個展まで、後20日! | BlueBirdのブログ

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東日本大震災で被災された方々のために、
今、私にできること。

個展まで、後20日!

すごい雨でしたねー今日の東京。
虹でたみたいですけど…
見逃しました。。。

そんな今日は、ちょっと言い訳たっぷりに作品紹介いたします。



1970年代以降、生物は真核生物、真正細菌、古細菌の3つのドメイン(注1・2)に大別されると考えられている。
ちなみに我々人類は、この真核生物に含まれる。
そして、ウイルスはこの3つのどのドメインの遺伝子の中にも見受けられ、あらゆる生物のゲノムに組み込まれている。
 
細胞を持つすべての生物にとっての遺伝物質は2本鎖DNAであるのに対し、
ウイルスの遺伝物質はDNAあるいはRNAであり、1本鎖の環状であるものや2本鎖のものもあり、2本鎖DNAとは限らない。
遺伝物質に種類がたくさんあることは、最初の生命が誕生した当時の名残であるともいわれている。
 
2001年、人類はヒトゲノムの完全な配列を解明する。
その中の約10%がレトロウイルスの配列であることが分かった。
私たち人類の中に15万年前に感染したであろうレトロウイルスのDNAが組み込まれているのである。
 
ウイルスと宿主がとても密接な関係であるということは、ゲノムの解析でもわかることであるが…
なかには、宿主から恩恵を受けると同時に宿主にとっても大事なものを提供するという共利共生というカタチをとる、ちょっと奇特なウイルスもいるが…
ウイルスとって最もいい環境とは、必要なものだけを宿主から手に入れ、悪さはしない片利共生というカタチであろう。
 
そして、人に害を及ぼさないウイルスもいるが…
まさに今、世界を震撼させている新型コロナウイルスのように病原性の高いものばかりを連想するだろう。
 
しかし、ウイルスにとって宿主が病気になることは望ましいことではない。
なぜなら、ウイルスは宿主なくしては自らを複製することができないのだから。
元気な宿主のほうが自らを複製しやすいし、病気のせいで宿主候補たちがお互いに接する機会が減ってしまうと、宿主の中でたくさん複製できても広めることができなくなってしまう。
この点から、新型コロナウイルスへの対策として宿主同士が接する機会を減らすということが最も有効であると思う。
ここで敢えて「人」と言及しないのは、この新型コロナウイルスが宿主の種の壁を難なく乗り越えてしまうからである。
もちろん、体内にウイルスを入れないという基本的な行動である、手洗いやうがいも大切ではあるが、必ずしも100%とはいえない。
どんなに気を付けていてもインフルエンザにかかってしまったような経験を持つ人も少なくはないだろう。
では、今できることは何だろう?
当初、若者は重篤になりにくいとの発表があったせいで、若い世代や健康に自信のある人は感染しにくいと考えた人も多かったのではないだろうか?
しかし、病気が重篤化しやすいことと感染しないことは別である。
つまりウイルスからしてみれば「あまりダメージを与えず、自らを複製しやすい」健康な体を持ち、行動範囲も広い宿主のほうが、とてもいい環境であるということになる。
無症状の感染者もしくは軽症者をいかに減らし、その接触を避けるかということが大事なのであると思う。
補足ではあるが、注意したいことが一つ。
一度体内に侵入したウイルスは、症状が治まったとしても一定期間は体外に排出し続けるということも忘れてはいけない。
 
…と、少し話がそれましたが…
私ども、「儚種研究所」(注3)は人の心に作用するウイルスについて研究いたしております。
そのカタチはヒトゲノムの中の約10%を占めるというレトロウイルスのカタチによく似ております。
人の心にとってある意味なくてはならないもの…
ある種の感情や行動に作用するウイルスたちも…
生命が誕生するずーっと前から存在していたのかもしれません。
 
まず初めに、儚種研究所が研究し始めたのは「愛」のウイルス。
対象はなんであれ、人が生きる上でおそらくこれがなくては生きられないものだろう。

LOVE _ V01・2
ー愛のウイルスー

プルチック氏によると、愛は、黄緑と黄色の間…
信頼と喜びの間にあるそうです。
そんな色の組み合わせをレトロウイルスのカタチをモチーフに作ってみました。
愛は広まる。
優しい気持ちが芽生え…
宿主の気持ちの奥にひっそりと住みつき幸福感を与えます。
そして、周りの宿主たちへ…。

私はそんな、人の感情や心の奥に作用するものをウイルスに例えて作品を1年前に作ることに決めました。

1年前から試行錯誤し…
作り続けてきた儚種研究所のウイルスたちは、人には無害です。
ひょっとしたら、気分を上げるアイテムになるかも知れないそう信じて…。

注1:真核生物とは動物・植物・菌類・藻類など細胞核のあるもの。
注2:真正細菌と古細菌は単細胞で細胞核を持たない。
注3:儚種研究所は、今回の個展のテーマである研究所のタイトルであって実在はしません。

#LOVE_V01 
#愛のウイルス 
#kayoasakura #朝倉加代 
#儚種研究所