イギリス歩け歩け旅行記② | ディーダラスのひこーき工房 ~Dedalus's Aviation Studio~

ディーダラスのひこーき工房 ~Dedalus's Aviation Studio~

「ホップ、すてっぷ、ジャンプしたらそのまま飛んでいけ!」
 "Hop, step, jump and fly away!" This is the studio to build "airplanes" from materials in the storehouse in my brain...

晴れ。

6時半に起き、ホテルの一階にあるレストランで朝食。

メニューにはお馴染みのコンチネンタルブレックファストと「スコティッシュ」ブレックファストがある。

せっかくだからとスコティッシュを頼んでみると、スコットランドの名物ハギスがついていて旨かった。

9時にホテルを出てウォータールー通りをウェーバリー駅の方へと向かう。エディンバラはさすがに都会でかなりの数の観光客もいるのだが、朝のこの時間にはまだそれほど人もいなかった。個人的に、この時間帯のエディンバラが最も美しいと思う。エディンバラ②真夏だというのに、長袖でもいいくらいの気候だ。まずは手持ちの現金がないので、ウェーバリー駅近くのマークス&スペンサーで両替をする。入り組んだ店内で迷ってうろうろしていると、おばあさんが声をかけてきてくれた。「どうしたの?何を探しているの?」「あの、お金を両替したいんですけど」「ああ、それなら向こうから地下に降りるといいわよ」こんなことでも、旅先で親切にされると感激してしまう。両替を終えて外に出ると目の前にはスコット記念塔がある。スコット記念塔いかにもモニュメント、という感じのこの塔の周りには公園があり、多くの人が座って休んでいた。俺たちも、と公園のベンチに腰掛けると、そこからはエディンバラ城が見える。エディンバラ城①時計を見るとまだ9時10分過ぎ。最初に行きたいと思っていたスコットランド美術館が開館するのは10時。まだ時間がある。予定を変更して先に9時半に開くはずのエディンバラ城に向かうことにした。エディンバラ城の前には既に観光客の行列ができていた。エディンバラ城②エディンバラ城では今、「エディンバラ・ミリタリー・タトゥー」という音楽イベントが行われている。この行列はそのイベントの行列か、それともただ城に入るためだけの行列か…。少し考えてから行列の最後尾の人に尋ねてみると、どうやら城に入るためだけの行列のようだ。一緒になって並んでいると、間もなく城の入場口が開いた。中に入ると、「ミリタリー・タトゥー」の会場の奥にチケット売り場が見える。エディンバラ城③チケット売り場の手前には警備員らしい男性がいて、客の手荷物をチェックしていた。よく見ると、荷物をチェックされている人もいれば素通りしている人もいる。どうやら全員をチェックしているわけではなく、怪しそうな客にだけ声をかけているらしい。ならばこの善良が服を着て歩いているような俺が怪しまれることはあるまい。いやあ、警備ご苦労、ご苦労。フレンドリーな態度で素通りしようとしたら警備員にキツイ調子で呼び止められた。「ちょっと待って。カバンの中を見せなさい」「はい」この好青年のどこが怪しいのだ、とは一言も言わずに、小さくなりながら素早くカバンを開けて中を見せた。奥へ進んで窓口の前にできた行列に加わる。窓口は全部で4つほどあるのだが、なぜか俺たちの並んでいる窓口の列が進むのだけが遅い。窓口のお姉ちゃんの手際が悪いらしく、あまりの遅さに途中で隣の列に移る者が続出する。俺も隣に入っていきたかったのだが、無理やり入っていって「ちょっと!こっちが先に並んでるでしょ!」なんて叱られようものなら、小心者の俺はビビってチビってしまうかもしれない。大人しく同じ列に並び続けているとやっと俺の番が来た。窓口のお姉ちゃんにチケットの種類を告げる。'A daily allowance for adults, please.'すると、お姉ちゃんが即座に言った。'39pounds and 20.'え?39ポンド20ペンス?日本円にすると…8,000円弱?高すぎるだろ!ふと横を見ると、料金表には9ポンド80ペンスと書いてある。「あの、料金が違いますよ。9ポンド80ペンスでしょ」俺がそういうと、お姉ちゃんはにこりともせずにこう言う。「だって、あなたが『大人4人』って言ったんでしょ」は?4人?そこでやっと気づいた。このお姉ちゃんは、俺が'Daily allowance, four adults'と言ったと思ったらしい。