劣後順位 | 「幸せの花を咲かせるBlog」ブルームダイニングサービス創業者 加藤弘康

「幸せの花を咲かせるBlog」ブルームダイニングサービス創業者 加藤弘康

経営観、人財育成、仕事とは?、人はどうあるべきか?、日々の気付きなどなど、経営の第一線で戦う社長の独り言。
主に社員さんへ語りかけています。
リアルを出来る限り赤裸々に。
真っ直ぐな僕の想いに触れてください!

なるほどなー。
リーダー必見やー。



「劣後順位」

●出前の握り寿司がここにある。あなたは何の寿司から順に食べるだろう
か?私は、大好きな穴子と玉子を最後に残し、まずはまぐろあたりから手
をつける。

●ある経営者と出前寿司を食べたとき、私のそうした食べ方を見て、忠告
された。
「武沢さん、どうして好きな順に食べないのですか?嫌いな順に食べると
まず一番嫌いなもの、次に二番目に嫌いなもの、最後に一番嫌いではない
ものという順になる。それじゃ、いつまでたっても好きなものにありつけ
ない。その点、私は好きな順に食べるので、いつも寿司おけの中の一番好
きなものを食べることができる。それに今、もし地震があって逃げること
になっても後悔しない」と、笑いながらの忠告だ。好みの問題なので、お
互い罪のない話だ。

●ところが、仕事の進め方となると笑っては済まされない問題だ。仕事に
は、目標設定と優先順位が大切であることはご存知の通りだ。しかし、実
はそれだけでは不充分なのだ。「劣後順位」という観点を忘れてはならな
い。

●劣後順位とは、優先順位の逆さの意味で使われる。手をつけてはならな
い仕事を決めることだ。経営者がまずやるべきことは、優先順位の設定だ
けではなく、劣後順位の決定である。
寿司であれば、どちらから食べようともやがてはすべてを平らげる。しか
し、仕事は永遠に私たちの許容量を超えるのだ。すべてをこなすことは出
来ない。

●「社長としての私は、何をしてはならないか?」を決めるのだ。ある勉
強会で、この質問を投げかけた。参加者は各自、ノートにその回答を書き
込んでいく。最初のうちは、集金や伝票発行、コンピュータ入力などの無
難なものが並ぶ。やがて経営者は考える。
「本当に自分でなければならない仕事とは何か」と。

●そうすると、今やっている仕事の大半が本来は劣後順位のリストに入れ
るべき項目であることがわかる。なかには屁理屈をいう人もいる。
「集金は自分でなくてもやれるが、自分が行くことでお客の生の声も聞け
る」とか、「自分の手でコンピュータに営業マンの個人成績を入力するこ
とで、一人一人の活動状況が手にとるようにわかる」などの言い逃れだ。

●「今日の言葉」にあるように、トップ本来の仕事は、昨日に由来する危
機を解決することではなく、今日と違う明日をつくり出すことである。

合い言葉は、
◇日常業務をこなすよりは明日のための仕事を
◇問題解決よりも機会の創造を
◇他社の後追いではなく独自性を
◇無難な調整ではなく、勇気ある変革を
である。

●劣後順位という考え方は、経営者の仕事の仕方にとどまらず、会社全体
にも普及させたいものだ。私自身の反省にもなるが、中小企業の経営計画
書がうまく機能していない理由のひとつに優先順位主義があるのではない
か。社長が勉強しておられる会社ほど総花的な経営計画書になりやすい。

●先日拝見した、ある会社の経営計画書は、何と戦略課題として7項目、
今期重点課題が5項目、部門別テーマが39項目、合計51の優先課題が
記されていた。従業員が千人くらいいればこなせるかも知れないが、社長
を含めて14名の会社だ。

●まず目標を絞り込む。少ないほど良い。次いで、我社として私として、
今やっているが、今後手をつけてはならない仕事をはっきりさせること。
そうしたアプローチが重要だ。



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