広島天下一品物語シリーズ、
新章「東雲開店(オープン)戦争」に突入。

この物語は、15歳蓮池少年の波瀾万丈アルバイト物語であります。

初めて読まれる方は、
過去のBLOGにある、
「中広死闘編(全5話)」
から読まれる事をオススメいたします。

BLU-SWINGブログの、
「テーマ別」フォルダにある、
「hasu」フォルダから見られます。


それでは、はじまりはじまり…



中広店での研修が無事終了した蓮池少年。

あとは東雲店のオープンを
待つばかりとなったが、
その前に、完成したばかりのお店で、
社員さんや、
アルバイトのオープンメンバー全員で、
模擬オープンと称した研修が行われた。



完成したばかりのお店。
外から見ただけでテンションが上がった。




よっしゃ!今日は顔合わせじゃ!
かわええ娘おるかのぉ?




基本的にこういう所は進歩がない蓮池少年。

とにかく新天地へのドキドキとワクワク、
そして若干の下心を胸に、
東雲店の裏口を開けた。


扉を開けると、
知らない顔の男性が一人。



「おはようございます!!」



中広店で鍛えられた挨拶。
出だしは好調である。




「初めまして!蓮池真治です。
よろしくお願いします!」


「おはよう。よろしくの!
とりあえず皆が揃うまで、
中のテーブルにおれや!」


東雲店のチーフ、Kさんであった。



タッパがあり、
猿顔の悪そうなあんちゃん
といった感じであろうか。
何をおいてもガタイが凄かった。

聞けば元高校球児で、
バリバリの体育会系!
逆らったら一発でやられる事は、
容易に想像出来た。



「分かりました!」


元気に返事をする、蓮池少年。



…いきなり怖そうな人じゃのぉ…
ってか、絶対喧嘩強いじゃん!

…いけん!
ビビってはいけん!
わしはあの厳しい中広店でやってこれたんじゃけぇ、大丈夫よ!



心の底ではビビりながらも、
ポーカーフェイスを決め込み、
店の中へと進む。

すると調理場に2人の男性が。



一人は中広店で一緒だった、N内さん。
もう一人は見た事ない人だった。



「おはようございます!蓮池真治です。
よろしくお願いします。」


「蓮池君か。話は聞いとるで。
店長のSです。頑張りや~!」



東雲店店長。
今後の蓮池少年の人生を左右する一人、
恩人の一人である。

タッパはそこそこあったが、
割と線は細く、
袴田吉彦似のイケメンであった。



わっ!この人が噂の東雲店店長か!
思ったより恐そうじゃないじゃん!

もう!中広店店長、
やっぱりわしをビビらす為に大袈裟に言っとったんじゃの!



中広店店長が研修最終日に言った一言、

「わしより厳しい…」

この言葉がずっと引っかかっていた
蓮池少年。
意外と優しそうな東雲店店長の顔を見て、
少し安心した。



そして、N内さんは、

「おう。」

と、相変わらず言葉少ない挨拶であった。



一通り挨拶を済ませ、
真新しい店内のテーブル席に向かう。

入って右側のテーブルには、
先に2人の女性が。


「蓮池君、おはよう。」


昼帯のアルバイト、T谷さんである。

T谷さんとは、中広研修が一緒だった為、
面識があった。

年齢は当時19歳だったか、
ふくよかで優しそうだが、
なんか眼光するどく、
若干のヤンキー臭がする女性だった。

彼女はその後、アルバイト全員が慕う、
姉御的存在になる人である。


T谷グループのテーブルに座っていると、
続々と東雲店メンバーらしき人達が集まってきた。


先に座っていたI田さん、
中広研修で一緒だったN村君、S田さん、
元レディースの匂いがするS郷さん、
看護学生のK本さん、
元気な女子高生、A木ちゃん、S本ちゃん。



元ヤンから女子高生まで、
バラエティ豊かな動物園的テーブルとなった。



なんかガツっとどストライクの女の子がおらんのぉ。

わしはふわっときゃぴきゃぴっとした歳上の女性が好きなんじゃがのぉ。

でもS郷さんは綺麗な人じゃのぉ。
恐そうじゃけど。
あとK本さんも捨てがたい!



ばか丸出しである。




そんな失礼な思いを抱きつつ、
お互い敬語で、ぎこちないコミュニケーションをとっていると、
なんかふわっと良い匂いがした気がした。


次の瞬間、女性が3人入ってきた。



…か、かわいい!!




きたー!
かわいい娘きたーー!
動物園にキャンディーズが現れたぁぁぁ!
3人ともぶちタイプじゃーー!!


ランデブー!ランデブーじゃわー!
同じ東雲店で働くなんて…

きっとこの3人の誰かと、
恋に落ちてしまうんじゃわー!!


「はす、こんなとこで…ダメだょぉ」

的展開が、容易に想像出来るわー!



ドキドキしていると、
続いて東雲店副店長のK野さんが入ってきた。


「じゃあ、海田店の人は左側に座っといて。」



•••




み、
店違うんか~~~い!!!

か~~い!!

か~い!



海田店も4月オープンするお店で、
まだ完成していなかった為、
東雲店で研修をする事になったのだ。




なんでや~!
なんでわし、
東雲店を選らんでしもうたんや~!

なんで最初の面接の時、
海田店じゃないと働きません
って言わんかったんじゃ~!!

わしのばかぁぁぁ




因みにこの3人の女性、
後に海田3人娘と呼ばれ、
男達を魅了するのであった。



短時間の間に、一人勝手に一喜一憂する蓮池少年。


すると次の瞬間、
店内が、



ピリッ



とした。



「おはようございます!」
「おはようございます!!」
「おはようございます!!!」




西日本の天下一品総大将、
閻魔大王様こと、
ベスト天下一品社長の登場である。



つづく


はす