「いや、1枚ですよ、1枚。ハハハ」慌てて訂正すると、お姉ちゃんは憮然とした顔で新たなチケットを発行した。それにしても、もう少しにこやかにできないのか、この人は。エディンバラ城は町を見下ろす高い位置に建てられている。上まで上ると、美しい町並みが一望できる。エディンバラ城④見事な風景を眺めていたら、さっきまでのイライラが治まってきた。一通り城の中を眺め、城外に出て町を歩くと、あちこちでパフォーマンスをやっている。バグパイプ伝統的なバグパイプ演奏もあれば、ジャグリングをしている人、歌を歌っている人など、様々だ。数歩歩けば演劇やコメディのライブのチラシを渡される。一通り町を歩き、ウェーバリー駅まで戻ると駅近くのプリンシズ・モール内のフードコートで遅めの昼食を取った。その後、スコットランド美術館へ行くと、ここでも厳重なセキュリティ・チェックがあった。ラファエロやボッティチェリが無料で見られるなんてなあ、とホクホクしていると、女性警備員が俺に声をかけてきた。「椅子の荷物が…」不意に聞かれたのでよく聞き取れず、彼女が指差す方を見ると、椅子の傍にリュックサックが一つ置いてある。「椅子のところに荷物を置けっていうことですか?」尋ねながら俺が椅子の方に向かうと、彼女が「違う、違う」と言う。「椅子のところに荷物が置きっぱなしだから、あなたの荷物なのかと思って。荷物の所有者が分かればそれでいいの。あなたの荷物なの?」そういうことか。この荷物が置きっぱなしになっていたので不審に思ったわけね…。…ってことは、このリュック、モロに不審物じゃないか!俺は慌てて荷物から離れて答えた。「違います!僕のじゃありません!」「そう、あなたのじゃないのね」彼女はトランシーバーを取り出すと他の警備員を集めだした。急に動きが慌しくなる。こんなところでウロウロしていてリュックが爆発したり、「やっぱりお前が置いたんだろう」なんて連れて行かれたりしたらたまらない。俺は急いで美術館の外に出た。美術館の前の広場ではバグパイプとドラムを組み合わせた音楽パフォーマンスをやっていた。スコットランド美術館音楽に合わせて5歳くらいの女の子が踊っているのが見える。楽しいなあ、と思ってギャラリーの中に入っていった。音楽を楽しんでいる俺の目の前には中年の夫婦がいた。俺の目の前にいる奥さんはリュックを背負っている。二人ともにこやかな表情で音楽を楽しんでいたが、旦那の方が振り返って後ろの俺に気づくと、そっと奥さんにリュックを降ろさせ、自分の手に持った。そんなに怪しいですか、俺は?俺はテロリストでも泥棒でもないぞ!そう思いながらホテルの方へ戻ってくると、「ギルフォード・アームズ」というパブが目に入った。ギルフォードアームス有名なパブらしく、人で賑わっている。入り口には強面の男性二人が立っていた。ちょっとビビったが、今までパブに入ったことがなかった俺は思い切ってこのパブに入ってみることにした。パブでは客がクリケットの放送を見ている。カウンターに行ったが注文の仕方が分からず、5分ほどオロオロしていると同じく注文をしに来た中年の女性が話しかけてきてくれた。「どこから来たの?」「日本からです。パブには初めて来たんですよ」「あら、そう。大事なのは『アイ・コンタクト』よ。じっと見てないと来てくれないんだから」なるほど、と店員の顔をじっと見ていると、すぐに来てくれた。初めてのパブを堪能してホテルへ戻ると、夕食はホテルのレストラン「MP's」で済ませることにした。朝食の出来から見ると、夕食も期待できるかもしれない。メニューにざっと目を通すと、前菜からメイン、デザートと一通り揃っている。店員が「今日のスープはトマトとバジルです」と言うのでそれを頼み、メインを選ぼうとすると「サーロインステーキ」という文字が目に入った。誰かが「スコットランドは肉が旨い」と言っていたのを思い出し、それを注文する。トマトのスープはとんでもなく濃く、酸っぱかった。濃厚なトマトジュースを飲んでいるようだ。そういえば俺は酸っぱいものが大嫌いなんだった。何でこれを頼んでしまったのだろう。ステーキを飲み下してトマトの酸味を消すと、すぐに席を立った。部屋に戻ってテレビをつけると、BBCで「Hiroshima」という番組の告知をしている。意外なことにイギリスでは原爆等の「第2次世界大戦と日本」といったテーマに関心が高いらしい。「Hiroshima」という番組も面白そうだな、と思いながら明日に備えて早めに寝ることにした。明日は列車でヨークへ向かう予定だ。