!!)


でもさ、私はこうも思うのよ。



自分たちが表現したいことの他にも、グループの方向性や売り方や、いろんなことを調整して、それでもスキズらしく作り上げるタイトル曲は本当にすごくてかっこいいと思う。
でもStray Kidsだけのって、あんまり肩肘張って考えなくてもいいんじゃないかな。
今までのスキズの曲一つ一つ全部、いろんなスキズの色で溢れてるよ。
でも次々と新しい挑戦をしていくスキズは本当にかっこいい。
これからもずっと、その挑戦を楽しめるスキズとステイでいたいよね。


っていう、MAXIDENTとCASE 143のお話でしたが。

最後にこれだけ言いたい。



は?
何を寝ぼけたこと言ってんのこのお寝坊さん。


おはよう、僕が彼氏だよ。

忘れんなよ私たちから奪った正気を。