私たちの中学校では、毎年五月に、

「校内記録会」という、クラス対抗の陸上大会が行われる。

 

1年から3年まで、グラウンドを走り、跳ぶのだ。

 

 

始めは、100m走。

これは、全生徒が走る。

 

皆、半袖短パンで走るのだ。

 

速い人もいれば、遅い人もいる。

 

私は、遅い方だったな。

 

私たち1年から見たら、3年生は、体格が全く違う。

 

男子も女子も、背が高く、成長している。

 

その中で、私が強烈に覚えていること。

 

河瀬さんという3年の先輩。

ふくよかな体型である。

走る前なのか、半袖ブルマでいた。

 

その姿が、まあ言葉は悪いが、ドラム缶のようだった。

体にブルマが密着し、はち切れんばかりになっていた。

白い体操服も、キツそうだった。

 

今思ったら、体操服は、何サイズだったのだろうか?

 

LL?3L?なんてものがあったのか。

 

後日、私は河瀬さんに会うことになる。

 

私は、2学期の始め、塾通いを始めた。

そのとき、一緒になったのである。

 

私は中1、河瀬さん中3であり、この年の差。

同じ中学であったので、少し話しかけて貰ったのであるが、

私は(今もそうだが)、女子は大の苦手で、ろくに会話することができなかった。

3年生となると、大人の雰囲気で、

さらに緊張してしまう。

 

塾の中では、ふくよかな体型に制服姿で勉強していた。

 

私が、校内記録会で、ブルマ姿を脳裏に焼き付けているなんて、

思いもよらなかったことだろう。

 

河瀬さんは、隣町の高校に進学。

今も、元気かな。

 

昔、テレビを見ていたら、

女子の脇を特集していた。

 

街角で若い女性に、脇の手入れについて問いかける。

今の私の脇はごま塩くらい、と答えた女の子がいた。

 

「では、脇を見せて」と

男性が女の子の腕を持ち上げて脇を見ようとしたら、

その女の子は男性の手を振り払い、軽く睨んだ。

 

私の脇を見られたくない、という気持ちがそうさせたのだろう。

 

脇、不思議な部分だな。

男は特に何もしない。

 

女は、何故かきれいにする、否、

しなければならない義務のようになっている。

 

まあ、電車のつり革で、ボオボオだったらびっくりするな。

 

体育の授業前。

体育館に向かおうとすると、

女子が2人、更衣室から出てきた。

 

もう夏なので、長袖や長ズボンを着ることはない。

男女ともに、半袖半ズボンで体育の授業を受けるように言われる。

 

 

その2人が、

何故か「きゃああー」と

言いながら走り去っていった。

 

別に何かしたわけでもない。

 

ただ、男子に近くでブルマ姿を見られてしまったのだ。

 

香織さんとめぐみさん。

私の小学校の同級生。

 

小学校の頃は何も思わなかったけれども、

 

中学生になり、ブルマ姿は恥ずかしかったのだろうな。

 

 

昔の中学校は、校則が厳しかった。

 

靴下は白のみ、

スカートはひざ下10~15cm、

髪を括ってはならない。

 

 

 

今思うと、なぜなのかなと思うときがある。

教育効果はどうだったんだろう。

でも、いわゆる「不良」の3年生はスカート短く、毛を染めていたような。

 

 

私の学校は違ったけれども、

男子は丸刈り、という学校もあったと聞く。

「丸刈りは少年院でするもの」という国もあるようだ。

 

私が1年の時、少しだけ改正された。

 

スカートが短くなり、

靴下はワンポイントでもよい、

髪は黒のゴムでくくる、

 

それでも細かかったなあ。

 

クラブ活動がある。

 

私が着替え、向かおうとしていた時、

ある女子が走り、通り過ぎて行った。

 

長ズボンを忘れてしまったようだ。

 

ブルマ姿でクラブに出る。

 

由香さんという子。

 

長ズボンと違って、太腿がでてしまう。

 

男子の前に出ると、恥ずかしくて仕方なかったのだ。

 

 

 

 

 

近くで、同級生が話していた。

 

己穂さん「次の体育、体操服忘れたの。ブルマ貸したげよっか?」

祐輔くん「いやいや・・・。」

 

そんなことを、覚えている。

 

岡本さん、小柄で、やせ形で足が細くてきれいだった。

 

2年の最後で、転校してしまった。

 

小学生のころ、体操服は男女ともに同じものを着ていた。

 

中学生でも同じだと思っていた。

 

それが、違ったのだ。

 

女子の履いていた「半ズボン」は、

「ブルマ」と呼ぶことを後で知り、

何だか変な名前だな、と思った。

 

その後も、運動場で、体育の授業は繰り返された。

男子、女子ともに短距離走だったか。

 

同じ運動場を男女で使用する。

その度、私は女子の走っている所をよそ見する。

 

先生に注意されたことはなかった。

でも、「集中していないな」と思われたことだろう。

 

 

中学校に入学した。

 

制服があり、男子は黒の詰襟、女子は紺のブレザーを着る。

 

新しいことに慣れるまで時間がかかった。

 

 

 

体育の時間、中学からは男女分かれて授業を受ける。

 

この時期は、女子のほうが背が高く、力も強い。

 

6年の頃はあまり感じなかったけれども、

中学で、体力差が出てくる。

 

男子が半袖半ズボンで整列していると、女子が現れた。

先生のゐる所まで、私たちの数十m前を、走る。

あれは、何を履いているのだろう?

と私は思った。

 

男子は、トランクスを少し長くしたような半ズボン。

女子は、半ズボンの端を切ったような、短く、体にくっ付いたようなズボン。

男子よりも、太腿が見えて、白く目立っている。

 

ぎこちなく、走っている。

少しうつむき加減に、通り過ぎて行った。

 

何だろう、女子は何であんなズボン履くのかな、

変わったズボンだなあ、

と疑問に思いつつ、体育の授業を受けていた私。

 

授業が終わると、男子も女子も制服に着替え、

教室での授業に戻った。