2021年12月14日Tue.

2020年6月25日Thur.の早朝、

祖母が他界した3ヵ月後、POPOも旅立ちました。

私が起きた頃には市役所の車で行った後でした。


1年ぐらい、散歩に行った時のフンがおかしかったので、何度か動物病院に行ったものの原因はよく分からず。


腸の働きがおかしいのか、常に下痢気味。

薬を与えても何の効果も見られず、しだいに窶れて

体力も無くなり、お腹を見ればあばら骨がくっきりと。

ある日、横になったままこちらを見ているPOPOに違和感を覚えて小屋に入るといつの間にかお尻の回りに飛び交うハエ。

日頃の緩すぎる便で汚れたお尻と毛を何度も洗っていたのにと思いながら、急いでPOPOの下に潰したダンボールを差し込み、そのまま運搬用の台車に。

洗える所まで運ぶと、肛門の回りにハエの卵が産み付けられていて……血の気が引きました。

(昨日まで無かったのに!クソっ!)

私が慌ただしくしているのに気付いた妹とシャワーで洗い、小屋ではなく新しく建て替えた倉庫の屋根の下に。

既にPOPOは歩ける状態ではなかったので、どこからでも見えて、風通しが良く雨もしのげるその場所に。

妹にハサミとゴム手袋を頼み、POPOがコンクリートの上で痛くないようにおしっこ用のシートを敷き、持ってきてもらったハサミでお尻の回りの毛を切って卵やら幼虫やらを憎い敵と、絞り出してはハンマーで潰しました。

「POPO、そんなに酷いの?」

妹の心配する言葉。

そして身を乗り出して覗き込もうとしたので、

「ダメだ、これは見るな」

となるべく平静を装って伝え、氷と水、ストローを用意してもらい、動けないPOPOの口に。


曇りや小雨だと軒の下とはいえ、ハエや蚊が集まるので団扇で一日中振り払う。

POPOの毛並みを撫で、頭をかき、体をタオルで拭き、ブラッシングをして、水を少しずつ飲ませながら、人目もはばからず涙を流し、鼻をすする……

──その間ずっと頭の中にあったのは、

こんなんなら早く楽にしてあげたい。出来れば治してまた一緒に散歩に……それが叶わないなら……

私の単なるエゴなのでしょう。

それでも粉塵を巻き上げて力いっぱい疾走したPOPOの口からはか細い呼吸音も聞こえないんです。

犬笛がうるさいと思う私の無駄に良い聴力でも、

甘えるPOPOの甲高い声すら聞こえない。


朝から夜半まで付きっ切りで横に居ても、

食べ物も水もろくに採れず、

衰弱は素人目にも明らかであり、更には下半身が動かなくなり、壊死が始まっていたのか、ハエはいっそう集るように……


妹に泣きながら言いました。

「動物病院に電話してくれないかな。安楽死が出来るかどうか」


POPOが逝ったのはその2日後。

朝5時、父親が見に行くともう眠っていたのだそうです。


最後の手段を私に取らせないようにしてくれたのかなと今でも勝手に思うのですが、

未だにPOPOの居なくなった小屋を覗いてしまいます。







(   •8•).oO(•• Ʋ )‿ "