平面作図は縦線と横線しか描けないため、立体から離れた平面図をつくりがちになります。立体感を出す「厚み」はどうやって平面で表わすのでしょうか?
身体の厚みを捉える重要性を提唱したドイツのミューラー理論は、三次元の厚みの基準線である重心線を使って二次元の平面で表現できるようにしたことはよく知られている。すなわち重心線は立体でも平面でも同じ共通の基準線になるため、平面作図でも立体の凸凹感を現わすことが可能になり、「三次元平面パターン」と呼ばれています。
重心線は、いわば立体の体型と平面パターンの間で架け橋をしているような役割をしています。つまり共通した基準線がなければ、立体である体型を平面パターンに反映させることはできないことになります。
重心線は文字どおり、重みの中心で前と後ろを分ける中心線です。例えば前後の身頃の中心線は、左右の重みが同じバランスにとれる位置の線ですよね。これと同じように前後が同じ重みになるバランスの位置が重心線です。重心線は耳の前端から腕の前端を通って、足の真中を通る線になります。この重心線がなかったら、バスト85cmというように単なる寸法でしか把握できません。
厚みの基準線(重心線)から前と後とで計測すると、曲面の場所によって(バスト/ウエスト/ヒップの各計測値) 差が出てきて、その差は曲面の凹凸を表わします
ちなみに脇線というと、肩線と同様、ボディに縫い目があるだけで身体にはないため、どこに縫い目をもってこようと構わない縫い目線になります。
体型は立体であることから、前、後、厚みの三面を計測する必要があるため、体型の側面の基軸は重心線になります。厚みの計測がなかったら、横と厚みを一緒に計測してしまうため、横と厚みの区別ができない平面的なパターンになってしまいます。
立体の平面への転換方法である「三次元平面パターン」の基本的な考え方は、体型の各ポイント(例、ネックポイント)を体型基準線(前と後ろの中心線、重心線、バストラインやウエストライン、ヒップライン等の周径線)の二つ以上の基準線からの長さを計測すると、相互に食い違いが出てくるため、この差を体型のふくらみ分としてダーツにします。つまりダーツ 分量が自然に出てきます。
またミューラー理論は、体型のある部分と他の部分(例、バストラインに対するウエストライン、ヒップラインなど)とのバランスを重視します。 重心線を基準線にしたことで、人体の大きさ(身長やバスト)に対する体型の各部位の比率(バランス)が計測できるようになり、人体の各部位を数値として捉えることが可能になったのです。そこで不特定多数の人を対象にして統計的に計測した結果、各部位のバランス計算式が使えるようになったことから、いろいろな体型のタイプに合わせた原型が作成できるようになりました。
立体は横の寸法を変更すれば必ず縦の寸法にも変化が起こります。例えばバスト線の前幅を拡大すれば前丈も必ず大きくなる、という変化になります。重心線を基準とした製図法であれば、体型のバランスの変化にも対応できるため、グレーティングでも容易に操作できます。
よく利用されている文化式原型は計測寸法がバスト寸法と背丈のみであとの寸法は定数を利用するため、製図は簡易的になるが、そのままだと体型にフィットせず、仮縫いによる補正が必要になる。補正を少なくするには、パターンメーキングの段階で背肩幅、胸幅、背幅などの計測値を入れないと適合性が高まらない。例えば、胸囲に対して背肩幅が広い場合、アームホールが小さくなるし、逆に背肩幅が狭い体型の場合、アームホールが大きくなる。胸幅と背幅を計測すれば、袖ぐりの幅も決められる。
重心線を基準とした製図法を利用すれば、体型に近いバランス原型が平面パターンで引けることになります。最新のCADには、「三次元平面パターン」が応用されています。
重心線を基準にした製図法の詳細は、下記の単行本(「パターンメ-キングの基礎」と「体型分析と原型・グレーティングの理論と操作」)に書かれています。
高いところが好きにゃねん
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