その昔、蓮池が中学生くらいだった頃、
ハマっていた漫画があった。
週刊少年ジャンプで連載していた、
「BØY」という漫画である。
高校生の主人公、日々野晴矢（ひびのはれるや）が、
世界征服と称して、不良たち相手に暴れまわり、
強い相手やチームをバッタバッタと倒していく漫画である。
登場人物の中には、最強のロックンローラーを目指す一条誠（いちじょうまこと）や、
画家を目指して毎日アルバイトし、高校を中退してフランスに行く、
岡本清志郎（おかもときよしろう）などが出てきて、
当時多感な時期を過ごしていた蓮池少年にとって、
バイブルであり、憧れでもあった。
最終巻あたりで岡本くんが無事フランスへ旅立つ事になるのだが、
その前に、修学旅行しようぜってな事で、京都に行くというシーンがあった。
その際、岡本くんの絵の師匠、ボブじいさんに、
源光庵にある、悟りの窓の写真を撮ってきてくれと頼まれるのだが、
そこのシーンが何故かいつも忘れられず、
京都に行ったときは、是非行ってみようと思っていたのである。
ライブで何度か行かせて頂いている京都。
毎度なかなか観光出来る時間がなく、
いつも諦めていた。
しかし先日、
高橋直純さんツアーで大阪に行った際、
ライブ終了後思い切って延泊し、
自分への誕生日プレゼントがてら、
翌日京都観光してみようと思い立った。
元来、ライブのついでにちょっと観光なんていうにはあまりにも見所が多い街、京都である。
折角だったら丸一日使って色々周ってみたい。
そうだ！京都、行こう。
高橋直純さんのライブ終了後、
メンバーみんなに別れを告げ、
一人在来線に乗り、京都へ。
新大阪駅から京都駅。
近い近いとは聞いてましたが、快速で2駅24分で到着。
ほんと近い・・w
そしてホテルにチェックインしてベットに腰を下ろすと、
ライブの疲れが一気に襲ってきた。
やばい。。
ごはん食べに行こうと思ってたのに、
疲れが・・・
イカンイカン。
折角京都にいるんだから、何か美味しいものでも食べて、
明日のハードスケジュールに備えなくては。。
重い体を引きずりながら、京都駅近くを散策。
前日まで祇園祭だった為か、街は思っていたより人通りが少なかった。
そして1つの看板に目が止まる。
「京鴨鶏居酒屋」
お！なんかいい雰囲気。
でも、鴨ってなんか高そう・・
ま、まあ、折角京都来たんだし、
さっき差し入れの551の肉まん食べてお腹はそこそこ満たされてるから(セコイ)、
高かったら、すぐお店出ればいいか。
そんな風に思いながら入店。
すると、綺麗な店内にカウンター。
お客さんは紳士が一人と、蓮池とさほど年齢が変わらないであろう若い店主が一人でお店をやられていた。
席について値段を見てみると、
意外と普通の居酒屋さんと変わらないお値段。
ホッとしてビールを頼む(サッポロラガーw)。
そしてオススメを聞いて、少しオーダー。
黒豆豆腐
九条ネギのヌタ。
鴨タタキ
うわ！うま！！
そんな風に舌鼓をうっていると、
横にいたダンディーな紳士が声をかけてきた。
「ご旅行ですか？」
「そうなのです。たまたまお店見つけて入ってみました。」
「そうなのですね。
いやー、さっきから気になっていたんですよ。
頼むものが私と一緒でw」
「そうだったんですかw
なんか京都らしいものをと思って頼んでたんです。奇遇ですね〜。
そういえばさっき、広島という単語が出て来ていたのですが、
もしかして広島の方ですか？」
「今は北海道に住んでいるのですが、地元が広島でね。」
「まじですか！？僕も広島出身なのです！」
握手
初めてのお店で初めて出会った人と、
頼むものが一緒で地元も一緒w
素敵な出会いに感謝しつつ、
美味しいお料理とお酒にを頂き、
思いの外長居してしまったが、
気分良くホテルに戻る。
あー、いいお店だった！
行ってよかったなーー！！
よし！明日は7時には起きて、
8時から京都まわっちゃるけぇのーーー！！！
アラームもセットOK！！
・・・
・・・
ぷるるるーーー
・・・はい。
「お客様、チェックアウトのお時間過ぎておりますが、どうなされますか？」
・・・！？！？！・・・
携帯を充電せずに寝てしまったようで、
電池切れによりアラーム鳴らず。
時間は10時10分。
のぉぉぉ〜〜〜〜〜〜
体は元気になったが、心にダメージを負った蓮池は、
予定より2時間半遅れで、京都観光に出発するのであった。
つづく
はす
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