良書とはどんな本でしょうか。

私にとっては、「自分の頭になかった何かを与え、よりよく生きるヒントになる本」かなと思います。
・今まで知らなかった知識を与えてくれる
・今まで見たことのない角度から物事を見させてくれる

こういうのをパラダイムシフトというらしいですね。

パラダイムって簡単にいうと自分のなかにある

世界の見方

だそうです。
みんなそれぞれ同じ事実でも自分が育った環境まわりの声などによって形成された価値観をもって、その事実を見て、感じて、それに反応していきている。
だから、どんな人生を送るかはどんなパラダイムをもっているかで決まるのだと思います。

今あるパラダイムを転換させてくれる出会い、本、経験、その中で本当に自分が生きたい人生を形成していくのが人生なのかなと思います。

この宿泊施設で私の世界の見方を少し変えてくれた本を紹介します。


『「愛する能力」と「楽しむ能力」』加藤諦三
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何千本とある中からなんとなくこの本を手にとったのも直感が働いたからでしょうか。
私が今までもっていなかった見方、おぼろげだった考えをズバッと簡潔に言語化してくれ本。

25年前に書かれた本なのに、現在の子どもを育てる家庭、教育の中での見えにくい問題を直球で説明してくれていると感じた。

心にとめておきたい言葉がいくつもあって、ノートにメモりました。
全部は紹介できないけれど、いくつか紹介させてください。

「相手を受けいれるということの逆は 相手に理想を要求する ということである。」

私は、教師として子どもに自分の中に理想をもっていることがとても大事だと思っていた。
そこに近づくために、それを基準に良い悪いを判断して、生徒と接していた。
すると、自分の理想から外れる場合は、「それは違うでしょ」という指導になる。
そうすると、子どもの判断の基準は、

自分がしたいから、自分がいいと思うから

ではなく、

先生がいいと思うことか、先生が喜ぶことか

といことになる。
学校生活では、たいていの子どもがこういう価値観で生活しているのではないかと思う。
それは、たいていの教師がありのままの子どもを受けいれる前に、自分の理想を無意識に押しつけているから。
こうやって言うのは、自分が一番そうしてきたからです。
そんな教室の中で、

やりたいことがわからない、
夢がない、

という声が聞こえてくるのは当然のことなんだと今ならすごく納得できる。


親もそう。
親が子どもにこうなってほしいと期待すればするほど、子どもありのままの姿は消えていくのかもしれない。期待が高いほど、子どもは親の愛を受けるために それに応えることばかりを考える。そうすると、自分自身がしたいことはなんなのか、わからなくなる。

「子どものすることをただただ応援する」

私は親になったことないけれど、これって、簡単なようで、とっても難しいことなんだと思います。

その点、うちの親はほんっと、自由にやらせてくれたと思います。
好奇心旺盛な私が「やりたい」と発したことは、たいていやらせてくれました。
中には、親の本心にはそぐわない選択をしてきたこともいくつかあったとおもいます。
それでも、私がやりたいのならそうすればいいといって何をやるにも私の思いを優先してくれました。
でも、そんな親に私の選択に干渉しないイコール私に対して興味がない
ということだととらえ、ひねくれたこともありました。

そんな恩を仇で返すようなことをしてきた私をいつも大切にして、何をやるにも応援してくれた父と母。
そんな親がいたから、今自分は自分の意思でここにいて、夢があって、未来を信じる力があるのかなって思います。
一緒にいると、近くにいることに窮屈さを感じることもありますが、離れて落ち着いて考えてみると、本当に感謝の気持ちでいっぱいになります。


もう一つ別のパラダイムシフト。

私は、今までいろんな人を傷つけてきた。
そして、傷つけられた。

そうやって、ずっと思っていました。でも、この本の文を読んで事実の見方変わりました。

「人は相手の言葉によって傷つくのではなく、相手の言葉に対する解釈の仕方によって、傷つく。相手がどのような人間かによって、人は相手に不満を感じたり、怒りを感じるのではなく、相手に自分が何を期待しているかによって、不満になったり、怒ったりするのである。」

そうだったんだー!
と衝撃が走りました。
衝撃だったけれど、とっても納得できる言葉。

今まで傷ついてきたこと。
それは、自分が相手に求めていたことと違うことをされたり、言われたりしたこと。
もし、自分が相手に何も求めずにただただその人を愛するだけの自分の在り方だったとしたら、きっと傷つくなんてなかったのだろう。
今振り返ると、そうやって傷ついてきたことは、すべて「自分のことをわかってほしかった」「もっと認めてほしかった」「もっと愛してほしかった」と自分の要求がその人への愛の前にあった出来事だったと思います。

そして、自分の言動で傷つけてきた人たち。
それは、その人が私に掲げる理想に応えられなかったから。
私に求めているものを、私が与えられなかったから。

だから傷つけるってことは、傷つけた人の話のようで、実はその感情を受けとった人の受けとり方のことなのかなと。

これまでに、私のせいで心を痛めさせてしまった人のことを思い巡らしました。
あのときは、その方たちが私に期待する姿の私でいられなかったことで苦しい思いをさせてしまって、今でもごめんなさいと思っています。
でも、同時に、私がその方たちにできることって何もないと気づく。
だって、その感情は受けとる側でしか選択できないから。
私がいくら頑張ってもどんな受け取り方をするのかは、その人でしか選べないから。
だから私は私で、今を一生懸命生きるってことしかできないんだなって。

ここで、もう一節引用。

「大切な人が自分に対してどのような態度をとるかということに自分の幸せが依存しなくなった時、本当にその人の幸せを考えてあげられるようになる。そうなった時にはじめて本当の思いやりが出てくる。」

私には大切な友達がいる。
自分のせいでその子を苦しめてしまったけれど、
どんなに嫌われようと、
どんなこと言われようと、
その子が何しようと、
私の中で、その子のポジションはかわらない。
相手がどうであろうと、私にとっては唯一無二の大切な人。
その思いは死ぬまできっとかわらない。
それだけ大切だと思える人に人生の中で出会えただけでも、とても幸せなことですね。



なんか、話が当初予定していないところに行き着きましたが、本を通して自分と向き合う時間が、私は好きです。


今は、また別の本を読んでいて、これも勉強になる!
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これって有名な本だよね?
何度か見たことあったけれど、本の分厚さから今までは手に取る気にはなれなかった本。
でも、一度読み始めてみるとやっぱり中身は良書だとわかる。
まだまだ序盤だし、内容が濃すぎてまとめられないけれど、いい本なのでタイトルの紹介のみ。お暇があるお方はぜひ!