No.392 (越境EC)2019年1月以降の中国越境EC物流
2019年1月1日から中国の通関が強化されると中国政府から発表がありました。
そのため、中国越境EC物流状況について気になっている人が凄く多い。
中国の越境EC物流はここ数年でトレンドがころころ変わるので対応するのが大変。
ここで過去の中国越境EC物流のおさらい。
中国越境EC初期〜
2015年頃から中国越境ECが盛り上がり始め、EMSでの発送が主流となる。
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2016年6月1日のEMS値上げによりEMS利用大幅減少
(中国大手モール出店企業)
同時期に中国保税区保管、保税区発送モデルが増加 主流となる。
(個人事業主越境EC &卸販売)
EMS値上げにより商品単体で発送することが少なくなり貨物が大型化し国際小包利用増加。
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(中国大手モール出店企業)
保税区保管商品が売れ残った場合、日本に商品も戻せないという問題が発生。
売行きが不透明な商品は日本から直接発送するモデルに切り替える企業が増加。
(個人事業主卸販売)
貨物大型化に伴いグレー通関である広州税関大陸ルートが発達。
この頃から中国人バイヤーが日本に押し寄せ、爆買いをし中国で転売をする主婦等(転売ヤー)が増加。転売ヤーの大量増加により中国国内の日本商品小売価格が大幅下落。
中国越境ECモールに出店している日本企業が打撃を受ける。
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(中国大手モール出店企業)
保税区発送モデルが定着。
(個人事業主卸販売)
広州税関ルートがブラックルートと判明し、広州税関ルート消滅。
香港E特快(イートッカイ)ルートが発達してきたため、中国大手モール出店企業・個人事業主供に利用を開始。
(香港E特快・・・貨物を航空貨物で香港に入れてから、香港郵便局出し広州通関ルート)
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2018年
(中国大手モール出店企業)
E特快を利用する越境EC企業が大幅増加。日本だけでなく欧米からもE特快を利用するため香港ー広州ルートがパンク。また、そもそも申告商品以外の物が多数輸入されていたり、申告価格がでたらめなためE特快ルートが消滅。
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2018年後半
EMS・E特快共に中国向け越境ECで利用しにくい状況となる。
代替え案とし『中国越境EC税率適用配送モデル』が急速に普及。
『中国越境EC税率適用配送モデル』が2019年以降主流となる予想。
『中国越境EC税率適用配送モデル』はEMS・E特快と違い中国税関で必ず関税がかかります。関税率も一部贅沢品を除き11.2%と安い。
この必ず関税がかかるというのが売り。
数年前までは必ず関税がかかるといえば、選択肢からすぐに外されましたが今は違います。
2019年1月1日以降中国政府は関税を払わずに輸入することに対してペナルティを与えるというようなニュアンスを発しています。
だから、関税をしっかり払ってコンプライアンスを守った国際配送商品を選ばざるを得ません。
現在の中国向け越境EC物流の現状ですが、実を言うと動きが全くありません・・・。
特に税関が厳しくなったという情報も入ってきません。
2018年10月頃から厳しくなってますが、1月以降ってわけでない。
各セラーに聞いても、様子見です。
みんなが揃って言うのは、2019年2月初旬の春節の大型連休明けから徐々に税関が厳しくなるであろうってことです。
4月〜5月頃には税関の方針も決定し、『中国越境EC税率適用配送モデル』が主流となるとおもいます。
そのためにも、今から『中国越境EC税率適用配送モデル』を導入しておく必要があるとおもいます。
越境EC通関ができる商品は2019年1月に更新されてます。
『中国越境EC税率適用配送モデル』について知りたい方は、ダイレクトメッセージ下さい。
あとがき、
(あくまでも、個人的な考えや情報を発信しております。)
所属: 物流会社 マネージャー 越境EC 海外販売
保有資格: 通関士 国際複合輸送士 貿易実務