クレーマー恥

以前働いていた総合病院には大きな採血室がありました。

10個ほどの採血ブースがあり、順番を待つ沢山の椅子に患者さんが座っていました。

椅子はブース側を向いて並べられていてあそこが空いた、あっちは手間取っていると待っている人から丸見えなのです。

採血上手というのは細い血管や見えていない血管にうまくさせる人の事で、痛い、痛くないは関係ないのです。上手い人にやってもらうと痛くないというのは都市伝説に近い。

まあ、ぐりぐりと針を刺した後に探られると痛みも増しますが、上手い人でも探らなければ血管に当たらないことはあります。

そして不幸なことに神経に当たってしまうことが稀にあるのも事実。

神経に当たってしまったときの症状はここには詳しく書きません。書けば自分も当たったかも、もしくは当たったと嘘を行って補償を引き出そうという人がいるからです。

実際採血をしてびりっと来たと訴えた人がいました。大きな病院は神経損傷を訴える人がいた場合の連絡、受診ルートがきちんと決められカルテ情報に組み込まれます。どんな訴えをしたのか、病院がどんな対応をしたのか、全ての情報が共有されます。

この人「ここがビリっときたんですうっ‼️」とアピールしたのですが、医療従事者ならばもうこの時点で「思い込み、または他の原因の痛み、または嘘をついている。」のがわかりました。

事務処理を経て整形外科を受診。ここまでは無料です。ただし、この件以外の診察はできません。

整形外科で診察し、「神経症状は認められない、ただし痛かったことは確からしい」。

痛みが続くようなら再度の受診を(これは有料)。

その後再度事務手続きをするのですが、その人は再度受診するときの家からの往復タクシー代と受診料を病院が負担するよう要求してきました。

この手の要求に病院が屈することはまずないと思ってください。

この人は元々自分が受診している内科にタクシーを使って来院したいのです。

こんなケースがたまに見受けられました。

他人が採血しているのを見ただけで自分の痛みが増すという自律神経系にナイーブな方々が病院にはたくさん来るのです。

で、採血室は椅子の向きを採血ブースが見えない方向に変え、さらにブースもすべて半個室タイプにしました。

神経に当たったと痛みを訴える患者は激減。

ですよねニヤニヤ