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無類の耳掻き好きである。自分の耳を掻くのも、他者(身内限定だが)を掻くのも趣味と言っていいほどだ。

きっかけは小学生の頃。毎週土曜日の昼食後が決まって耳掻きの時間だった。母に膝枕されての耳掻き。陽気がよければウトウト…できなかったのだ。とにかく痛い。奥歯を噛みしめ、いつ痛みがきてもいいような心構えでいた。耳掻きが大嫌いだった。

ある日、母から自分で耳掻きをしてもよいと許可がおりた。恐る恐る掻いてみる。

痛くない!

当然、痛いと思えば手を止められ、自分のペースで進められることにいたく感動を覚えた。

それから数年間、珍しいもの、先の角度が違うもの、私の耳掻き好きを知る友人からの旅行土産、と普通の家庭にはないであろう本数が集まった。

そしてはたと気付いた。

自分の耳の中はどうなっているのだろう。どこまで耳掻きを入れていいものだろう。

医学事典で「耳」を調べてみる。ふむふむなるほど。さて、耳の中は…。会わせ鏡をしてみる。見えない。光が足りないせいか。小型の懐中電灯で照らしてみる。見えない。

耳鼻科の専門医が使う器具も他者の耳を見るためのものであり、自分の耳の中は見られないのか。

諦めかけていた時、目に飛び込んできた通販の耳掻き。

透明なプラスチックの耳掻きの横に長さ3センチ程のカメラがついていて、片目で中の様子を見ながら掻くことができる優れ物。価格は約11,000円。高い…。

結局大して悩むことなく購入した。一年程使用した後破損し、現在は二代目。「耳掻きに一万円以上かけるなんて」と引く友人も多かったが、私にとっては必要経費だ。

しかし掻きやすさでは竹のものが一番。ヘビーユースのため飾りは取れてしまったが、北海道旅行時に500円で購入した土方歳三耳掻きが現在一番の相棒。耳掻きをし、入浴後に綿棒で水分を取る、これが現在のパターンだ。

たかが耳掻き、されど耳掻き。さて今日はどの耳掻きを使おうか。至福の時である。