"これじゃ、傘さしても意味ないかも…"


改札を出て、思わず口にした言葉。


家を出る前に見た天気予報で、

カワイイお姉さんが言ってた事は

間違いではないらしい。

昨日から降り続く雨は変わらず激しく、

地面で勢いよく跳ねる。


"いつまでもここにいても仕方ないし…"


意を決して歩き出す。

お気に入りのビニール傘でも気分は重く、

会社までの道のりを傘の中でちいさくなって進む。





"…さん、○○さん"

…呼ばれた…?

止まって振り返ろうとした時

"○○さん、おはよう"

"傘に、入れてよ"


答える間もなく、傘に手がかかる。

確か、お隣の部署の…?


…ドキ…ドキ…ドキ…ドキドキドキ※△○×◽☆


あのぅ、これって…?


いま、何が起きてる…の??


あたし、いま



相合傘……




バランス取るため、あたしが持つ持ち手の上に彼の手が。



肩がぶつかりそうな距離が恥ずかしくて。


でも、嬉しくて。


隣でどんな表情か盗み見る。


少し濡れた髪がいつも見かける時と違って。

いつもよりも近い距離と角度。

背が高いこと。

手が大きくて、指がキレイなこと。

はじめて見るいろんなことに

雨の強さなんて

気にならなくなった。





イメージ…福士蒼汰サン