わたしが彼の国へ嫁ぐことを、父に告げた。
あの時は、頭ごなしに反対はしなかった。若いふたりがその気なら、娘の幸せを願って、遠くから応援しているよ、と。
母も反対はしていない、と父は言っていたが、わたしの行動は、母が母なりに描いていたわたしを送り出すイメージとはまったく違っていたと思う。
表面上は祝福されてた。
もう何も心残すことはない。彼と一緒に幸せになろう…。
昔から、海外で暮らすことに憧れていた。
その気持ちは徐々に強くなり、憧れや夢なんかじゃなく、絶対に外国で暮らすんだ、と自分の中で誓った。
じゃあ、外国で暮らすためにはどうしたらいい?
簡単なのは、現地の人と恋に落ちればいいんだ。
そんな方程式が、常にわたしの頭を駆け巡り、いつしか相手を探すようになった。そして、わたしという檻に捕らえられたryo。
「幸せ」になるためには、好きな人だけいればいい、という考えが甘かった。でも、あの頃はそれだけでよかった。
出会ってから約1年後、わたしたちは彼の国で結婚した。