No.395 (越境EC)  越境EC総合税と行郵税

 

 

 

中国越境EC総合税適用に関して中国税関の制度が厳格化してきました。


Tmallも天猫国際直郵便3.0も5月15日に施行されてます。


 

この一年ほどは、越境EC総合税適用に関して比較的ゆるい感じでした。

 

しかし、最近は三単情報の一つである支払い情報を正確に中国税関に提出することを求められます。

 

 

 

そもそもの越境EC総合税を復習したいと思います。

 

 

〇関税率と購入限度額

 

 基本9.1%

 贅沢品は23.1% (化粧品の場合1mlもしくは1gが10元以上の商品)

 

 1受注1発送の制限額:5,000元

 年間の一人の制限額:26,000元

 

〇適用のための条件(掲載内容の他にもあります)

 

 三単情報必要

 ・受注情報・・・中国以外の国から受注したという情報。簡単にとれる。

 ・運送情報・・・中国以外の国から商品を発送したという情報。比較的簡単にとれる。

 ・支払情報・・・購入者が代金を支払ったという情報。これが難しい。

 

 支払い情報を中国税関に渡すことができるのは、中国政府にモール運営登録をした中国のモールのみです。

 

 わかりやすく言うと、TmallやJD.com。

 

 

 支払い情報って何?ってなりますが、簡単にいうとクレジットカード番号情報みたいなもの(厳密には違いますが)

 

 日本の感覚でいうと、当然販売者が購入者のクレジットカード番号を把握するわけです。

 

 購入者→販売者 (支払い情報がわかる)

 

 

 でも、中国のモール販売は違います。

 

 支払いはあくまでも、モールと購入者で行います。

 

 購入者→Tmall→販売者 (支払い情報はTmallのみ把握)

 

 販売者はモールから代金もらうだけ。だから、販売者は支払い情報を把握できない。

 

 個人情報にあたるので、モール側も簡単に販売者に支払い情報を渡せないんです。

 

 

 こうなると、越境EC総合税を適用するには支払い情報をモールから貰えるモール傘下の物流会社を利用しなければなりません。

 

  Tmallなら菜烏物流

  JD.comならJD物流

 etc.・・・

 

 今後は越境EC総合税を適用するには、モール傘下の物流会社を利用する必要があります。

 

 

 

 

 

でも、Tmallでは利用物流会社に色々規制(天猫国際直郵便3.0)がありますが越境EC総合税を利用せずに発送する方法もあります。

 

 

行郵税モデルです。

 

〇関税率と購入限度額

 

 関税は3種類:13% 20% 50%

 1受注1発送の制限額:1,000元 (分割不可は5,000元)

 

 行郵税の最大のメリットは50元免税があるところです。

 

 50元免税とは、例えば380元の商品を買って関税率が13%の場合。

 

 380元×13%=49.4元が関税額 でも、50元以下なので関税は0円ってことです。

 

 (ちなみに越境EC総合税を適用させる場合は、380元×9.1%=34.58元(関税約520円必要))

 

 380元×15円=5700円 だいたい、6,000円弱の商品を販売している販売者にはメリットがある通関方法です。

 

 でも、中国人が越境注文1受注で6,000円以下ってあまりないような気がする・・・。

 

 

 行郵税を適用させるには2つの発送方法があります。

 ・国際郵便

 ・クーリエ発送(SFエクスプレス・申通エクスプレス・中通エクスプレス等)

 

 国際郵便の行郵税は、税金がかかる場合とかからない場合があります。

 

 税関もマンパワーなのでしかないでしょうか。

 

 

 クーリエ発送は行郵税でも必ず関税かかります。でも、最近の中国税関の動きを見ていると関税はきっちり払って輸入される方がいいですね。

 

 

 

中国向け越境ECは毎年色々と条件が変わるので販売者は大変だと思います。

 

物流関係者も大変です。

 

でも、中国のマーケットは大きいから無視はできないですね。

 

 





 

あとがき、

(あくまでも、個人的な考えや情報を発信しております。)

所属: 物流会社 マネージャー 越境EC 海外販売 

保有資格: 通関士 国際複合輸送士 貿易実務